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参加者に、所属機関とは無関係に自由に意見をのべ、そのミーティングで誰が何を言ったか口外を許さないルール(Chatham House rule=チャタムハウスルール)のビルダーバーグ会議(5月14日から17日の間で,現在、ギリシアの超高級ホテル(Nafsika Astir Palace Hotel in Vouliagmeni, Greece),が現在開かれている最中だ。英国一級紙であるガーディアン紙の記者Charlie Skeltonが,プレスとしての取材でこのホテルの外側から写真を撮っていただけで,ギリシア警察に逮捕された。この記者がインタビューに答え、逮捕された経緯を話している。報道記者が写真を撮ったという理由だで逮捕するのは異常だろう。
チャタムハウスルール
http://en.wikipedia.org/wiki/Chatham_House_Rule
ビルダーバーググループは、50年の歴史をもつ欧米の権力エリート(王侯貴族、軍人トップ、国家元首、政治家、金融トップ、多国籍企業オーナー、メディア、学術界など高度な影響力を持つ人物)による閉鎖的私的クラブであり,毎春、世界各地で会議を開いている。最近は,会議側が自らプレスリリースをして,討議アジェンダや参加者リストを公表している。これまで,1人として,日本人は招かれたことはない。要するに欧米の白人エリートクラブなのだ。表向き、賢者の知恵の提供を受けて,世界をよくするための討議をしたいとのたまうが、それならネルソン=マンデラやダライ=ラマなどが招かれてもいいだろうが,招かれたことはない。看板に偽りありなのだ。日本人は欧米エリートに、秘密を守れない連中としてよく知られていることもあるのかもしれない。戦争中,捕虜になった日本の将校などが、日本の軍や国家機密などを、敵方にぺらぺらぺらぺらしゃべったことがよく知られている。確かに,ある意味、われわれ日本人はよくも悪くも公的な秘密を守り通すことができない、公明正大な人々といえるかもしれない。
メジャー報道機関ではCNNがめずらしく2008年1月、ビルダーバーググループについて詳しく報道している。
http://tr.youtube.com/watch?v=6I3sqpRtKUA&feature=related
またギリシアの討論番組が,2008年この会議について特集した。ギリシア人参加者の女性を呼んで,どのような会議なのかと問いつめている。
http://www.youtube.com/watch?v=Um0Qy-KeHHg&feature=related
さて、現在行われている会議のその討議内容が漏れ聞こえて来ているている。この報告を行っているジャーナリスト、ダニエル=エスタリンDaniel Estulinは 会議の参加者に,内通者を持っているという。メディアエリートでは、ワシントンポスト紙、ニューヨークタイムズ紙、ウォールストリート紙の所有者や編集長が、もちろん報道陣としてではなく、パワーエリート当事者として、参加している。
彼は1年前、2年前のこの会議内容をやはり当時,暴露している。それは何だったか。2008年、住宅ローンバブルのクラッシュ、また経済メルトダウンが引き起こされることを2006年(カナダ)と2007年(トルコ)のこの会議内通者からリークされており,彼はこれらの発生について,発表済みだった。結果は完全に正確だった。エストリンはロシア人で、カナダに移動,現在はスペインを本拠とする。彼のビルダーバーグを暴いた著書がカナダでのフィクション大賞を取っている。現在のところ,彼が一番情熱を持ってビルダーバーグを徹底調査糾弾している、しかも若手ナンバーワンといえる。
彼がインタビューに答えている。極めて知的で,かつ勇気と正義感あふれる人物であることが分かる。
http://tr.youtube.com/watch?v=nYRI70fQRsI&feature=related
カナダのオンタリオから世界に3千万人の視聴者をもつ衛星放送を行っているメディアでのインタビュー。
http://video.google.com/videoplay?docid=-6053180618439306862&ei=hdIMSpaAC57WqAPWjYzyCw&q=Daniel+Estulin&client=safari
95年から調査を本格的に始めた彼はこの会議はいわゆるユダヤ人やフリーメーソン、イルミナティーの陰謀とも関係ない、という。彼らの長年の一貫したテーマは,エネルギー問題、エネルギー,特に石油のコントロールであるという。カネの問題は2番目で、というのは、エネルギーが不足すればカネの問題云々というのは意味がないからだという。エネルギーは相対的に不足する,人口が邪魔である、だから人口は減らした方がいいという思考方式をもっているという。また、世界を一つの憲法、ひとつの通貨にするのが最終目的と考えているという。その第一ステップが,欧州の統一機構、次が北米(カナダ、アメリカ、メキシコ)の統一機構、東アジアの統一機構(日本、中国、朝鮮)を経て,最終的に一つのシステムにする構想をもっているという。
現在この週末にギリシアで進行中のこの会議の討議は
“Either a prolonged, agonizing depression that dooms the world to decades of stagnation, decline and poverty … or an intense-but-shorter depression that paves the way for a new sustainable economic world order, with less sovereignty but more efficiency.”
