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GDPだけでは判断できない中国景気の回復具合(KlugView)
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投稿者 そのまんま西 日時 2009 年 7 月 27 日 23:49:04: sypgvaaYz82Hc
 

GDPだけでは判断できない中国景気の回復具合(KlugView)
2009/07/25 (土) 15:32

中国人事社会保障省は、今年1-6月期の都市部の登録失業率が、4.3%と昨年末を0.1%ポイント上回ったと発表しました。

日本の失業率は、足元(今年5月)で5.2%ですから、中国の失業率は、さほど高くないように見えます。しかし、中国の場合、公式に発表される失業率は、都市部の労働者のみを対象としており、全国に2.5億人いるとされる農民工の大部分が含まれていません。

昨年末の都市部の登録失業率が4.2%と発表されたとき、中国社会学院は、未登録の農民工を対象に含めれば、実際の失業率は9.4%に高まると発表しています。つまり、中国の雇用情勢は、日本よりもかなり厳しいといえます。

中国において、特に厳しいのが、大学を卒業したばかりの新卒者の就職です。

報道によると、今年の夏に大学を卒業した610万人のうち、雇用契約を結べたのは415万人と全体の68%にとどまっています。大学の一部では、大学院の合格枠を増やすことで、就職率の悪化を食い止めようとする動きもあるようですが、職に就けないという意味で、本質的な解決になっていません。

雇用だけでなく、物価も良い状況と言えません。

6月の中国の消費者物価指数は、前年同月比1.7%の下落と、5カ月連続のマイナスとなり、下落率は、1999年6月(同2.1%)以来、10年ぶりの大きさとなりました。

また、6月の工業品出荷価格(卸売物価に相当)も、同比7.8%の下落と、7カ月連続のマイナスとなり、下落率は統計データをさかのぼることができる1990年代半ば以降で最大です。

縦軸に物価上昇率、横軸に失業率を示すグラフを描くと、グラフは右下がりの曲線となることが知られています。

経済学では、この曲線は、失業率と物価の関係を描いたものとして「フィリップス曲線」といわれています。今の中国は、まさに「フィリップス曲線」で説明できる状態にあるといえます。(失業率が高くなっている(グラフの横軸は右の位置にある)ので、物価上昇率がマイナスになっている(グラフの縦軸は下の位置にある)。)

今年4-6月期の中国の実質GDP成長率は、前年同期比7.9%増と、中国政府の目標である「8%前後」の達成が視野に入っています。日本や欧米各国の成長率が依然としてマイナスであることを考えると、中国の経済は、かなり良好なイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

しかし、高失業率でデフレ(物価上昇率がマイナス)の国が、
経済状態の良い国とはいえません。

中国の成長率は、政府の景気対策で下支えされているものであり、民需の力は、以前のように強いものとはいえないからです。中国の景気回復が「本物」といえるには、GDP成長率の高低だけではなく、物価や雇用の回復も待つ必要があるように思われます。


村田雅志(むらた・まさし)


●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●

「フィリップス曲線」って何?

●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●

縦軸に物価上昇率、横軸に失業率を示すグラフを描くと、
グラフは右下がりの曲線となることが知られている。
この曲線のこと。


http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/07/25/006229.php  

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