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http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2009/06/66.html
(1)相変わらず米株が続伸している。S&P500株価は3月9日の大底から昨日まで(6月5日)39%も上昇した。「100年に1度の危機」はすでに終わったと株式市場が判断している証拠だ。万が一、その判断が違っていたとしても、その株価の上昇はすでに実体経済を持ち上げた。私の誕生日は今週だったが、家族全員で都心のフランス料理レストランでお祝いしてくれた。サブプライム・ローン真っ盛りの昨年は、近所のラーメン屋とは言わないが、近所の安い中華料理屋だった。保有財産の価格の上下で消費に回すお金はかなり違う。株価が上がれば消費を増やすのだ(資産効果)。株価上昇――>実体経済上昇――>それを見た更なる株価上昇――>実体経済の上昇の好回転が始まった。米国には株式市場に流入する可能性のある待機資金がかなりあるという米国からのコメントをよく読む。待機資金の流入が続けば、米株はかなりの急上昇が続く可能性がある。 (2)政治家、中央銀行、お役人、マスコミ、サラリーマン・エコノミスト等、経済政策に携わる多くの人々は、その仕事柄、株を買うのを禁止されているから、「資産価格の動きがいかに消費に影響するか?」を感覚的に理解できないのだと思う。政府の政策も、それ自体に経済効果を求めるのではなく、株式市場がそれを好感して、株価上昇の契機になる政策を発表すれば良い。それが最も安上がりで効率的な政策だ。財政赤字がここまで悪いのだから政策の効率性を考えなければならない時である。 (3)昨日、モルガン銀行時代の部下で、今シドニーに永住しているUさんが我がオフィスを訪ねてくれた。彼は今、自己資金の投資を本業としているが、「彼が投資しているファンドのひとつが閉鎖になったのだが、ポジションを解消するのに時間がかかるので資金の回収は3年後になる」という話をしてくれた。彼は「なぜそんなに流動性のないものに投資するんだ」と怒っていた。 もっともな話だ。30年にわたる私のディリングーの経験からして「流動性リスク」は私の最も嫌うリスクである。 「今回の危機の本質は流動性リスク(売りたい時に売れないものに手を出した)と、クレジットリスクの問題であり、レバレッジとか金融資本主義の終わりなどという大げさなものではない。マーケット経験のない人が解説したからおかしくなった」という点で大いに賛同した。なおこの件に関しては拙著「100年に1度のチャンスを掴め!」(PHPビジネス新書)に書いてある。 (4)何はともあれ「100年に1度の危機」がこの程度で終わるのなら、投資家にとって、次の100年は怖いものはない。「いつもより多少長めに我慢していれば損は消える。そこそこ下がったところで株を買っておけば大儲けできる」ということになるからだ。言わんとしていることは「今回の危機は『100年に1度の危機』というような大げさなものではなかった」ということだ。 「言葉に騙された人は痛い目にあい、騙されずに評価損に耐えていた人には助かった」ということである。 |