つまり、
1世界を数十年間にわたる停滞、経済落ち込み,貧困にあふれる恐慌におとしいれるか(数十年の長さという点に注目)あるいは
2強烈だが短期の恐慌で露払いをして、その後新しい,継続可能の、しかし,国家主権を弱体させ、より効率化をすすめる道
この二つの道のどちらを選ぶか,現在,参加者で討議が割れているという。
”Estulin warns that Bilderberg are fostering a false picture of economic recovery, suckering investors into ploughing their money back into the stock market again only to later unleash another massive downturn which will create “massive losses and searing financial pain in the months ahead,” according to a Canada Free Press report.”
エスタリンがカナダのフリープレス紙を通じて警告しているのは、会議者たちは、世界経済が回復しつつあるかの間違ったイメージを情報操作で行い、投資家たちを安心させ,株式市場に資金投下をさせたあとで数ヶ月後、株を一斉に売り払い、今一度株価を下落させることで、一般投資家たちに’甚大な損失を与え、経済的な苦しみを与える作業をすすめている、ということ。ここには書かれていないが、ポジティブ情報を流し,お気楽な投資家をおびき出し、そのあと、株を大量に売り払うことで、利益を売る株価操作のことは英米の株式インサイダーでの言葉では通常sucker's rallyと呼ばれており、今起きている世界的株価上昇が典型的にこれであることを、私自身,阿修羅で書こうとしていた矢先だった。というのも、米英とも不動産差し押さえ、失業率も異常上昇し、クライスラー倒産、GMも間違いなく倒産という状況で株価が上がるという異常状況で典型的株価操作であることは見え見えだからだ)。
会議が推定しているのは,米国失業率が今年末までに14%前後、つまり現在の公式の失業8.1%の2倍に上がっているだろうということ。
また,内通者によれば会議が決めていることとしてこの9月10月にリスボン条約(先年、アイルランドの国民投票で否決されており、EUはこの条約を発効できないでいる)を今一度通過させる試み、つまり今一度のアイルランドの国民投票でとうしても通過させ、そのことによって、ヨーロッパ連邦を樹立させたいということ。反リスボン条約運動のリーダー、Declan Ganleyが阻害要件となっているため、米英メディアに、彼が米国武器商人から資金提供をうけているという偽情報を流し報道させ,彼の信頼を失墜させることで、なんとか国民投票を通したいと計画しているという。リスボン条約が通過すると,欧州各国の憲法が無効になり、かわって、EU憲法が発効する運びとなっている。しかし、大統領を民主的に選ぶ制度が担保されていないことが,欧州国民に受け入れられない理由となっている。しかし,通常、議会で批准するので、国民投票にゆだねる国は基本的になく、例外的にアイルランド人だけが欧州の希望となっている。これを否決した彼らは英雄として扱われた経緯がある。しかし、これにビルダーバーグなどのエリートたちが、頭に来ているわけだ。
このビルダーバーググループは,年一回エリートが集まってお話に興じるお話の会ではなく、新しい世界秩序の形成に向けたアジェンダを実施するワーキンググループだという(an integral planning forum for the new world order agenda.)。 ベルギーの現在の会議議長Étienne Davignon公爵が先月4月に、われわれこそ90年代初期、ヨーロッパの共通単一通貨ユーロ導入を提案し、実現に持ち込んだものであると誇らしげに語っていたという。BBCの調査報道で、EUはこのグループの会議で構想されたことが伝えられているという。実はビルダーバーガー会議について、他の日米欧メディアがほとんど取り上げない中で、欧州ではBBCだけが、この会議の毎年この開催時期になると記事を書いていることは、私自身知っていた。なにせトニーブレアが参加者として彼らに毎年追っかけられていた。2002年春の会議で参加者のブッシュ大統領が同年夏にはイラク侵攻の意向を持っていることに対し会議側はそのはやる気持ちを遅らせるように要請したため(欧州市民の反対運動が強かったため)、翌年3月になったという。
