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〔情報BOX〕オバマ大統領が発表した米金融規制改革案の概要(ロイター)
2009年 06月 18日 11:53 JST
[17日 ロイター] オバマ米大統領は17日、金融規制改革に向けた構想を発表した。財務省が発表した88ページにわたる改革案の概要は以下の通り。
<貯蓄金融機関に関する規定を廃止、新たな銀行監督機関を設立>
新たに設立する銀行監督機関「ナショナル・バンク・スーパーバイザー」が貯蓄機関監督庁(OTS)と通貨監督庁(OCC)の機能を引き継ぎ、銀行監督業務を一元化する。これにより現行の貯蓄金融機関に関する連邦規定も廃止される。
<システミックリスクの監視機関を創設>
金融システム上重要で、他の金融機関とも深く関連している大企業を監督するため、米連邦準備理事会(FRB)をシステミックリスクの総合的監視機関とする。
<省庁横断型の金融サービス監督協議会を創設>
規制システムの抜け穴をふさぐため、財務省主導で省庁横断型の金融サービス監督協議会を創設する。大統領直属の金融市場作業部会に代わり、新たにFRBの監督下に置かれるシステム上重要な金融機関を特定する役割を担う。
金融サービス監督協議会は、財務長官、FRB議長、新たに設置される「ナショナル・バンク・スーパーバイザー」および金融消費者保護庁(CFPA)の責任者、証券取引委員会(SEC)委員長、連邦預金保険公社(FDIC)総裁、連邦住宅金融局(FHFA)局長で構成する。
<資本および流動性基準の強化>
困難な状況下でも損失を吸収できるよう、あるいはさまざまな保有資産の入れ替えが可能となるよう、金融機関には自己資本増強と流動性強化を義務付け、特に「大規模かつ、他の金融機関とも深く関連している企業に関しては、さらに厳格な基準を適応する」。
<証券化>
資産担保証券の発行元には、融資レベルに関するデータおよび、ブローカー、オリジネーター、スポンサーへの報酬に関する情報などを含む、新たな報告義務が課される。これらの情報は、当該証券化商品が流通している間、投資家や格付け会社に公開される。
証券化商品を取り扱うオリジネーターやスポンサー、証券会社に対しては、証券化商品の少なくとも5%のパフォーマンスリスクを保持するよう義務付け、融資オリジネーターはリスクの拡散を禁止される。
取引に関する法的文書の標準化を促進する。SECおよび米金融取引業規制機構(FINRA)は、現在社債取引に使用されている電子取引状況が把握できるデータベースを拡大し、資産担保証券にも適用できるようにする。
証券化商品を扱うブローカーやオリジネーター、アンダーライター、スポンサーなどへの報酬は、長期的パフォーマンスおよび借り手・投資家が得る利益に連動させる。
証券化商品のオリジネーターが「売り抜けによる利益」をすぐに計上できないよう米一般会計原則(GAAP)を変更し、資産の流通期間に対する利益を計上するよう求める。
ローンブローカーやローン販売担当者の手数料・歩合は分割払いとし、引き受けに問題がありローンが焦げ付いた場合には支払いが減額される。
証券化商品のスポンサーには販売した証券化商品の責任を負わせる。
<格付け会社>
格付けの使用を奨励する債券発行に関する連邦法の定めを一部変更し、当局による格付け会社への依存度を低減する。
<消費者・投資家の保護>
公正な融資を促進するため、金融機関への規制監督権限を有する独立の金融消費者保護庁(CFPA)を創設する。
CFPAは、融資オリジネーターにクレジットリスクの5%を保有するよう義務付ける権限を有するほか、住宅ローンなど単純な商品の基準を設定する。繰り上げ返済に対するペナルティーを制限もしくは禁止し、銀行、ノンバンク、独立系住宅ローンブローカーにも同様のルールを適用する。
さらに、金融機関に過疎地や低所得者層への金融サービス提供を義務付けている「コミュニティー・リインベストメント・アクト(地域再投資法)」も強化する。
消費者・投資家向け保護の抜け穴を埋めるため、SEC、連邦取引委員会(FTC)、司法省、CFPAやその他の機関の責任者で構成する委員会を設立する。
<店頭デリバティブ>
店頭デリバティブを監督し、先物と証券に対する「調和の取れた」規制を実施し、支払いや決済システムのセーフガードを強化する。
規制当局は「詐欺、市場操作、その他の不正に対して強い強制措置」を講じる権限を与えられる。
店頭デリバティブの決済は取引所などの「透明性のある」場所で一括して行う。
<金融機関の破たん処理権限>
「破たんした場合に金融システムの安定性を脅かすような金融持ち株会社に対し、秩序ある破たん処理を行う」連邦政府の新たな仕組みを導入する。破たん処理権限法案の草案はすでに政権が提案しており、FDICがその任務にあたることになっている。
<投資銀行および証券会社>
大規模投資銀行の監督権限をSECからFRBに移管する。
破たん企業の最大子会社がブローカーディーラーもしくは証券会社だった場合は、SECは破たん処理に着手することが可能。その場合、財務省はSECを管財人に任命する権限を有する。
<先物・証券規制>
米商品先物取引委員会(CFTC)およびSECは、先物および証券に関する規制を整備するため、議会に対し法令・規則の変更を勧告する。
SECは投資助言を提供しているブローカーディーラーの受託者義務を制定し、投資顧問とブローカーディーラーの規制を統一する。
SECは内部告発者に報奨金を支払うための基金設立の権限を持つ。
ヘッジファンドやプライベートエクイティはSECへの登録を義務付けられる。
<導入時期>
米政府は近く法案を議会に提出し、年内の法制化を目指す。オバマ大統領は16日、提案しているすべての内容について議会を納得させるには「多大な努力を要する」ことを認めている。
http://jp.reuters.com/article/foreignExchNews/idJPnJS848650320090618