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http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090910/204461/?top
【バンコク銀行が人民元建て貿易決済に本腰】-----(日経ビジネス)
【広がり始めた国際通貨としての人民元】
「BBL to serve as yuan clearing house」
中国は、タイ最大の商業銀行であるバンコク銀行（BBL）をタイにおける唯一の人民元清算行に指定した。2009年8月31日、BBL幹部が明らかにした。自国の国際的な影響力を増すために、人民元の役割を拡大したい中国の思惑を示唆する動きである。
国境を越えた人民元建て取引を支援する人民元指定清算行は現在、香港に集中している。指定行は、人民元による預金や為替取引、送金といった業務を手がけることができる。BBLは、人民元による取引を処理するための口座を中国国内に開設した。同行は既に、中国に4つの支店を展開している。
バンコクのBBLで人民元口座を開設できる個人・法人顧客は、非居住者に限られる。例えば、中国企業はBBLに人民元口座を持ち、取引先であるタイ企業に対して人民元を決済通貨に使うよう要請できる。
BBLのプラソン・ウタイサンチャイ上席副頭取は、「BBLが人民元清算ビジネスに参入することにより、大陸からタイを訪れている中国人や中国を訪れているタイ人は、人民元とバーツをBBLで両替できるというメリットを得られる。タイ最大の財閥であるチャルーン・ポーカパン・グループのように、既に中国でビジネスを展開している企業も恩恵を受けるはずだ」と話す。
だが、プラソン上席副頭取は2009年の人民元建ての取引総数は少ないと見る。人民元清算ビジネスが本格化するのは、新銀行バンコク・バンク・チャイナが今年第3四半期に中国大陸で業務を開始してからになりそうだ。
プラソン上席副頭取は、「香港は中国にとって、最初の人民元清算拠点になるだろう。香港には現在、清算指定行が複数ある。しかし大局的に見れば、中国が必要とするのは1市場に1銀行のはずだ」との見解を示す。
タイにおいて唯一の人民元清算指定行となったBBLだが、プラソン上席副頭取は「指定行認可は、1年ごとに見直しの対象になる可能性が高い」と見る。BBLにとっての課題は、人民元とバーツの流動性を日次で管理することである。
2008年12月、中国政府は人民元の国際化促進を狙い、特定地域との人民元建て貿易決済を開始すると発表した。上海市および長江デルタ地域にある広州、深圳、東莞、珠海といった中国主要5都市において、試行プログラムが始まった。このほか、同プログラムは香港やマカオ、ASEAN（東南アジア諸国連合）も対象にしている。
中国政府は、国境を越えた人民元建て決済の実現に向けたこの試行プログラムを開始するにあたり、国内の主要銀行を人民元清算銀行に指定した。さらに今年7月には、人民元立て貿易決済のルールを定めた貿易人民元決済試行管理弁法を公布した。
（By Jiwamol Kanoksilp ©THE NATION/Asia News Network 2009年9月1日）
「THE NATION」
「THE NATION（ザ・ネーション）」は、タイ最大の新聞社、ネーショングループが発行する日刊英字紙で、発行部数は約6万8000部。創刊は1971年。独立系の新聞で、都市部を中心に、ビジネスリーダーから政府関係者、学者などまで幅広く読まれている。
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