また,この会議で米英の大統領や首相が誰になるべきか決めているキングメーカーぶりだという。ビル=クリントン、トニー=ブレアも無名時に、この会議で推挙され準備されたという。2008年、ポルトガル紙が、Pedro Santana Lopes 、Jose Socrates ともに2004年のイタリアでの会議に参加し,そのあと,ポルトガルの首相に着任した点を報道しているという。昨年の会議はワシントンDCで行われたがそこでは急騰する石油値段1バレル150ドル水準を懸念して,値段を下げるべきだと討議し,そのあと,それがバレル50ドルへと実現化したという。2005年まだバレル40ドルのとき,石油が急騰することを予測していたが,それは,この年のミュンヘンでの会議で,石油高騰を唱導していたからだという。参加者だったキッシンジャーが,他の複数の参加者に,向う12ヶ月から24ヶ月の間石油値段は倍になるとエリートたちが決定済みだ、と伝えていたのだという。また、昨年の会議では当時国務長官だったライスが当時の国防長官ゲイツを交え、チェコの外相Karel Schwarzenberg.と、イランのミサイルに備え、チェコに米国レーダー基地を設立することの条約締結について討議したという。またこの時の会議で、報道の追っかけを逃れヒラリークリントンとオバマが密談できるように、差配されたとみられているという。少なくともヒラリーの到着は,張り付いていたジャーナリストに目撃されていた。彼女が大統領選の11月のキャンペーン先の講演後、大学生グループから、2006年6月のあの会議に参加していたですよね、あなたを目撃したという人たちもいますからね、一体何を議論していたんですか、そこで何が起きていたんですか、と問いつめられた彼女が、それなんのこと、あなたの言っていることの意味がわからない、と知らぬ存ぜぬをとおし、学生から逃げるように立ち去るヒラリーのビデオ。
http://www.youtube.com/watch?v=9Wz5ShpBAmc
ちなみにダンナのほうは2008年3月に、1991年のビルダーバーグ会議に参加したことを自ら語っている。
http://www.youtube.com/watch?v=3jmzWi_nhQg&feature=related
昨年のワシントンDCでの会議について,米国主要メディアは一切,報道をしていない。ワシントンポスト、ニューヨークタイムズ、ウォールストリート紙のオーナーたちは参加しているのだが。
これまでこの会議開催について、少ない本数だがBBCは記事を書いている。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/4290944.stm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/magazine/3773019.stm
以下は、BBC国際放送でこのグループについて特集したもの。昨年ワシントンDCで行われた際のもので、記者が,会議開催予定のホテルのマネージメントに電話をして、この週末、会議が開かれるようだがと,尋ねているが,ホテル側は,結婚式しか入っていないし、ビルダーバーグ云々は,全く与り知らないと答えている。
http://www.disclose.tv/action/viewvideo/3090/BBC_radio_on_the_bilderburg_group/
さて、以下は別の情報を提供する。
ビルダーバーグの連中が何をどういおうと決定しようと、米国が未曾有の恐慌、1930年代の大恐慌のスケールを遥かに超える大型恐慌に入って行くだろうことには,何ら変わりがない。彼らの操作や努力の結果でも何でもない。ベビーブーマー世代の引退という現象はライフサイクルにもとづく自然現象以外のなにものでもない。人は年を取る。2、3年先の会議でビルバグが俺たちのおかげでお前たちを地獄の恐慌に落としてやったぜ、などど嘯(うそぶ)いてもダメだよ(笑)。君たちを過大評価はしないぜ。
5月13日付けで,以下のような論文が出た。
"U.S. Housing Market Driven by Super Sizing Baby Boomers Now Going Bust"
つまり、「米国、超巨大なベービーブーマー世代に突き動かされてきた米国不動産市場は今やそのバブルがはじけようとしている」。こう題した記事だ。
http://www.marketoracle.co.uk/Article10636.htm
