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短期ではドル安要因とならない中国外貨準備の構成シフト(KlugView)
2009/08/24 (月) 11:19
中国共産党機関紙の人民日報(海外版)は、8月20日の論説記事で、6月末の中国の米国債保有額が大幅に減ったことは、外貨準備運用の多様化を追求している表れ、との見解を示しました。また、同記事は、外貨準備を使って中国企業の海外進出を後押しし、先端技術や資源などを手に入れるべき、とも主張しています。
中国は、世界最大の米国債保有国です。
6月末の保有残高は、7764億ドル(約73.5兆円)と巨額ですが、5月末から251億ドル減り、9年ぶりの大幅な減少となっています。
米国債は、デフォルト(債務不履行)リスクが非常に低いといわれていますが、米国債はドル建てのため、米国債を大量の保有することは、ドル安リスクを抱えることを意味します。
米国が、景気対策として、過去に例を見ない規模で金融緩和策を進めている以上、ドル安リスクは、過去に比べて高いといえます。
中国としては、せっかく溜め込んだ外貨準備の目減りを避けるためにも、外貨準備に占める米国債の割合を下げることで、ドル安リスクを少しでも低くしたいところです。
しかし、中国の希望通りに、米国債の保有割合を下げることは容易ではありません。
仮に中国が、米国債の保有割合を下げようと、保有する米国債を売却してしまうと、米国債の価格が下落し、売却しきれずに残ってしまった米国債の価値が下がってしまいます。中国は、米国債保有額があまりにも巨額なために、米国債を売ろうとすればするほど、多額の評価損を被るという矛盾した図式に陥っています。
仮に米国債を無事売り抜けたとしても、外貨準備として米国債(ドル建て資産)以外の資産を保有するのも困難です。7000億ドル以上もの規模を受けきれるだけの投資資産は、数が少なく、米国債に投じていた資金を一気にシフトさせてしまうと、シフト先の資産価格が割高となり、高値掴みをする可能性が高まります。
ある程度、合理的な価格で米国債以外の資産を購入するのであれば、時間をかけて少しずつ購入するしかありません。
言い換えれば、中国が米国債から離れたくても、すぐさま離れることはできず、時間をかけて対応するしかないといえます。最近、ドルの下落傾向が強くなっていることもあって、中国による米国債売り(ドル売り)を指摘する声もあるようですが、これは中長期的には正しくても、短期的には正しくない指摘の様に思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
09年6月末の中国の外貨準備はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
7764億ドル(約73.5兆円)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/08/24/006534.php