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米国の失業率が上昇を続けている。
米国労務省が7月2日に発表した全米平均失業率は、前月より0.1ポイント上昇して9.5%であった。1983年以来26年ぶりの高水準で、オバマ大統領も失業率が10%を超える確率が極めて高いことを認める発言をしている。
失業率が上昇過程に入ったのは、サブプライム問題が表面化しはじめた2007年半ばだが、2008年9月のリーマン・ショックを機に、その速度が加速した。注目すべきは、それと同時に消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)が、対前年同期比で急激に伸びを減じる傾向を見せたことだ。2008年末には消費者物価指数は対前年同期比でマイナス、すなわちデフレ局面を迎えるに到った。
失業率の上昇と物価の下落が同時に見られる状況は、日本の“失われた10年”で現出した“デフレ・スパイラル”の可能性を感じさせる。
デフレ・スパイラルとは、
物価下落→企業業績悪化→失業率上昇→個人消費減少→物価下落
という形で、物価下落と景気悪化が“負の連鎖”を循環的に起こすことだ。
2009年6月の統計では、失業率の上昇速度が減じると共に、対前年同期比CPIのマイナス幅が減少している。しかし、7月24日(現地時間)に予算が成立したカリフォルニア州をはじめ、州政府が財政赤字削減のために予算縮小策に出ることから、失業率は再度拡大傾向を見せる可能性が高い。また同月のCPIについては原油価格上昇の影響が指摘されているが、景気悪化が加速すれば、原油価格も低下に転じ、CPIを引き下げることになろう。
米国において再度、デフレ・スパイラルが現出する危機が、見えてきている。