ここでは,住宅不動産市場でいかに、ベビーブーマーがバブルを作り上げ,その意味で超巨大な影響を与えて来たか,そして,それが,今はじけようとしていると書く。このページの一番上の図表をみてほしい。国勢調査局のデータだ。右端が一人当たりの占有面積を示すが,1950年と比較し、2007年には,三倍を超えている。真ん中は,家の面積だが、2.4倍に。HHは一世帯あたりの平均人数。大幅に減っている。
このように家のサイズ、一人当たりの占有面積すら,超巨大化していたという。コーネル大学教授によるとベビーブーマー世代の中の超富裕層、例えばマイクロソフトの共同創設社ポール=アレンはコーネル大学ビジネススクールの敷地と同じ広さの敷地に家を建てたが、成功が家のサイズに示されるという姿勢が,ベビーブーマー世代のミドルクラスの連中にひどく影響を与え,彼らも,より大きなサイズの家や敷地を求めるトレンドが発生したという。オラクルのラリー=エリソンも同じだが,彼の家屋敷もとんでもなく広い、supersize)。彼らは広大な家屋敷に住み、巨大な自動車(GMのハマーや大型BMWを持つ、こうした豪勢なスタイルを望んだという。つまり,家屋敷を広大化させ,自動車だけではなく、その中に置く,調度品、家庭用品など数もサイズも自然に大型化したわけだろう。建築資材(塗料なども含む)、家電、中国商品などもやたら売れまくったわけだ。小型セレブによって、90年代初頭からソニー,パナソニック、トヨタ、ホンダも飛ぶように売れた。そしてこれらをすべて,ローンでまかなった。大型ローンになるわけだ。
このように、ベビーブーマー世代は、“Luxury Fever,” (豪華熱)(上記、コーネル大学教授の著書タイトル)に侵されていた。ラグジュアリーライフスタイルを標準形とした。低金利環境下、時々のローンの組み替えと10枚以上のクレジットカードで借りに借りまくって物を買ってきた。この種族が,爆発的に消費して来たのだからたまらない。
ニューヨークタイムズ紙の経済専門記者でサブプライムローン問題なども書いて来た一線記者、Edmund Andrew が、自分も,2004年に,サブプライムローンで約5千万円の家を買ったが、ローンの支払い,クレジットカードの支払いにたえず、銀行口座にも2万円ほどしか残額がないことに衝撃を覚えた,その自分の破綻の経験談を長大な記事にしている。2009年5月14日付け記事。この経験をもとに住宅ローンメルトダウンを報告した著書がが次の月曜日にでるのだそうだ。タイトル:“Busted: Life Inside the Great Mortgage Meltdown,”
http://www.nytimes.com/2009/05/17/magazine/17foreclosure-t.html?_r=2&hp=&pagewanted=all
” In the previous December alone, we charged $2,845 on the Chase card for Christmas gifts, food, gasoline, clothing and other expenses. The charges included almost $350 for groceries, $700 in clothes from J. Crew, $179 at GapKids and $700 for airplane tickets for two of Patty’s children to visit their father in Los Angeles. Our balance climbed from $14,118 to $17,135, and in January 2006 we maxed out at our $19,000 credit limit.And there were other expenses on other cards: $1,200 in dental work for Patty’s son Ben; $1,600 to rent a beach house the previous year for us and all the children. Granted, the beach house was an embarrassing mistake. But given that Patty had landed a solid job, it seemed like an indulgence we could work off later.”
