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為替市場でのドル安を意味しない原油価格の上昇(KlugView)
2009/05/22 (金) 17:40
最近、原油価格が上昇傾向にあります。原油価格の指標となるWTIの終値は、5月20日に62.04ドルと、約半年ぶりに60ドルの大台を突破しました。翌21日の終値は、61.05ドルと反落したものの、61ドル台を維持しています。
世界的な景気後退の中、国際エネルギー機関などは、世界の原油需要の見通しを下方修正しています。それほど需要が弱いにもかかわらず、原油価格が上昇する理由として、マスメディアなどは、ドル安を指摘しています。
たしかに、ここ数日、ドルは下落しています。5月21日、ドル円は一時94.28円と約2カ月ぶりのドル安水準を記録し、ユーロドルは、1.3922と約4カ月ぶりのドル安水準を記録しました。原油価格は、ドル建てで表示されますので、原油需要に大きな変化がなければ、ドル安は原油価格の上昇となります。
ドルの先行きについては、見方が分かれているようです。米国の金融政策が量的緩和策となり、ドルの発行量は今後も増える見込みですし、米国政府の財政赤字は、経済対策の実施によって、さらに拡大する見込みです。こうした点を考えれば、ドルが、このまま下落を続けるのも不思議とはいえません。
一方、基軸通貨としてのドルに変わりはなく、世界的な景気後退が一服すれば、ドル需要も高まり、ドルの下落に歯止めがかかるという見方もあります。
個人的には、このままドルが下落を続けるのではなく、なんとなくドルは持ちこたえてしまうような気がしています。米国のファンダメンタルズを考えれば、ドルの価値は、下落を続けると思いますが、ドルだけが下落を続けるとは思えないからです。
わかりやすい根拠の一つが、主要国の金融政策です。
量的緩和策を採用しているのは、米国だけでなく、英国やユーロも同様です。日本は量的緩和策に踏み込んでいないといいつつも、政策金利は0.10%と、ほぼゼロ金利の水準です。貨幣の需給という点で言えば、ドルだけでなく他通貨も、供給量を増やしています。
為替レートは、二国の通貨の交換比率を示したものです。つまり、ドルだけでなく他通貨の価値も下落するのであれば、為替市場で示されるドルの価値は、それほど大きく下落しないことになります。むしろ、場合によっては、日本やユーロ圏のように、さらなる量的緩和の余地がある国のほうが、ドルに対して売られてしまう可能性すら考えられます。
ただ、ドル安の裏返しである原油価格の上昇は、今後も小幅とはいえ続くように思われます。貨幣と異なり原油などのコモディティ(商品)は、すぐに供給が増えるわけではないからです。つまり原油に限らず、金や鉄鉱石といった資源の価格は、為替レートの動きと異なり、上昇を続けると思われます。これは、いわゆるインフレと呼ばれる現象です。
村田雅志(むらた・まさし)
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日本の政策金利の水準は?
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