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「おもちゃのお金と本物のお金、どこがどう違うのか」---(ブルームバーグ記事とSDR・外貨準備と覇権、そして妄想)
(ひとこと)
私、ミスター第二分類は、かねてから米国金融資本のねらいは「世界通貨」にあると主張してきましたが、同じ考えを持つ人がいるようです。
世界の富を支配している金融資本は、米国債の価値をうまく落とす為にSDRをベースとした世界通貨を創設し、それによって米ドルの価値を合法的にうまく引下げることでしょう。。
しかし彼らのやり方は余りにも汚い・・・・吐き気すらしてくる。
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まずは、ブルームバーグの記事をどうぞ。
出展 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003001&sid=aFgPwLh5fwj8&refer=commentary
【コラム】ドルはディズニーのお金、世界通貨誕生に現実味−ハセット
8月31日(ブルームバーグ):
中国と同様に、ディズニーワールドの通貨も米ドルにペッグされている。
米ドル1ドルを払うと、ミッキーマウスと仲間たちが刻印され、ディズニー国の財務長官スクルージ・マクダックの署名のあるディズニードル1ドルがもらえる。
しかしこの交換は今や、不必要な気がする。米ドルは急速に、おもちゃのお金になりつつあるからだ。
その結果、ドルに変わる準備通貨として世界共通通貨の創設を求める声が高まっている。
これを現実味がないと決め付けるのは大間違いだ。世界通貨誕生の可能性はかつてないほど高まっている。
これを求める声はあちこちから出ている。ノーベル経済学賞受賞者のジョゼフ・スティグリッツ教授は世界準備通貨創設を推奨する国連の委員会を率いている。
中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は米国に代わって国際通貨基金(IMF)がリーダーシップを担うことを提案した。メドベージェフ・ロシア大統領は最近、イタリアでの主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)で世界通貨の見本を配った。
これらの声に耳を傾ける理由は数多い。世界通貨創設の議論は第一印象ほどに荒唐無稽(こうとうむけい)なものではない。ドルに代わる代替通貨の市場は、仮に米国が反対していても、発達する大きなチャンスがあることは明らかだ。
国際機関の役割とケインズ経済学を信じる者にとって、世界通貨は非常に魅力的な考えだ。そして、オバマ政権はこうした信奉者に事欠かない。
【準備通貨】
さまざまな議論を検証してみよう。ドルは(度合いは低いがユーロと円も)世界の準備通貨だ。
これは、世界中の国がマクロ経済面での衝撃に備えるため、ドルと米国債などのドル建て資産を積み上げることを意味する。
これには2つの大問題がある。まず、外貨準備を積む各国は米国と他の先進国に多額の低金利融資を提供することになる。
スティグリッツ教授の委員会は発展途上国が2007年だけでも先進国に3兆7000億ドルを融資したと概算している。
そのような資本の流れは開発政策として、どう考えても合理的でない。
第2に、米国をはじめ、ほとんどの先進国の財政は持続不可能な道をたどっている。
将来には膨大な赤字と厳しい財政問題が待ち受けている。ドル資産を抱え込んだ途上国は恐らく、大きな損失を被るだろう。
従って、外貨準備をドル以外の通貨に多様化するための代替戦略を途上国が協力して模索するのは当然といえる。周総裁とスティグリッツ教授の委員会は別々に、この方法について案を示した。
【SDR】
IMFは特別引き出し権(SDR)と呼ばれるものを発行している。これは通貨のようなもので、当初は国際収支額の単位として金の代わりとなることを意図したものだった。
SDRの市場は今のところ限られているが、拡大は容易だ。多数の国が足並みをそろえて外貨準備の大きな部分をIMF通貨で保有すると宣言すればよいのだ。
そのような動きに弾みがついたら、ケインズ学者たちをさらに喜ばせることになるだろう。
というのも、ドルを世界の基軸通貨とするブレトン・ウッズ体制が築かれたとき、経済学者ジョン・メイナード・ケインズは「バンコール」という国際通貨単位を提案した。
この国際通貨の魅力は、経済危機に見舞われた国が投資家の資金引き揚げを恐れて、リセッション(景気後退)中にも財政黒字を維持しなくて済むことだ。
オバマ政権内にもバンコールを支持する当局者が多くいるだろう。
ポール・ボルカー元米連邦準備制度理事会(FRB)議長はこのアイデアに賛成だが、同氏1人ではないはずだ。
何と言っても、オバマ政権は米史上最大のケインズ主義的景気対策を導入した政権だ。ケインズをそれほど信奉しているなら、「バンコール」に反対するのは矛盾していると思われる。
【バンコール・ペッグ】
このような流れを考えると、世界通貨はどちらかというと早めに実現しそうだ。それはこんな風に起こるかもしれない。
中国やロシアが世界通貨の市場拡大を目指し、ドルに別れを告げてバンコールに大きな額を投資する。途上国がこれに倣い、やがて自国通貨をバンコールにペッグするようになる。最終的に、米国もこれに加わるかもしれない。
これが現実になれば、私たちの為替取引はディズニーワールドで起こっているものと同じになる。ただ、その時には米ドルが本当におもちゃのお金になっている。(ケビン・ハセット)
(アメリカン・エンタープライズ研究所で経済政策研究のディレクターを務めるケビン・ハセット氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