昨年2008年の12月だけで、クリスマスプレゼント、食料品(300ドル)、ガソリン、洋服(700ドル、連れ子の子供服に179ドル)、その他(再婚相手の子供の父のところへの帰省飛行機代(700ドル)で2845ドルをクレジットカードで買った。負債は1万7135ドルになっていた。2006年の1月にはクレジットカードの借り入れ限度1万9000ドルをかり出した。他に,連れ子の歯医者代に1200ドル,その年の前の夏休暇でビーチハウスを借り,それが1600ドル。これらをすべてクレジットカードで支払った。このような使いっぷりだったという。家のローンはいつの間にか月に3700ドルになっていた。仕方なくさぬプライムローンに切り替えて,月の支払いを2500ドルまでに下げたが,2年後には利息が11%になるものだという。クレジットカードの利息は29%になっていた。しかも収入より,3000ドルも多い出費を毎月平気でしていたその、身の程を知らないカネの使いっぷりに悔やむばかりだという。パニックに至る様子が詳しく書かれている。年収は1万2000ドルだという。
このように、ローンを5千万円、そしてクレジットカードによる激しい出費。写真で見ても分かるが,とても大きな家だ。これが、ニューヨークタイムズ紙の経済専門記者で,ローン問題の一線の記者のスタイルである。しかし、米国家庭では,皆このような感じだったのだ。こうした消費スタイルが、アメリカ経済の好況を引っ張って来た。写真を見る限り,ベビーブーマー世代(ほぼ反ベトナム戦争運動共鳴世代)ぎりぎりに入るのだろうか。あるいはそれより少し若いかもしれない。
さて、ベビーブーマー世代が引退する時期に入る。主要消費年齢層から次第に姿を消していく。後続世代は,人口が細いのだ。1学年10クラスあったのが相続は,1学年7クラス、5クラスに減っていったイメージが分かりやすいだろう。このあと主力消費年齢層が毎年細くなっていく。ベビーブーマーと世代と同一の人口グループが戻ってくるのが10数年後。
超巨大彗星が地球を通り過ぎようとしているのだ。次に巨大彗星が戻ってくるのが13年から16年後ぐらい。
貸し渋り,貸しはがしの融資がなされない、貸し渋り環境下で、かつ、主力消費年齢層がやせ細る。これで,どうして,米国の景気がよくなるというのか。単純で自然な話ではないか。インフレ論、デフレ論をどういじろうと、関係ない。論ではないのだ。陰謀論ですらも一切関係ない。ライフサイクル(人間、子供を二人もつ50歳ぐらいが、一番カネがかかる,人生で一番出費する。それは各国同じだ)の問題なので、政策的には対応ができないところに特徴がある。戦争が終わり,出兵からも戻って来て、親として安心して猛烈に赤ちゃんが一定期間に誕生してしまっただけなのだ。その彼らが、一部の成功者を見て、ラグジュアリースタイルに熱をあげて、セレブになったつもりになっちゃって(笑)。
クライスラーが,昨日、ディーラーの25%をカットした。789店舗が消える。GMも今週中に最大限、2000店舗のディーラーに,契約切れの通知を出すという。これで,失業率、商業ビルの空き室率に拍車がかかる。
http://uk.reuters.com/article/governmentFilingsNews/idUKN1450648820090514
労働省によると、失職率は月間63万7千人のペースに上がったばかり。この1週間をみても予測を超えたペースだという。トータルで656万人が失業手当の申請を出している。
米英にはU6という失業率の数え方がある。Wikiを見てみよう。
http://en.wikipedia.org/wiki/Unemployment#United_States_Bureau_of_Labor_Statistics
U1: Percentage of labor force unemployed 15 weeks or longer.
