★阿修羅♪ > 国家破産63 > 560.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
日銀の遁走 隘路から抜け出せない日銀
デフレに対する完全な失敗が日銀を遁走させている。。もはや今の日銀担当者に何も期待できないだろう。それどころか次の民主党政権でも足を引っ張る可能性が高いだろう。
本人達が正しい政策だと思っているところに救い難いものがある。ここ20年来低金利を取り続け日本を崩壊に導いたのである。デフレに低金利を続ければ出口の糸口など見つからないのは当たり前のことだ。
白河総裁は前総裁が辞職間際にようやく取り始めた金利引き上げ政策をいとも簡単に反故にし再び超低金利、金融緩和策に逆戻ししてしまった。
さらに悪いことに民間企業の社債やCPの購入などを始めたのである。
そしてさらに延長することを宣言した。
このような方策を取りながらも、彼の最近のコメントでは、最終需要の動向が問題であると、ようやくまともなことを言い始めている。
最終需要とは百貨店の売上高などの消費者の購買額のことである。
デフレにおいてこの消費者の購買額を重視することは当たり前のことである、それは名目GDPを重視することであり、実質GDPの成長率を重視する物ではない。これが今までの日銀担当者だけでなく政府担当者に抜けていたことである。
しかし彼の矛盾は、低金利にしながら、最終需要が伸びることを望んでいることだ。どういう理由でこういったトンチンカンな言動をするのであろうか。
既に正気ではないようだ。
この二つはデフレ下では成り立たないことである。預金金利の低下は個人消費を上げることはない。企業への融資は、生産量を増大させるかもしれないが、所得が伸びることはない。なぜなら消費が増えないから企業は低価格を余儀無くされ利潤が十分得られないからである。
これは2千2年2月から2千7年10月の間、実に5年以上長く実質GDPの伸長が続いたが、その間名目GDPが実質GDPの下位にあり続けた。それは生産量の増加の割に所得が伸びなかった事を証明している。その間日本は著しい低所得化が続き個人の名目GDPが世界で19番目までに下がったのである。最終需要が減少し続けているのである。
この期間に日銀は未曾有の世界でも例を見ない低金利と大金融緩和策を取っていた。この事はだれもが認めよう。円キャリーが人々の言の葉に乗り、リーマンブラザーズが日本の土地を買い占めていた頃である。
明らかに低金利が最終需要(名目GDP)を抑制していたのである。
(http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/低金利はデフレに役だったのか。)
デフレ解消の核心部分は、消費額を増加させることにあり、預金金利を引き上げ消費を促すことが望まれているのである。生産量を増大させることではない。
現在のような広範囲に影響する預金金利を引き下げ、低金利で生産者に資金を回すやり方はデフレにおいては意味がなくかえってデフレを促進させるのである。広範囲に影響する預金金利を引き上げ、生産者には個別に低金利や補助金などで融通する方が、デフレを解消させるのである。
日銀の民間社債の買い取りは、蛸が自分の足を食っているのと同じ。民間部門の活動を狭めているに過ぎない。政府依存の拡大は、一時的な緩和に過ぎず後に大きな負担災いがやってくるだろう。
デフレの恐さは、出口が見つからず、ズルズル先延ばししている間にさらに悪くなっていくことだ。
なぜなら一方的に縮小するデフレ経済は、再び株や社債を手放す適当な時期が永遠にやってこないからである。いくら出口を探そうとしても、経済が一向に回復しないから、引き際が見当たらないのである。この事は間違った低金利政策が20年近く続けられていることからもあきらかなことであろう。
デフレの時の政府依存は、その体質が根付き易くそれを解消することは難しい。根本は低金利を続けたことに原因があるのである。低金利は一時的な緩和策であるにもかかわらず続けたため余計にデフレから解消の切っ掛けをつかみ損ねたのである。
ダブダブの資金、それでも回復しない景気。資金の入れる方向が間違っているからである。
生産者にどんなに資金を送り続けてもインフレにはならない。所得線が45度線以下の角度にあるデフレ市場で生産物の増大はより角度を下げる方向に働くからである。
インフレにするのはごく簡単だ。消費者側に資金を送ればいいだけのことである。日銀はこんな簡単なこともできなかったのである。経済学の教科書に書いてない事はしないようだ。
現在もなお多くの会社が低金利で融資を受けているが、実情は銀行の貸し付け係が売上が落ちており、この先数年間売上が伸びるはずのない企業に無理やり貸し付けているのが現状だ。モラルハザードに陥っている。
借金を増やして倒産に至らせるシナリオが描かれている。そして余計に増えた借金は我々国民の肩に背負わされるのである。
日銀の低金利は、なるほど企業の延命、先延ばしに有用だが、企業の売上を伸ばすことには、全く役立たない。現在のようにデフレが深刻化した経済において、低金利政策を取ることは、消費を減少させる事を意味する。
懸念されるのは、民主党政権ができ、消費者側への資金供給が始まった時、日銀が全く逆の動きをして、せっかくの政策を台なしにする可能性が高いことだ。預金金利の引き上げがなければかなり回復が遅れるだろう。
しかも日銀は世界との連携から低金利を取っているという理由から上げようとしないだろう。このことが足を引っ張るのである。
日銀の独立性を金科玉条のように思い込み、突っぱねる可能性が高い。しかし日銀の独立性は、正常な範囲に経済が有る場合に限られる。デフレやインフレの市場では、行政と連携しなければ、回復させることはできないものなのである。
(http//blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/無意味な日銀の独立性)
今のままでは民主政権の政策の足を引っ張る事が濃厚だ。
子供手当、教科書手当、生活保護以下の所得所帯に対する手当など、消費者の懐を増やす政策を取っても、肝腎の預金金利が上がらなければ、消費が順調に伸びていかないだろう。
デフレにおける低金利と民間社債などの買い取りは、どこまで延長しても出口を見いだすことはできないものである。
速やかに政策と連携するような日銀総裁が望まれる。
一言主
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://hitokotonusi.blog.so-net.ne.jp/
httpH//www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/参照