更新日時 : 2009/09/01 04:31 JST
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(コメントと意見)
「外貨準備」の目的は対外債務の返済や輸入代金の決済、(投機筋などによる)自国通貨の為替レートの急落を防ぐ事が目的としておこなわれます。
外貨準備は貿易等の国際取引を円滑にするために、中央銀行や政府などによっておこなわれていますが、この資金をプールするために米国債が購入されています。
なぜ米国債かと言うと、米国債は最も流動性が高く、しかも機軸通貨をベースにしていた事からイザと言うとき簡単に資金化し、日本円を買い支える事ができる為です。
つまり機軸通貨を持たず、金融面でアメリカに劣る国はイヤでも米ドルで外貨準備を持たざるを得ない仕組みになっているのです。
米国に流れた資金は米国の為の投資に使われ、それは結果的に富を米国に還流する役目を果たします。
外貨準備というものは、その性質を考えると自国通貨に経済的な価値の裏づけがあり、適切な価格で常時交換をしてくれる相手がいれば、大量に持つ必要はありません。
また、自国経済が「地域完結型」で、外国から財を輸入したり資本を輸出したりする必要がなければ、EUのように小額しか必要ありません。
ですが、なぜアジアの沢山の国が米ドルを中心として外貨を大量に保有しているのか・・・・
それは、投機筋に「空売り」を仕掛けられるからです。
空売りで自国通貨の価値が短期間で大幅に下落すると、輸入品である、石油や食料の代金が暴騰します。
通貨価値を維持する為には金利の引上げが必要となり、それは景気や投資の停滞・低迷を招き、多数の人々の生活に重大なダメージを及ぼします。
実際に十数年前のアジア通貨危機では、外貨準備が少ないアジアの国々が「米国系ファンド」の「空売り」のターゲットになり、自国経済に深刻な打撃を受ける事となりました。
タイ、フィリピン、韓国などの多数の国が投機筋に攻撃され、IMFの管理下となった韓国は30歳が事実上の定年などという、日本では信じられない状況となったのは多くの人々の知るところです。
※実は通貨の投機筋は、その多くが米国の別働隊で、米ドルを嵌め込むためのマッチ・ポンプの役割をしていたのではないかと私は疑っています。
このように新興国は、自国経済の発展の為にイヤでも外貨準備を米ドルで持たざるを得ない状況が長期間続きましたが、良く考えると全くバカらしい話です。
ハゲタカ金融資本とその黒幕に騙され散々貢いでいましたが、虎の子の米ドルの為替レートは、自国経済が発展すれば、するほど下がります。(ドル安)
ガンバッテ働けば働くほど、為替が切り上げられ、損をします。
頑張らなければ、貧乏のままです。
しかし、世界はバカではありません。「万国の労働者よ団結せよ!」ですよ・・・・本当に。
現在の状況は言えば、中国やロシア等の新興国がこのトリックに気付きはじめた状況と言えます。
でも、解決は簡単ではありません。
米国債を損失を恐れず叩き売れば、マーケットは暴落、世界中の金融システムはマヒ。
おそらく大恐慌が全世界に広がるだけでなく、貿易はストップ。食料不足や凍死者、暴動も起こる事でしょう。
強行すれば、軍隊がやってきて「死刑!」にされるかもしれません。
ですがSDRと言う「救いの手」はありました。
もっとも、その「救いの手」はまたしても「メードイン・イングランド」の謀略にまみれています・・・・・。
SDRそのものには問題はありません。
だれも外貨準備を持たなくても良くなるからです。
どんなに赤字を垂れ流がしても「価値の裏づけ」のある通貨がSDRの価値を支えてくれます。
しかし、このSDRはだれが神輿を担いでいるのでしょうか。
なお、ポール・ボルカーはあの・・・・ゴールドマン・サックス出身。
SDRペッグの画期的かつ、インチキなところは、主要通貨をバケットにする点です。
世界に最も沢山流通する米ドルも当然、その中に含まれます。
すると、ドルからいつもでもSDRと言う「理論上は世界最強?」の通貨に変換できる事になります。
これは結果的にドルについて「世界最強の通貨となるSDRで外貨準備を作る」事と同じ結果をもたらします。
いままで無尽蔵に増刷したドルはSDRへの切替えまでの長期にゆっくりと、ひたすら価値を下げ続け、終わりを迎えるストーリーになると言う事です。
結果的にニポンや中国、韓国、台湾などのアジア諸国がアメリカに差し出したお金は、相当な金額が為替差損で消えてなくなる事となります。
ただ、SDRによる価値の裏付が付く事でドルの「暴落・崩壊」は無くなる事でしょう。
これに比べたら、タダみたいなもの・・・・・・・絶句。
いつも言っていますが、「ドルの崩壊はなし。あるのは、ただ価値の下落のみ」という予測となります。
結果的には信用バブル破裂による金融危機は、SDRと言う仮想通貨を推進する事になり、世界の国々はまたしても「騙され引っかかった」という事実だけが残ります。
中国、ロシアもイヤでも従わざるを得ないでしょう。
SDRをやらなければ、待っているのは「経済ハルマゲドン」だけなのですから・・・・・
ブルーム・バーグのコラムはディズニーワールドの「おもちゃのお金」をたとえ話で乗せましたが、ドルは現実にはもうすでに「おもちゃのお金」になっているのですよ・・・・・・。
それから、SDRのような「仮想通貨」を侮ってはいけません。
ユーロだって、最初は銀行間取引での「仮想通貨」として取引が始まり、帳簿上のお金でした。
もともと通貨なんてただの紙きれで「証文」にしか過ぎないのですから・・・・。
お金に永遠の価値があると思い込んでいるのは「強欲」なブルジョワジーの方々だけでたくさんですわ・・・・拝金主義で人間性が破壊されている奴らなんか消えてしまえ・・・・。