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日本の鉱工業生産指数も3月に底を打ったような感じです。おそらく在庫調整がほぼ終わったと考えられます。黒田東彦
http://www.asyura2.com/09/hasan63/msg/279.html
投稿者 TORA 日時 2009 年 6 月 17 日 15:05:39: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu194.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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日本の鉱工業生産指数も3月に底を打ったような感じです。
おそらく在庫調整がほぼ終わったと考えられます。黒田東彦

2009年6月17日 水曜日

◆変わるべきは中国とアメリカ。日本は今のままでいい 6月17日 日経ビジネス
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20090611/197327/?P=5

竹森 ここで今回の経済危機の性質について考えてみたいと思います。私の整理では、これは世界的なクレジットクランチであり、外国からの借り入れに依存してきた国はどこもひどい目に遭っている状況です。同時に、クレジットクランチでは投資と消費が同時に落ち込むのが当然ですから、輸出に依存している国は大変痛い目に遭っている。特に所得弾力性の高い、耐久消費財を輸出している国はひどいことになっています。

 外国からの借り入れに依存してきた国ということでは、中東欧が非常に痛手を受けているようです。他方において、アジアは比較的、軽微だという評価がされています。

黒田 東アジア、東南アジアは1997年〜98年のアジア金融危機でひどい目に遭ったところです。今や経常収支はむしろ黒字基調ですし、対外的なファイナンス依存度は相当、少なくなっているので、直接の影響は比較的少ないと言えます。

 ただ、南アジアとか、西アジアの方は依然として経常収支は赤字です。対外的な借り入れも大きいのですが、所得の低い国が多いので、マーケットからの借り入れよりも、むしろ援助とか、国際機関からの支援が大きく、そういうものは減っていません。

 全体として見るとクレジットクランチの影響は出てはいますが、12年前のアジア金融危機の時のような内生的な金融危機とは違います。アメリカ、ヨーロッパからの金融危機の影響としては金融的な影響も相当出てきていることも事実ですが、むしろ輸出の減少という、実物経済の落ち込みの影響の方が非常に大きいと思います。

輸出依存度が低い日本経済が急激に落ち込んだ理由
竹森 デカップリングと言われて安心し過ぎていた面もあるのでしょうが、それにしても輸出の落ち込みは急激ですね。

黒田 1つはやはり東アジア、東南アジアの輸出依存度が高いことです。中国、韓国ぐらいの経済規模の国でも、輸出のGDP比は40%近くあります。タイやベトナムだと70%ぐらいです。

竹森 韓国が40%ですか。

黒田 マレーシアは100%に達しています。シンガポールや香港はおそらく200%に近い水準です。輸出依存度が東アジア、東南アジアは非常に高い。日本のGDPに対する輸出の比率は15%ぐらいでしょう。

竹森 日本だと、20%ぐらいから15%ぐらいまでの間ですね。

黒田 インドが14〜15%で、アメリカもそのぐらいだと思います。これらの国々は非常に大きな経済で、輸出依存度は低い。それなのに日本が何でこんなに落ちたのかということですね。

 この理由はIMFも分析していましたが、日本の輸出の4分の3ほどは、自動車・自動車部品、電子機器、資本財の3つの品目に偏っていることです。これらが全世界的に落ち込んだ。要するに耐久消費財、資本財の落ち込みが今回の不況では非常に大きいということです。

竹森 ただ、鉱工業生産が1年で4割ぐらい落ちています。純粋に国内向けの生産というのももちろんあるわけですから、輸出の約5割の落ち込みが、なぜ鉱工業生産の4割の落ち込みにつながるのか、どこか計算の合わないところがあります。

黒田 それは在庫調整だと思います。従来のレベルの在庫が保たれている時に、従来のレベルで生産していると、輸出が落ち込み始めると当面、在庫がぐっと上がって過剰在庫になります。過剰在庫になったところで在庫調整をしなければと大幅に生産調整をします。従って、今の異様な落ち込みは、在庫調整の下での生産調整です。在庫も適正水準、あるいは適正水準以下まで落ち込んでいるので、生産がこれから回復してきて、現に鉱工業生産指数も底を打った感じになっています。

 ということは、在庫調整が終わると、生産も増えていくということです。韓国も第1四半期のGDPは前期比プラスになりましたし、日本の鉱工業生産指数も3月に底を打ったような感じです。おそらく在庫調整がほぼ終わったと考えられます。そうすると生産はプラスになり、緩やかに回復していってもおかしくありません。ただ、それが非常に高い、V字形の回復になるかと言われると、それはなかなか難しいかもしれません。

