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民主政権は円高容認、90円突破でも介入せず−市場関係者 (Update1) 9月8日
(ブルームバーグ):
ドル・円相場が仮に1ドル=90円を突破する円高に進んでも、民主党主導の新政権は円売り・ドル買い介入に傾かないという見方が市場関係者の間で出ている。同党内で政府によるドル資産への運用偏重を批判する声のほか、「円高容認」とも取れる発言も聞かれるためだ。
今年に入ってからのドル・円相場は、4月に100円台という円安水準があったものの、単純平均でみれば90円台半ばで推移している。
みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏は年内に90円を割り込み1月23日に付けた今年の円最高値(87円99銭)の更新を「目指すのは避けられない」と指摘。その理由として、「米国経済は金融機関の不良資産処理を終えておらずバブル崩壊後の後遺症を引きずっている」点を挙げ、ドルが中期的に円を含めた他通貨に対して売り込まれる可能性があるという。
上野氏はまた、16日にも発足する民主党政権が円売り・ドル買いの単独介入には踏み切れないと言い、その理由として同党が外貨準備運用でのドル偏重を批判してきたことを挙げ、「大規模な円売り・ドル買い介入を行えば、ドル建ての外貨準備を積み上げることになり、自らの主張と整合性を欠くことになる」と説明した。
民主党の中川正春氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、「ドルの信認が揺らいで日本経済が直撃を受けたり、外貨準備に為替差損が出たりするようなリスクは中長期的に回避すべきだ」などと述べていた。
「企業より家計重視」の表れ
各紙報道などで財務相就任が有力視されている民主党の藤井裕久最高顧問もブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、「16年前に蔵相をやったときもそうだが、為替介入はあまり乱用すべきではないと思っている」と述べて、介入は極力回避すべきだとの考えを表明している。藤井氏の発言だけに、民主党政権は円高を容認すると取られても不思議ではない。
上野氏は自民党政権との為替政策の違いについて、「輸出企業のことを考えれば、円安のほうがいいはずだが、民主党は円高によって国民の購買力を高めたいという発想だ。自民党と違い、企業より家計を重視するという姿勢の表れではないか」とみている。
国際協調
財務省の外国為替平衡操作の実施状況によると、日本政府は2004年3月16日を最後に、5年半の長期に及び為替介入を実施していない。「リーマンショック」など米国の金融危機が深刻化した昨年秋まではドル・円相場は比較的安定していたためという側面もあるが、自・公政権下でも既に為替介入は難しくなっていたことを物語る。
MU投資顧問のシニアストラテジスト、森川央氏は「04年までは日本経済がデフレに陥ると、世界経済安定に好ましくないと受け止められ諸外国から円売り介入で同意を取り付けられた」と指摘。その後は「06年に日銀が量的緩和措置を解除するなど、日本経済はいったん非常事態から抜け出したことで、単独介入は許されない空気に変わった」とみている。
住友信託銀行の為替セールスチーム長、立花実夫氏も「今や国際協調が普通になっており、自国通貨だけを重視した為替政策は取れない」と話す。また、米国では、「市場原理」を重視する共和党のブッシュ前政権から民主党のオバマ政権に交代したが、立花氏は「為替不介入というスタンスに変わりはないようだ」と指摘する。
前回の介入水準は1ドル=109−110円程度とみられる。8日の午後1時50分現在の相場は92円71銭と、これを大きく上回る円高水準だ。
しかし、上野氏は「国際的に危機意識が非常に高まったドル安局面なら、ドル買い・自国通貨売りの協調介入もあると考えられる」としながらも、「日本経済だけが圧迫される円高局面では、過度な変動や無秩序な動きでもない限り、円売り介入について、G7各国の理解を得るのは難しいだろう」とみている。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=aGeyt5VZ5RWQ&refer=jp_news_index