U2: Percentage of labor force who lost jobs or completed temporary work.
U3: Official unemployment rate per ILO definition.
U4: U3 + "discouraged workers", or those who have stopped looking for work because current economic conditions make them believe that no work is available for them.
U5: U4 + other "marginally attached workers", or those who "would like" and are able to work, but have not looked for work recently.
U6: U5 + Part time workers who want to work full time, but can not due to economic reasons.
かつて労働省は発表していたが、現在、これは労働統計局の発表にとどめている。これは一度失業して,職を求めたが,見つからず,あきらめた人,そして,フルタイムの仕事を探しているが,見つからず,パートタイムで甘んじている人を含めて計算した場合だが,米国では15%以上になっている。半年以上仕事が見つからない人は,24%に上っている。
http://www.bls.gov/ (労働局ホームページ)
http://www.bls.gov/opub/ils/pdf/opbils74.pdf (労働統計局レポート)
http://www.reuters.com/article/domesticNews/idUSTRE5314B320090402
また、食料を買うカネがない人々を救済する連邦政府のプログラムがフードスタンプというものだが(現在のスタイルはデビットカードのようなもので月に多い人で250ドル分支給)、
本来、飢餓にある人を対象にしているため、農務省の発行となっている。これが毎月3200万人のペース(全人口の10人1人の割合)に達し、基金がパンクしつつある。
http://www.reuters.com/article/domesticNews/idUSTRE5314B320090402
2005年の国勢調査局の発表だと,その時点で,3700万人が,貧困ラインにある。そのうち、子供が約1300万人含まれる。全世帯の3.5%ぐらいが,飢餓状態にあるという。
http://www.heritage.org/research/welfare/bg1713.cfm
http://www.youtube.com/watch?v=vx760Wv2oS4
今年第3四半期の失業率の推定は8.9% から9.6%へ。
工場の操業率は記録的に下落して現在69.1%
借金まみれにある一般の人々は,サバイバルモードであり,必要最低限の消費しかしない。
連邦政府の借金の伸びは記録的速度であり、これを解消する唯一の手は当然だがインフレを起こすしかない。これをすると,結局,ドルの購買力がガタガタに下がる。通貨の価値が劇的に下がるわけだ。前門の虎、後門の狼。
商業不動産のメルトダウンが止まらない。テナントが次々と去っている。今年最大のショックはこのメルトダウンとなる。
世界最大のデパート、米国のメイシーズがこの第一四半期で8800万ドルの損失、15店舗閉鎖、7700人を解雇。
米国の小売りはこの3月から4月にかけて1.3%下落
http://www.guardian.co.uk/business/2009/may/13/us-retail-data-disappointment
トヨタだが、存立の危機にあると見るほかない。米国ベビーブーマー世代、日本の団塊の世代、
(ヨーロッパも同じ構造)の引退期に移行するため、自動車の国外,国内の需要の激減は不可避。つまり,工場が,遊休化する。他のメーカーが買うわけもない。工員解雇をしても、この施設遊休費用が与えるインパクトは尋常ではない。倒産するとところまでいっても決して不思議な状態ではない。
クライスラーを20%株支配で,35%までの支配が米国政府から保証されているフィアットFIAT。
