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民主党政権による為替市場の変化とは(KlugView)
2009/09/03 (木) 14:26
先日の衆議院選挙にて民主党が大勝したことで、外国人投資家など日本語での情報収集が難しい方は、民主党という政党そのものについて、いろいろと考えをめぐらせているようです。
衆議院選挙が終わった翌日、米国の2大主要紙であるワシントンポストとニューヨーク・タイムズが、民主党の鳩山代表に関する社説を掲載し、鳩山代表の対米姿勢に懸念を示しました。
両紙が取り上げた鳩山代表の主張は、日本語で情報を収集していれば、さほど目新しいものといえません。しかし、これまで(日本の)民主党という政党をウォッチしていない方からすれば、それなりに新鮮なもので、特に米国にとっては、鳩山代表の主張は、警戒したくなる内容なのかもしれません。
ただ、日本の政権が自民党から民主党に変わったことで、日米関係など外交面で変化は生じるかもしれませんが、金融市場に関しては、少なくとも短期的には、それほど大きな変化は生じない気がしています。あくまで現時点で得られる情報をもとにすれば、民主党が目指そうとしている経済政策は、マクロのマネーフローに大きな変化は生じないからです。
昨日(9月2日)、民主党は、社民党、国民新党と連立政権に向けた協議をし、経済関連として以下の点で合意をしました。
・政権担当期間中は消費税率は引き上げない
・郵政事業4分社化を見直す
・子ども手当を創設
・社会保障費の伸び2200億円抑制方針は廃止
・最低賃金の引き上げ
・農業の戸別所得保証を実施
このように個別具体的に列挙すると、民主党を主体とした新しい政権の政策は、自公政権のものと大きく違うように思えるかもしれません。しかし、増税を回避しつつも、歳出拡大を指向するという意味では、新旧政権において、マクロのマネーフローに違いはありません。
ここ15年の日本経済では、家計(個人)が消費を抑制する一方で、政府が借金(国債発行の拡大)を増やしながら歳出(政府支出)を増やす図式が続いています。
民主党は、消費税率の引き上げといった増税をしなくても、無駄な歳出を整理することで、子ども手当の創設などの施策は可能と主張しています。しかし、歳出を増やすことで存在感を示そうとする官僚達の抵抗があるだけに、現実化は難しいでしょう。
民主党の方々からは反論を受けるかもしれませんが、マニフェストに記載してしまった以上、消費税率の引き上げは実施できない一方で、歳出拡大につながる政策実施を迫られるため、新政権は、結果的には、借金(国債発行額)を増やすことになると思われます。
政府が、増税をせず歳出を拡大するのであれば、家計(個人)は、無理をしてまで消費を増やそうとしないでしょう。景気の低迷によって、所得は弱含む可能性があるものの、家計は消費を抑制する結果として、貯蓄を積み重ねることになります。この貯蓄の多くは、おそらく投資ではなく銀行預金に向かいます。
銀行は、積み上がる預金を運用すべく、安全資産といわれる国債を買い増します。この結果、国債の利回りは上昇することもなく、場合によっては、さらに利回りが低下する局面も出てくるかもしれません。この結果、為替市場では円安が進む可能性が高まります。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
民主党、社民党、国民新党の3党による合意において
社会保障費は、どのような結論になった?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
社会保障費の伸び2200億円抑制方針は廃止
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/09/03/006656.php