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輸出は自動車・電機中心に持ち直し、最終需要回復に不透明感 [東京 23日 ロイター]
http://www.asyura2.com/09/hasan63/msg/591.html
投稿者 乃依 日時 2009 年 7 月 23 日 21:56:35: YTmYN2QYOSlOI
 

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-10185420090723


輸出は自動車・電機中心に持ち直し、最終需要回復に不透明感
2009年 07月 23日 17:23 JST

 [東京 23日 ロイター] 財務省が23日に発表した6月貿易統計速報からは、米国・アジアなど各地域で輸出の持ち直しが続いていることが確認された。
 寄与度の高い自動車や電機など幅広い品目で前年比減少幅が縮小。海外での在庫調整進展に加えてアジア地域での最終需要の回復も寄与しているとみられ、当面輸出は回復傾向を持続するとの見方が出ている。ただ、欧米経済での設備投資や個人消費の不透明感が強く、本格的な輸出の増加は想定しにくいとの見通しも多い。 

 <自動車・電機がけん引、対米国・アジアで輸出持ち直し度合い強まる> 

 6月の輸出額は前年比35.7%減となり、2月をボトムに減少幅は徐々に縮小している。より明確に減少幅が縮小しているのは輸出数量で、前年比27.6%減と昨年11月(同22.7%減)以来の下げ幅に縮小した。内閣府が貿易統計を基に算出した6月の地域別輸出数量指数(2005年=100)は、米国向けが58.48、EU向けが62.80と、ともに昨年12月以来の水準に上昇。アジアは100.32となり、昨年10月以来の高水準を記録した。 

 ドイツ証券の分析によると、6月は米国向け輸出数量の増加が顕著で、IC(集積回路)、自動車が増加に寄与した可能性が高いという。米国向けICは前年比50.4%減と、5月(同54.8%減)から減少幅が縮小、自動車は5月の54.8%減から6月は36.5%減に縮小している。

 もっとも米国向け輸出の増加は最終需要の回復を示したものではなく、あくまでも米国内での在庫調整進展による反動増であるとみられている。日興シティグループ証券・エコノミストの村嶋帰一氏は「米国では、最終需要は低迷しているが、そうした中でも、米国向け輸出が持ち直し始めているのは在庫サイクルの影響と考えられる」との見方を示している。 

 一方、アジア向けは、鉄鋼が前年比42.1%減と5月の同51.0%減から縮小、ICは同12.4%減(5月30.0%減)、自動車が同33.8%減(5月41.2%減)に縮小している。これらの項目については、中国向けでも10%台の減少にとどまった。中国では政府の景気対策が奏功して固定資産投資や個人消費の好調により4─6月国内総生産(GDP)は前年比プラス7.9%となり1─3月期の同プラス6.1%から加速している。 

 <外需が4─6月GDPを押し上げ>
 輸出の持ち直しは4─6月の国内総生産にも好影響を与えそうだ。ニッセイ基礎研究所によると、4─6月期の輸出数量指数(同研究所試算・季調済)は、米国向けが前期比プラス6.0%、EU向けが同プラス2.5%、アジア向けが同プラス13.5%、全体では同プラス11.5%となった。いずれの地域も2008年1─3月期以来、5四半期ぶりの増加になったという。主任研究員の斎藤太郎氏は「大規模な景気刺激策の効果が顕在化している中国を中心にアジア向けが特に高い伸びとなっており、輸出のけん引役となっている」との見方を示している。

 この結果、4─6月のGDPは外需の寄与度はプラスになることが見込まれている。野村証券金融経済研究所によると、外需寄与度は前期比プラス1.1%ポイントと推計され、過去最大であった1980年1─3月期の同プラス1.2%ポイントに迫る大幅なプラス寄与となるという。7─9月の輸出動向についても、在庫調整が終了した後の輸出回復の初期局面では、輸出の伸びが高くなりやすいことから、「高めの伸びが続く」(日興シティ・村嶋氏)との見通しが出ている。 

 <一般機械の輸出は低調、設備投資の回復鈍さを示唆> 

 一方、世界的に大幅な生産減少が起こり、世界の企業は過剰設備を抱えていると見られることから、設備投資関連品の輸出には底打ち感に乏しい。

 一般機械の輸出は、6月の前年比が45.5%減と、5月(同46.4%減)とほぼ変わらず低調。これについて、クレディスイス証券・チーフエコノミストの白川浩道氏は「自動車、半導体が輸出の持ち直しをけん引したが、一般機械はまだ低調であり、世界的に企業設備投資の回復の鈍さを示唆しているようだ」と指摘。産業機械類の輸出が本格回復しない限り、生産活動の増勢にも不安がただよう。

 日興シティグループ証券の村嶋氏は、2010年に入ってからの輸出の増加は、これまでの景気回復初期局面に比べると緩慢なものにとどまると予想。背景として、1)米国の個人消費が緩慢な動きにとどまる可能性が高い、2)欧米で金融システム問題が長引き、企業や家計に対する金融仲介機能の正常化が遅れる公算が大きい、3)この間の生産活動の落ち込みが極めて大きかったことから、生産設備の過剰感が強く、世界的に設備投資の低迷が続くと予想される──などの点を挙げた。

   (ロイター日本語ニュース 武田晃子記者;編集 石田仁志)


 

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