 従来型のサプライチェーンの中で、欧米市場へ向けて輸出する形である限りは、欧米市場の調整が中期的な課題です。これまでの過剰消費、過剰住宅投資が減るわけですから、たとえアメリカ経済が来年に回復したとしても、中期的に従来のような消費ブームが続くとは思えません。それを当てにして日本や韓国、そして東南アジアが、日本は資本財、ほかの国は中間財を中国に輸出して、中国がそれをアセンブリーして、大規模に欧米に輸出するというサプライチェーンが復活するかどうかは、難しいところですね。

竹森 輸出から景気が崩れるという現状を見て、日本では、外需依存の経済構造そのものが間違っていたという議論が起こってきます。「前川リポートの構造改革をおろそかにしたがための景気後退」という議論です。私はこの点についていささか誤解があると思っています。

 GDPに対する輸出のシェアが大きいところ、例えば韓国のように40%もある国は当然、影響を受けます。一方、前川リポートが言っているのは、ネットエクスポート(輸出−輸入)のGDPに対する比を、輸入の増加を通じて減少すべきだという考え方であって、輸出のGDPに対する比を減少しろと言っているのではありません。

 おそらく輸入を増やしていたら、もっと日本の輸出は増えていたと思います。ですから、輸出依存度はいずれにしても高かったと思います。

輸出依存を低めろというのは当たっていない
黒田 私もそう思います。そもそも日本のネットエクスポートはこの半年の数字はだいぶ違うとはいえ、GDPの2〜3%ぐらいです。これくらいのネットエクスポート、あるいは経常黒字が世界経済にとって大問題ということはないと思います。また、この部分を調整しないといけないと言われても、日本としては調整のしようもありません。

 日本は今後、高齢化がさらに進んでいき、いずれにせよ経常収支は黒字から赤字に転換していくわけです。今から経常収支の黒字を減らす必要はありません。

竹森 実際、「前川リポート」の精神がとうとう実現されて、最近では経常収支がついに赤字になってしまいました。

黒田 日本の経済は自動車・自動車部品、エレクトロニクス、資本財の輸出に特化したために、非常に効率的になりました。ところが、たまたま今回の世界不況がこういったものを特にヒットした。では、日本は農業生産を増やしておけばよかった、あるいは繊維製品を作っていればよかったかと言うと――。

竹森 それは先ほどのお話に出たように、日本が南アジアの国、例えばフィリピンのように、これといった輸出産業を持たない国だったらよかったのか、ということですね。確かに農業や低価格の繊維品を作っていたら、日本が受けた打撃は少なかったかもしれないけれど、本当にそういうものを作るのがいいのか…。

黒田 そうです。これだけ高い賃金の下では、そういうものに比較優位があるはずはないのです。従って、今の産業構造を否定する必要もないし、いわゆる内需主導型と称して、今の輸出依存をもっと低めろというのも当たっていないと思います。また、ネットエクスポートにしても、3%という数字がグローバルインバランスの根源になっているとは言えないでしょう。いずれにせよ特別な調整の必要性や余地があるかと言われると、ないということです。日本の輸出依存度は世界的に見て、決して高くないんですよ。ドイツは30%以上ありますからね。

 具体的に調整の必要性や余地があるのは、アメリカの過剰消費と、過剰な住宅投資です。これを減らさなくちゃいけない。もう1つが中国の過剰なネットエクスポートと設備投資です。

 中国のネットエクスポートはGDPの10%近い。中国は消費を増やし、住宅投資を増やす。アメリカは消費を減らし、住宅投資を減らして設備投資を増やし、ネットエクスポートをプラスにしていかなくてはならない。アメリカの調整と中国の調整は非常に必要性が高いし、その余地もあります。ところが日本の場合は、その調整の必要性もないし、余地もあまりないということです。

(わたしのコメント)
日本の株価は一時10000円を越えましたが、当面の経済危機の底は3月に打ったようだ。特に輸出依存度が高い国ほど落ち込みが激しかったのですが、在庫調整によるものだろう。在庫の整理が終われば輸出も徐々に増えていくのでしょうが、最終消費国のアメリカやEUの消費が元に戻るわけではない。

日本の経済は自動車・自動車部品、エレクトロニクス、資本財の輸出に特化しており、輸出に占めるGDPの割合は15%ほどなのですが、品目が偏っている為に耐久消費財の落ち込みをもろに受ける形になった。アメリカにおける自動車の売上げは四割も落ち込み、自動車専用埠頭では自動車が溢れかえった。

エレクトロニクスも同じであり、日本の家電産業や自動車産業では大赤字を出してしまった。その為に日本でも15兆円の補正予算を組んで景気対策を行なっていますが、エコカーや省エネ家電がバカ売れ状態になっている。輸出がダメなら国内消費を増加させなければなりませんが、消費者の所得が年々落ち込んでいる。