政府は$11 billion(110億ドル)を貸与する。フィアットは小型車専門で、かつ故障車ばかりつくる。米国ではFix It Again, Tony(またクルマを直してくれ,トニー)の略だと揶揄されるメーカーで,米国では、全く走っていない。フィアットのイタリア人経営者は米国販売での上陸経験ほぼ無しで、米国市場がカラダで理解できていない。クライスラー、フィアットとも小型車や効率車の技術ノウハウもなし。特段の技術なし。ベービーブーマー世代の引退で、そもそもクルマ需要が激減する。成功する可能性は,200%ゼロ。再び倒産するだろう。クライスラー、フィアット連合軍が技術的に日本車に勝てないことが分かっている米国政府はそんなこと100%分かっているはずだ。貸与する税金が戻ってこないことをハッキリ承知しているはずだ。破綻の前の時間稼ぎにすぎない。
ベビーブーマー世代の引退は今年の後半ぐらいから,遅くても2012年から始まる。危機本番は,まだ始まっていない。これまでのは金融危機関連の打撃だ。
われわれは、ナイアガラ瀑布の崖っぷちにじわじわ近づいている小舟。遅くても3年以内にはまっさかさまに落ちることが始まる。
別の視点から見よう。
緊密に電子的ネットワークでつながる世界では、ほんの小さな出来事が,グルーバルに超巨大なインパクト、波及効果を生み出す、いわゆるフラクタクル、カオス理論のバタフライ効果は不可避。これが1930年代の大恐慌と全く条件を異にしている。惨害は地球全域を,一瞬のうちに捕まえる。アメリカで取り付け騒ぎが起これば,世界の金融システムは、24時間以内に息の根を止める。それぐらい,あまりに深く広く電子的につながってしまっている現実。いつ小さな出来事が起きても,おかしくない。金融システムの包括的ダウンは第三世界諸国にさらに劇的なショックを与え、食料の蓄えがないだけにただちに生命維持レベルの問題となる。生死のスケールで言えば、ヨーロッパ14世紀の暗黒時代がモデルとならざるをえなくなってくるだろう。
ビルダーバーガーが何を言おうとやろうと,日米欧三極の戦後ベビーブーマー世代の引退シフトの流れ,要するに先進国の高齢化は生物的にも社会的にも変わらない。不可避も不可避だ。これだけはどうにもならない。年金システム破綻も共通だ。変わるとすれば,彼らの仕掛けによって、このタイミングが早まりうることだ。
実は昨年のリーマンの破綻、これは自然な流れで起きたものではない。通常、10日ぐらいで,株価がゼロになるほど急降下するというのは,歴史的にもあり得ない。これは空売りの手法の、更に特殊なやりかた(空売りなのに借株すらしない、いわゆるnaked short selling)という方法で引き起こされている。犯罪以外のなにものでもない。米国では空売りは合法(昨年短期間だけ禁止した)だが,裸の空売りは完全に違法で犯罪だ。証券取引委員会(SEC)議長のクリストファー=コックスは調査をするといったが、結局,どうしてこんなに急速に破綻したか,結局わからない、などとのたまい、早期に調査を切り上げている。このような芸当のできるのは大量の資金を動かせるヘッジファンドの仕業以外には考えにくい。この手法なら,いつでも,またどの会社に対しても仕掛けることができる。これで市場を崩落させられるので、一種の金融テロとみることができる。
http://blog.goo.ne.jp/globalobserver/e/9b8da71dfbded4745b9a9dc0d971a89d
ビルダーバーグの連中には,ヘッジの連中を使ってこの程度のことはできるだろう。
http://www.youtube.com/watch?v=DrqR1Dnhxwo&feature=channel
米国中央銀行総裁BenBernaki, 財務長官(前職がゴールドマンサックス会長)ヘンリ=ポールソンHenry Paulsonは昨年5月のワシントンDCで開かれたビルダーバーグ会議に、ライス国務長官らと出席している。それどころか、オバマ政権の経済最高顧問ローレンス=サマーズ(元、財務長官、ハーバード大学長で,出席当時はヘッジフォアンドの幹部)、その弟子筋、ガイトナー財務長官(当時、ニューヨーク連銀議長)(2006年も参加)
