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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-38262520090528
[ワシントン 27日 ロイター] 米国の住宅と自動車セクターの落ち込みにより、数十万人の労働者が同じセクター、同じ場所で同時に求職しているという事態が続いている。 米国の景気後退(リセッション)が終了したとしても、これらの職の一部は戻ってくることはないだろう。国民がかつての最盛期のように気楽に消費し、新しい家や自動車を買えるようになる可能性が低いためだ。 米国が完全雇用に戻るには数年かかる可能性がある。その時でさえも、失業率はリセッションが始まった2007年12月時点の4.9%という低水準には戻らないかもしれない。 テキサス大学LBJ公共政策大学院のジェームズ・ガルブレイス経済学教授は「その水準には直ちに戻るとは思わない」と述べ、失業率は「かなり長期間10%近辺で」推移するだろうと指摘した。 雇用創出が7870億ドル規模の景気対策の成否の判断基準としているオバマ大統領にとって、高い失業率が続くことは問題となろう。 失業問題が深刻化すれば、完全雇用の促進と物価抑制を目指しているとされる連邦準備理事会(FRB)にとっても、政策遂行に微妙な影響が出る。FRBは最終的には、現在実質ゼロの政策金利を引き上げたい考えだが、失業率が異常に高い状態が続けば、難しい舵取りを迫られる。 失業率は通常、リセッション時に上昇する。ただ現在の状況で懸念されることは、最大の雇用喪失が、一定のセクターと地域に集中している点だ。 自動車セクターの雇用削減が最も深刻なのは米国の中西部。住宅建設部門の雇用ではフロリダ州とカリフォルニア州が最も打撃を受けている。失業率が低い地域は、ワイオミング州やサウスダコタ州など人口が少ないところだ。 これは、求人が極端に少ないことに加え、労働者がいる場所と仕事がある場所でミスマッチがあることも示している。 <自動車と住宅部門が打撃> 住宅建設を例に取ると、不動産市場が最盛期だった当時、住宅着工件数は200万戸を上回るペースだったが、米商務省によると、現在はその25%となっている。 2006年当時、住宅建設部門では100万人以上が雇用されていた。労働省によると、今年4月末時点では71万1000人に減少している。 不動産市場の好不況を経験した州の失業率が全米平均を上回っていることは予想外ではない。カリフォルニア州の失業率はリセッションが始まった当時の5.9%から11%に急上昇している。 住宅市場がある程度回復することは疑いがないものの、前回の最盛期の状態に戻るには、最も楽観的な見方をする向きでもかなりの時間がかかることは認めている。 ムーディーズのエコノミー・ドット・コムのエコノミスト、ジョセフ・ブルッスラス氏は、米経済が完全雇用に戻るには2013年か2014年になるとみている。他の大きな要因は自動車生産だ。 自動車および部品関連の就業者数は過去3年で40万人以上減少した。ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)が、政府が設定した再建計画の提出期限である6月1日までに予想通り破産法適用を申請すれば、就業者数はさらに減るだろう。 ブルッスラス氏によると、自動車セクターで1人失業すれば、レストラン従業員など5人が同時に職を失う可能性がある。 失業率はリセッションが始まった当時から4%ポイント上昇、8.9%になっているが、調査会社ブルーチップによるエコノミスト調査では、来年10%に上昇しピークに達すると予想されている。 1980年代初めの二番底のリセッション当時も、失業率は1980年1月から1982年11月までに4.5%ポイント上昇し10.8%に達した。しかしその後下落に転じ、1983年末までに2.5%ポイント低下し、8.3%となった。 しかし当時の雇用市場は、4.5%だった1983年の経済成長率に支援されていた。ブルーチップによるエコノミスト調査によると、2010年の経済成長率は1.9%程度と予想されている。 ウニクレディトのエコミストは「オバマ政権にとって、これまでの景気回復をけん引していた自動車と住宅という2大ファクターを欠いた状態で強い景気回復をはかることは至難の業だ」と述べている。 (Emily Kaiser記者;翻訳 宮本辰男;編集 村山圭一郎) |