経団連の会長が輸出産業の出身者が続いているために、日本の経済政策が輸出産業中心に行なわれている。その為に輸出産業はバブル期以上の好景気が続きましたが、国内の景気には波及しなかった。日本はあまりにも自動車やエレクトロニクス産業に偏った産業構造であり、もっと輸出を多様化して行かなければなりません。

自動車などの大型商品は金融がセットになって売られているから、今回の金融危機の影響をもろに食らってしまったのですが、儲かる時は非常に儲かるが、生産設備が大掛かりである為に売上げが落ちると一気に赤字になってしまう。トヨタショックとも言われますが、GMやクライスラーはその為に倒産してしまった。

アメリカはそれだけ無理に無理を重ねて消費を拡大してきたのですが、バブル景気だと分かっていてもそれを潰すのは、どうしてもためらってしまう。日本のバブルも株も不動産も急上昇しておかしいとは誰もが気がついていた。しかし金融の引き締めが2年近くも遅れた為に株の暴落と不動産の暴落が相次いでやってきた。

アメリカも2000年のITバブル崩壊でアメリカ経済は大きなダメージを受けましたが、グリーンスパンは住宅バブルを作り出すことで早期にITバブル崩壊を克服した。しかし住宅バブルの次のバブルを作ることには失敗して、アメリカの金融産業は大打撃を受けた。ニューヨークの株式も一時7000ドルを割るまで暴落した。

アメリカ人の資産の株式に占める割合が大きいので、年金を含めて株式が半値になれば資産も半分になってしまったと考えればいいだろう。だから自動車の売上げが大幅に落ち込むのは当然であり、株式と消費は連動している。日本も同じであり株よりも日本は土地の価格が消費と連動している。

日本の株価が10000円を越えたと言うのは良いニュースなのですが、景気の先行きを見込んだものだろうか? ニューヨークが8000ドル台をうろうろしているのに東京は10000円を越えた。アメリカもヨーロッパも当分はバブル崩壊の後遺症で景気は低迷するだろう。過剰な債務の解消には時間がかかるからだ。

アメリカがダメなら中国やインドなどの新興国の経済成長が期待されていますが、新興国バブルも弾けたのであり、アメリカの投資銀行やファンドなどの資金が引き揚げてしまえば新興国の経済成長も停滞して行くのではないだろうか? 中国などがアメリカに代わる輸出市場になれば日本にとって良いのですが、デカップリング論は幻に終わる可能性もある。

黒田東彦氏が言うように、アメリカは輸出を増やして消費を減らす必要があるし、中国は輸出を減らして国内消費を伸ばす必要がある。日本は90年代から公共投資で国内需要を刺激してきましたが、一般消費を増やしていかなければならない。その中心となる政策がエコロジーですが、ハイブリッドカーに買いかえるとか、住宅もエコロジー設備を備えたものに買いかえる必要がある。

石油価格も1バレル70ドル台まで上がってきましたが、あり余った投機資金は石油などの資源に向かいやすい。石油の上昇はアメリカにとっては命取りであり、オバマ大統領はグリーンニューディール政策で脱石油を目指している。日本は70年代の石油ショックから高度成長が始まったのであり、今回の石油の高騰は日本にとって第二次高度成長をもたらすかも知れない。

電力開発も火力発電から原子力発電に大きくシフトしますが、大型商業用原子力発電設備を作る能力のあるのが日本であり、アメリカの電力開発も原子力に切り替えていかなければならない。中国も増え続ける電力需要を賄うには100基以上もの原子力発電設備が必要だ。

さらにはエコロジー発電での太陽電池パネルや風力発電設備などでの需要は伸びる一方だ。いわばエコロジーバブルが到来しているのかもしれない。その中心となるのが日本の高い技術力であり、世界の投資も日本企業に集まろうとしている。それが日経平均の10000円越えが象徴しているのではないか。


◆新エネルギー関連株が活況/注目トピックス 6月17日 フィスコ
http://charge.biz.yahoo.co.jp/vip/news/fis/090617/090617_mbiz538.html

GSユアサ<6674>は後場も一段高。新エネルギー関連の中心的な材料株として根強い人気が継続。本日は同社のほか、明電舎<6508>、日本電工<5563>、関東電化 <4047>、新神戸電機<6934>など、リチウムイオン電池関連の中心的な材料株が軒並み急伸。大和が「加速する産業構造のグリーン化戦略」と題する長編レポートをリリースしていること、「野村RCM・グリーン・テクノロジー・ファント」が来週に設定予定であることなども材料視されているようだ。


 

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