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政治や芸能などに比べて、マスコミが企業スキャンダルを取り上げることは少ない。企業は大事な広告主であり、また、読者の関心も比較的低いと思われがちなジャンルだからだ。そんな中で、ネットメディアを舞台に、誰にも遠慮することなく企業の闇を追及し続ける男がいた──。
広告主への配慮や組織の論理でタブーの多い大手メディアのジャーナリズムが苦戦する中、ジャーナリスト個人が運営する有料サイトの中には、しっかり利益を確保しているものがある。山岡俊介氏の「アクセスジャーナル」は、投資家や企業などの購読者を多数抱える、そんなサイトのひとつだ。武富士を始め、数々の企業スキャンダルを追及し続けてきた山岡氏に、個人メディアの利点と苦労、裏話などを聞いた。
──今、追っている企業スキャンダルの中で、ホットなネタは何ですか?
山岡俊介(以下、山) 有名企業では、光通信によるソフトバンク携帯「寝かせ」疑惑や、INAX工場に従業員を派遣する会社が山口組の舎弟企業だった件、みずほ銀行行員による顧客情報漏洩疑惑ですね。
──こうした形態でジャーナリズムをやるメリットは何ですか?
山 「問題がある」と思ったネタを自由に書けることですね。広告を取らず、組織にも属さないから、どんな組織や人にも遠慮は要らないので。
──比較的タブーが少ない週刊誌でも、自由には書けないですか?
山 もちろん、編集部が興味を持たないと書けないし、「やる」といいつつ、ネタを潰された経験もあります。昔、西川善文(現日本郵政社長)の自宅の所有者が、「富士緑化」(本社・山梨)という金丸信(元自民党副総裁)の金庫番的な企業になっていて、登記上も不自然なことがいっぱいある、というネタがあったんです。それを某週刊誌でやることになって取材していたら、僕の知らない所で、そこの編集長が勝手に西川と会ってたんですよ。そのあと突然その編集長に「あの企画なくなったから」と言われて。理由を聞くと「もう疑惑が晴れたから」(笑)。そんなことあるかよ、と。
──取引があったとしか思えませんね。
山 ええ。あと別のネタで、ある企業を追及していたら、その雑誌の副編集長にいきなり料亭に呼ばれて。行ったら、その企業の常務との会合がセッティングされていて、部屋に入るなりその副編が「山岡さん、いくら払えばいいの?」って言ってきた(笑)。もちろん、乗りませんでしたよ。後で副編は「冗談に決まってるじゃない」って言っていたけど、冗談で言うかそんなこと、という感じですよね。
──そういう意味では、個人でのネット配信は理想的な形態ですか?
山 そうですが、訴訟になれば全部自前ですからね。大変なことも多いです。それと、月に約60本の記事を配信しているんですが、独自情報にこだわっているんで、結構大変ですよ。
──すべて一人で?
山 取材・執筆・配信まで、ほぼ一人ですね。どの写真を使うか決めたり、過去の記事へリンクを貼る作業などは、他人に指示するより自分でやったほうが早いですからね。
──「アクセスジャーナル」に対しても、脅しや懐柔などはありますか?
山 脅しはあまりないですが、金銭による懐柔は結構あります。
──具体的には?
山 あるノンバンクを追及していたときは、そこの社長サイドから500万円で「記事を書かないように」と持ちかけられました。正確には、その社長が通う武道の先生が仲介に入ってきて「武人として、稽古中の社長を見ているが、悪い人には思えない。山岡さん、大人の対応を」とか言って、分厚い封筒を渡してきました(笑)。もちろん断りましたけど。
──武道家の風上にも置けませんね。
山 ええ(笑)。また、ある上場企業を追及した記事を載せたら、ある筋から「1000万円で消してくれ」と頼まれたこともあります。断ったら「山岡さん、なんで1000万も払うって言ってるのに消せないの?」と。金額の問題じゃない(笑)。そんなの受け取ったら、ジャーナリスト廃業ですよ。信用第一ですから。そもそも、懐柔を持ちかけられること自体屈辱なんです。金を受け取るだろう、って思われているわけですから。僕をブラックジャーナリストだと思ってしまう人もいるようです。
──実際に会って話すと、そんな印象は全然ないんですけどね。
山 取材で企業に行くと「あなたが山岡さんですか?」とよく驚かれます。ヤクザみたいなキツい顔のが現れると思っているようで(笑)。
──ネタ元はどんな方が多いですか?
山 企業ネタの場合、内部の人間が多い。一言でいうと仲間割れが原因で、一方の当事者が告発してくる。相手を陥れるのが目的だから、ネタの信ぴょう性としては危ないんですが、経験上まったくのガセというのはまずないです。それでも裏取りはきちんとやっています。当たり前ですが、そういうネタ元とは、一定距離を保たなければいけないので、金銭のやり取りは一切ないですよ。
──では、今の「アクセスジャーナル」のような形態なら、山岡さんには弱点なしでしょうか?
