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ストレステストは今の評価であって、明日の評価ではない
2009/05/07 20:34
米証券会社キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズは、米国の銀行は経済が急回復しない限り、今夜結果が公表されるストレステスト(健全性審査)で求められる水準よりもはるかに多額の資本調達が必要になるだろう、との見方を示した。アナリストによると、米政府が実施したストレステストでは、ストレスのある環境下において、2010年時点の自己資本比率をTier1普通株式リスク・ベースで最低4%を維持することを求めている。Tier1普通株式リスク・ベースを重視するのは、損失を吸収し、返済順位の高い株主や債権者を保護する上で、普通株式が重要だという認識に基づいている。 ストレスのある環境が訪れなければ、資本は多くなる。そうでない場合は、資本がこの水準にある銀行は歴史的基準に照らして過小資本状態となり、追加的な資本調達が必要となるだろうと指摘している。
まぁ、上の考えを補足するが、ストレステストは現時点のストレスを計っただけのこと。今は今、明日は明日。明日にでも大手企業が潰れたり、商業用不動産市場でショックが起きれば、銀行の資本など不良債権による損失で資本不足に陥る。
つまり、今後どうなるのかで銀行の資本など、これからどうにでも変わる。もちろん、資本過小、つまり債務超過に陥る材料はそこら中に転がっているのだ。
世界の株式相場は、ここ2ヶ月間の上げ相場が続いている。米銀の粉飾決算を肯定する「作為による好業績」が真っ暗な中でも光に見えています。
ただ、銀行決算をよく見せるための苦肉の策もこれで出尽くしたということに注意が必要です。つまり、最後の切り札を使ってしまった。まさか、すべての資産評価で時価会計を捨てる暴挙には出られないでしょう。
金融は粉飾されながらもバランスシ−トの表面残高はキレイになった。しかし、銀行はこれからバブル経済崩壊の主役、クレジットカードと商業用不動産の不良債権の損失をこなしていかなくてはならない。この市場は今までのサブプライム・ローン、中流者のジャンボロ−ン、オルトAなどの住宅市場の比ではなく、テナントビルやらショッピングセンタ−などは1件あたりの金額だけでも莫大である。1件コケるだけで、いきなり数億ドルが吹っ飛ぶこともある。それが10件、100件ともなれば、銀行がどうなり、雇用がどうなるかなど簡単に想像できる。
米国の失業率は年内にも10%に到達するが、これはU-3という簡易的な失業率表示である。フルタイム労働を希望していながら、実際はパ−トタイム労働を余儀なくされているる者などはカウントされていない。つまり、フリ−タ−のような者も完全なる雇用者とカウントされている。雇用されながらも、収入は希望の半分、日々食うのがやっとだ、という人、それも契約期間が半年とかでも、有職者と認識されている。
もちろん、こういった悲観的な事実が今の株式相場に反映されているわけではなく、現に株式相場は実体経済の傷みが大きくなってきていても上昇している。企業の信用をキャッシュで買えるような環境が戻ってきている。
これから、本当の意味でのリスクを取れるか取れないかで株式相場は大きく下ブレするだろう。個人的には、今の株価水準なら喜んで株は売り持ちにして、株価下落で利益を得られるポジションを取る。(いや、本音を言えば、数日間は様子を伺うが。)
大局的に、世界諸国がこれだけ莫大な財政出動を行って、まったく成果が出ないことはない。米国にしたって、8000億ドルもの景気対策を打ち出し、FRBにしても銀行や損保企業を救済するために、リ−マンショック勃発以前から1兆ドルもバランスシ−トが膨らんだ。つまりそれだけのお金が世に出て、それが負の清算に使われたということである。これだけのことをしたのだから、数ケ月ぐらいはオバマのようにハネム−ン期間を楽しみたくなるのは当然だ。
株式相場も為替相場もおもしろくなってきた。「天災は忘れた頃にやってくる」、そして今の個人的な口癖「悪い事ばかりは続かない、しかし良い事はそれ以上に続かない」
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