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外貨預金の金利低下が日本の金利を引き下げる(KlugView)
2009/08/20 (木) 11:24
日米の短期金利が、銀行間市場で、ほぼ同じになろうとしています。短期金利の国際的な指標とされているロンドン銀行間取引金利(LIBOR・ライボー)は、ドル3カ月物が8月19日に過去最低を更新し、円金利との差は0.02%台まで縮まりました。
LIBORの日米差は、昨年秋には4%近くまで拡大しました。円LIBORが安定的に推移する一方で、ドルLIBORは、米金融機関の信用不安を背景に、貸付先の破綻リスクが金利に上乗せされたためです。しかし、その後は、米金融大手の業績が回復したことから、破綻リスクが後退し、ドルLIBORは、徐々に低下しました。
8月20日付の日本経済新聞は、LIBOR日米差の縮小を背景に、国内大手行の外貨預金で金利の逆転が生じていると紹介しています。三菱東京UFJ銀行では、8月19日時点で、ドル建て定期預金の金利が10万ドル未満の1年物で0.01%と、円定期預金金利(0.15%)より低い水準となっています。
昨年秋頃と比べれば、世界的に金融市場は安定感が増しています。また、米国景気が底打ちしたとはいえ、米国がすぐに利上げを実施する状況ではありません。おそらく、LIBORの日米差は、今後もしばらくは、ほぼ同水準で推移すると思われ、ドル建て定期預金の金利は、手数料等を考慮すると、円の定期預金金利を下回る動きが続くと思われます。
外貨預金が日本で人気が高まった理由の1つに、外貨預金の金利の高さが指摘されています。ところが、外貨預金の金利が、日本の定期預金の金利よりも低いのであれば、ほとんどの方は、外貨預金を選ばず、定期預金を選ぶでしょう。おそらく日本における外貨預金残高は、徐々に減少すると考えられます。
興味深いのは、外貨預金から流出した資金の流出先です。外貨預金を選ぶ方の多くは、金利収入を目当てにしているでしょうから、外貨預金の資金は、現状のままであれば、銀行の定期預金に向かうと考えるのが自然です。
この仮説が事実となれば、銀行預金残高が増えることになり、銀行の運用ニーズが高まります。ただ、銀行の運用資金は、本業である企業融資に向かわず、国債を中心とした公社債に向かっています。つまり、外貨預金の資金は、結局、公社債にシフトする可能性が高いといえます。言い換えれば、外貨預金離れは、公社債利回りを低下(公社債の価格は上昇)させ、日本の金利をさらに押し下げる、と考えられます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
2009年8月19日時点の三菱東京UFJ銀行の
ドル建て定期預金の金利(10万ドル未満の1年物)はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
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http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/08/20/006505.php