山 いや、去年の秋ぐらいに異常な集中アクセスがあって、サーバーがダウンしたんですよ。原因は不明ですが、それで、契約上認められている以上の負荷がサーバーにかかったという理由で業者に一方的に契約を打ち切られ、約1週間閲覧できなくなってしまったんです。仮サイトで対応したんですが、その間は入会者も減り、退会者も続出でした。一度離れると、復旧してもなかなか元に戻らないんですね。最近ようやく、サーバーダウン以前の水準まで戻りつつありますけど、かなり痛かったですね。それでも、なんとか取材費用は捻出できるし、他人にも左右されないので、スキャンダル追及に、有料サイトは格好のメディアだと思っていますよ。
(構成=逸見信介/「サイゾー」9月号より)
●やまおか・しゅうんすけ
1959年生まれ。フリージャーナリスト。「週刊大衆」「噂の眞相」「財界展望」などで活
躍し、06年に有料サイト「アクセスジャーナル」を開設する。さまざまな問題を取材・執筆する間、武富士から盗聴を受けたり、自宅を何者かに放火されたり、刃物が送られてきたりと、命がけで真実を追及している。
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コメント
ノリピーの報道状況をyoutubeなどでみていると、偽装請負過労死裁判をしているニコン、松下プラズマとの偽装請負裁判の企業側の対応とノリピーの失跡からの状況対応が良く似ているようにも思える。
偽装請負裁判をおこされている企業も逃げ得をゆるされるのか、それともノリピーの逃げ得をゆるされるのかどうか。
ただ、ノリピーの一ファンとしては、表の顔をあまり壊さないでもらいたいものです。
闇社会というものは、昔からあるようですが、表の社会も今は闇社会となり、日本人には、闇といえども日本人の心を失うことはなく、やくざの世界も弱気を助け強気をくじくというように、企業の暴走を食い止めた部分もあるのですが、今や弱気をたたき、強気を傲慢にさせるという社会となっているようです。
表に現れた社会を闇に追い込むことにより、その闇が、表の社会の人間が、見境もなく平然と行動されできているのが、今の日本なのかもしれません。
東京株式市場は、調整一服感のような状況ですが、そろそろ動き始めるのでしょうか。
自公政権ももはや官邸は空白の状況のようであり、主な議員は、地元選挙区でどぶ板選挙をしているようです。ひさびさに地元に帰りどぶ板選挙をした大物議員もいるようで、多くの有権者が今後の日本をどうしようとしているのか大切な選挙となるのかもしれません。
民主党が政権をとるにしても今の自公政権を壊滅状態にするくらいまでに追い込まないと、国民生活中心。いわゆる直接国民制のようなマニュフェストを実行することは難しく、自公政権が行ってきた間接国民制のような組織団体を経由してのほうが既存勢力のためにはいいと考える有権者もまだまだ多いのかもしれません。
自民党政権の議員も党を刷新するといっていますが、まず変わらないでしょう。
ある米国などのファンド会社に聞くと、社内でも元FBI,CIAなどのプロの捜査官を雇いさまざまな情報をとっているようであり、情報の大切さというものがわかります。
政治家の人気度が高いという舛添厚生労働大臣が、今年の派遣村の失業者に対して4000人分の求人票を持って行ったが、だれも応募しなかったということを語ったようですが、実際はたくさんの人が応募したが、すべて断られたということだったようです。
どんな企業を紹介したかわかりませんが、日雇い派遣のようにころころと職を変える労働者を率先して雇う、或いは年齢が高い労働者を雇う会社というのは今の状況あまりないでしょう。
企業としては派遣制度というのがあるならば、無理して正社員を雇う必要もなく、職場の形態もそのような仕組みにしていきますし、正社員だけが硬直し、非正社員が流動をしていく社会では、派遣制度そのものを禁止したほうがいいのかもしれません。
特に製造業は、身体の危険を伴う作業が多いために派遣などの制度は禁止すべきだと感じていますが。
ある事件では、派遣社員が労災で大けがをしても派遣社員の命より設備稼働を重視した正社員もいたという事件もあったようで、大手工場で労災死者をだしたとしても偽装請負会社でしたということになり、大手企業の名はでてこなく、また、責任さえ追及されないといった事件がでており、偽装請負会社の人材募集には、堂々と大手企業のメーカ名がだされていたというおかしな状況だったようです。
それを取り締まる労働局、労働基準監督署などは、労働者の訴えを黙殺しており、弱い労働者は、役人の嘘を信じ、追い返されるという追い返しおじさんという役人まででてきたようです。
その追い返しおじさんという役人は、今でも役所に勤めているようです。
ニコンが偽装請負過労死裁判で上告したのですが、このような事件こそ一般の国民に関わる事件ですので裁判員制度を活用するべきだとも感じるのですが。さすれば、一般株主も企業の利益を追求するとともに企業倫理にも感心がいくのかもしれません。
偽装請負問題、日雇い派遣問題などが数年話題になりましたが、企業との裁判がここまでこじれるというのは、すでに歯止めが利かない社会となりつつあるともいえ、そろそろ解決という道筋を政府が検討するべき時期にきているのではないでしょうか。
ノリピーの事件を材料にするのではないですが、週刊現代によると数々の証言が掲載されており、事務所およびマネージャーは、本当に知らなかったのかとも言われていますが、今やマネージャー業も職人および人生の師という存在ではなく無責任なサラリーマン社会となっているともいわれており、日本の力といわれる現場力が、いたるところで失っているのかもしれません。
民主党政治は、この現場力をよみがえらせようとしているとも考えられ、成長が止まったかのように見える自民党議員よりもまだまだ成長が見込めるという期待もあります。
結局は有権者次第なのですが、団体および組織の声でなく、有権者一人一人の考え方、意見が同調を呼び反映されていく状況がこれからの時代には大切なのかもしれません。
よく日本人は一方方向の民族といわれていますが、民主党政権に今後の日本をかけるというのも選択としてあってもいいとも感じられます。しかし、有権者の声を個別のこととかたずけられるようでは、拉致問題同様何も前に進まない政権、日本となるのかもしれません。
すると、どこがこの日本を支配するようになるのでしょうか。