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楽観できない日本景気持ち直しの動き(KlugView)
2009/07/31 (金) 11:11
7月30日に発表された6月の鉱工業生産指数(生産指数)は、前月比プラス2.4%と、4カ月連続の上昇となりました。これにより、4-6月期の生産指数は、前期比プラス8.3%と、5四半期ぶりの上昇に転じています。
生産指数と同時に発表された生産予測指数は、7月が前月比プラス1.6%、8月が同プラス3.3%となっています。仮に7、8月の生産指数が、生産予測指数と同じ結果となり、9月が8月と同じ水準となると仮定すれば、7-9月期の生産指数は、前期比プラス7.4%と、4-6月期と同じように、高い伸びが続くことになります。
一般に生産指数は、実質GDP成長率との連動性が強いと考えられています。このため、エコノミストなど市場関係者の多くは、生産指数の強さから、日本の実質GDP成長率は、4-6月期は大きくプラスになるだろうし、おそらく7-9月期も、それなりに高い伸びを示すだろうと考えています。
4-6月期だけでなく、7-9月期の成長率もプラスが期待できそう、いうこともあり、日本の景気が(ようやく)持ち直してきたと考えてよさそうです。ただ、日本景気が、このまま冬場から来年にかけて順調に回復を続けるかというと、そこまで楽観的に考えないほうがよいように思われます。
もっとも懸念されるのが、足元の生産指数の上昇は、行き過ぎた在庫調整の反動による部分が大きいことです。1-3月期の生産指数は、前期比マイナス22.1%と、過去に例を見ないペースで落ち込みました。この結果、出荷が少し持ち直しただけで、在庫不足となり、生産活動を急ピッチで増やす必要が出ています。
それにもかかわらず、在庫の状況を示す在庫指数は、6月時点で95.4と、現基準で最低です。在庫水準が低いことから、まだしばらくは増産の動きが続くでしょうが、在庫水準がある程度戻ってきたら、増産を続ける必要性も薄れます。
このため増産が続くには、在庫調整の反動だけでなく、出荷の回復が必要となります。国内の自動車・家電購入支援策や、各国の経済対策を背景とした輸出拡大が、出荷の回復を後押しするでしょうが、時間とともに政策効果は、低減するのが一般的です。在庫調整の反動がなくなるであろう冬場(10-12月期)あたりから、政策効果も低減すると、生産指数の伸びが一気に落ち込むシナリオも、それなりに現実味があるように思われます。
生産指数の上昇という明るい話に水を指すのは心苦しいものですが、こういうときこそ、一歩下がり、より広い時間軸で景気の先行きを考えることが有益にも思えます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
2009年1-3月期の生産指数は、
どれくらい落ち込んだ?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
前期比マイナス22.1%
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/07/31/006296.php