その参加者リストが以下だが、アルファベッと順で名前のB、P、R、S、G列のところを見て欲しい。彼らの名前が見える。メリルリンチの関係者が二人見える。ちなみに現在の経済危機の前提となる法制度(店頭取引デリバティブ許可)を導入したのは、西暦1999年、2000年にかけてのサマーズ。そのボスがゴールドマン出身で、財務長官ルービン。彼の教え子がガイトナー。この会議でオバマ代理人も参加している。
この会議についての米国報道は一切なし。サマーズ、ガイトナーはオバマ政権入りし、経済政策を仕切っている。オバマ政権は,またしてもビルダーバーグ政権であるとはいえる。2008年の会議アジェンダを共有しているし,今年の会議での,上で書いたアジェンダをもちろん共有しているはずだ。
http://www.liveleak.com/view?i=708_1212766386
ポールソンが昨年7月の報道番組でこの違法で、特殊な空売り手法について、尋ねられ、異常にしどろもどろにどもりながら話しているこの姿には笑える、が何を意味するか、感の良い人は分かるよね(笑)。
http://www.youtube.com/watch?v=kq4BimfA_UQ&feature=related
そういえば、この犯罪手法を調査するSECのコックス委員長の、引きつった辛そうな顔が忘れられない。
この同様の手法を使い,銀行その他の大企業を崩壊させることで、株式市場にリーマンショックの再来のショックを与え、大恐慌の本格的幕開けを開くという選択肢は当然ありうる。しかし,これをやろうとやるまいと、大恐慌突入を避けることはとてもじゃないが不可能だ。個人消費が,国民総生産、あるいは、経済の主エンジンで、最大の指標であり、それが劇的に下がるからだ。
アイルランドのリスボン条約反対運動の指導者の失墜(武器商人とのからみ)が実際おきたら、ビルダーバーグのワーキンググループが成果を出しているという一つの指標になるだろう。この報道を出すとしたら、ワシントンポスト、ミューヨークタイムズ、ウォールストリート紙のどれかだろう。なにせこれらの経営者が会議に参加しているわけだから。
ちなみに、ニューヨークタイムズ社は10億ドルの負債があり倒産しかけている。この5年で1株50ドルたったのが6ドルに落ちている。現在、救済者を捜しているが、現在の最大の出資者は、経済危機の悪党として後ろ指をさされているなんとヘッジファンド。Harbinger Capital Partners Funds, Firebrand Partners の2社で19%の株を持持っている。
http://www.hedgefunds-weblog.com/50226711/new_york_times_shareholders_in_trouble.php
お笑いの世界か、これは。これではヘッジファンドを批判する記事など書けるはずもないではないか。現今の新聞産業では、10億ドルというのは,とてもではないが返済困難だ。何せ毎年、ニューヨークタイムズ紙は生み出せる利益がぐんぐん減っている。
ビルダーバーググループの50年来の一員でかつ,ヘッジファンドに生かされているニューヨークタイムズ紙は世界権力エリートの宣伝媒体に過ぎず、カネを出してまでは買う価値など全くないし、潰れてくれてぜんぜん結構だ。
この景気のひどさは10年は続き(まだ最悪な状況にすらなっていないという)、景気が戻っとったとしても、米国人にとってこれまでの生活水準が,戻ることは,未来永劫ありえないだろう。”Living standards will never be the same." "It's a permanent condition. Trade down is here forever."
これは米国小売業問題の最大権威で、米国の経済報道番組でもっとも声のかかる小売りの分野の超ベテランコンサルタントHoward Davidwitzの最近,口を酸っぱくしていっている言葉である。
10数年後次のベビーブーマーが購買主力層として戻って来ることは確実だが、そうだとしても第3世界であるメキシコとおなじような生活水準に順次、そして恒久的になっていくだろう。米国の負債は天文学的であり,返済できる見込みはゼロだからだ。米国は借金に乗しかかられ(国の借金というのは、去っていかないでとどまるだけなので)、ビルダーバーガーがつぶさなくても、その自らの負債の重さで国家が潰れていかざるを得ないだろう。