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第3448回
世界的に不足する物は何かときかれたら、
誰でも石油と言うでしょう。
この半世紀、一番ふえたのは自動車だし、
自動車はガソリンがなければ走りません。
自動車だけでなく、
石油科学の研究が急速に進んで、
化学繊維から化粧品に至るまで
石油を使う分野は異常に開発されたので、
産油国がゴホンとやっただけで
世界中の先進国が肺炎どころの騒ぎではなくなってしまいました。
おかげで何の働きもない産油国の王様たちが
世界の大富豪にランクされるようになりましたが、
石油が高くなったら
アラビアの王様たちだけがホクホクするわけではありません。
石油を使った商品が全部値上がりしますから、
アラビアの王様が買いたがる商品も負けずに値上がりするのです。
それだけでなく産油国にばかりお金を持って行かれるのも
癪のタネだし、
そのうちに石油が涸渇してしまう心配もあるので、
トウモロコシからエタノールをとる時代もはじまったし、
電力で自動車を走らせる技術も急速に普及する方向にあります。
世界経済が一方的に石油だけから影響される時代は
去りつつあるのです。
もちろん、発展途上国が先進国の仲間入りをしたら、
資源不足が起ることは目に見えています。
ですから中国は蓄積した外貨を投入して
世界中の資源を手に入れる努力をしていますし、
それが実を結ぶことも現実に起ることです。
しかし、金属では恐らく
一番早く不足するようになるのは銅でしょうし、
従って金鉱山の株を買うなら、
銅山の株の方がほとんど間違いなく
先見の明を立証することになるでしょう。
それに対して私たちの日常生活の中で
最も確実に不足に悩むようになるのは
間違いなく水だと思います。
日本でも水を扱う事業は着実に仕事をふやしていますが、
中国はもともと水不足に悩んで来た国だし、
生活が向上するに従って
水不足はますます顕在化することは目に見えています。
私ならハイブリッドより水不足です。