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"Shadow Banking System"。日本では報道されることもなく、ブログでもほんのわずかな人が取り上げただけの、この発言は、今年3月3日、オバマさんと会談した後のイギリス、ブラウン首相が言ったものだ。この記事によると、似たようなことはオバマさんも3月4日のWeekly Addressで発言したようで、一部の人は、記事の見出しにあるように「Outlaw the Shadow Banking System!」という形で期待を込めた。
「In other words, I know these steps won’t sit well with the special interests and lobbyists who are invested in the old way of doing business, and I know they’re gearing up for a fight as we speak. My message to them is this:"So am I."」(これらの対策は旧来のビジネスのやり方の利益、ロビー団体とは折り合わあず、そうした団体は、こういしている間にも戦いの準備をしていることを知っている。彼らに言いたいことは、「自分もそうだ」ということだ。)
Guess Who Said, "Outlaw the Shadow Banking System!"
http://matrixnewsnetwork.com/breaking-news/88-business/1281--guess-who-said-qoutlaw-the-shadow-banking-systemq.html
しかし、この発言が、オバマさんのものとはとても信じられない状況になっている。現実には、オバマさんは、彼の言う利益団体、ロビー団体を動かしたゴールドマン・サックスの卒業生に囲まれて、金融政策を任せっきりの状態なわけだ。だからこそ、ゴールドマン・サックスなどの一部金融機関に対する無条件の税金投入も行われてきた。
では、会談後のオバマさんとの共同会見でのブラウンさんの「Shadow Banking System!」という発言は、どういう脈絡で出てきたのだろうか?「陰の金融システム」と言えば、当然のことながら、タックスヘブン、さらに進んで今回の金融バブルを演出した国際金融資本を思い浮かべる。そのことを指しているのだろうか。しかし、この全文を読むと、どうも話は違うようだ。
REMARKS BY PRESIDENT OBAMA AND BRITISH PRIME MINISTER GORDON BROWN AFTER MEETING
For Immediate Release March 3, 2009
http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Remarks-by-President-Obama-and-Prime-Minister-Brown-after-Meeting/
さらに、この中でオバマさんは意図的かどうか分からないが、とんでもな間違いを言っている。ブラウンさんの「Shadow Banking System」発言は、このオバマさんの間違いを受けて出てきた。
「世界のたいていの国の金融規制システムは、依然、前回の最大の危機から考案された1930年代のシステムのままである。」
だから、米国も金融機関や規制の枠組みを新しくして、グローバル化の力が一般の人々の恩恵になるようにされなければならないと言っている。米国の規制は1930年代のものではない。金融機関を規制していたグラス・スティーガル法は1999年末に金融サービス近代化法によって廃止されている。だからこそ、元でなしのCDSという何の裏付けもない保険業が可能になった。
ひょっとして、オバマさんは米国版コイズミかもしれない。その可能性がとても高い。とともに、イギリスの動き、アメリカとの力関係が非常に気になる。米国金融を裏で動かしている最大勢力は、ひょっとしてイギリスではないのだろうか?CDSの産みの親とされるAIGの金融部門もイギリスにあった。