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(回答先: フェラーリが今季限りでのF1撤退示唆 投稿者 gikou89 日時 2009 年 5 月 15 日 04:23:01)
http://www.nikkei.co.jp/news/kakaku/column/20090508e1j0701207.html
見渡す限り車の列。アクセルを踏みたくても踏めない……。鉄鋼市場関係者の今の心境を例えるなら、大型連休に高速道路の渋滞に巻き込まれた運転手に近いだろう。
昨秋、先頭を走っていたトヨタ自動車など最終需要家が生産にブレーキをかけ、後続の部品メーカー、鉄鋼メーカーもブレーキを踏まざるを得なくなった。未曽有の需要減で鋼材の市中価格は軒並み数年前の水準に下がり、なお底がみえない。鉄鋼業界は不況という名の渋滞からの出口を見いだせるのだろうか。
赤信号ばかりだった業界の風景には変化も見える。まず在庫調整の進展。薄鋼板は3月末在庫が2カ月連続で減り、値下がりピッチが緩やかになった。自動車メーカーの減産緩和も見込まれ、「4―6月中に在庫調整は一巡する」との見方も出てきた。中国の需要増を映し、急落が続いた鋼材の輸出価格にも一部底入れの兆しがみられる。
だが設備投資や雇用といった経済指標には赤信号がともったままだ。個人所得が上がらない限り、マンションや自動車の内需喚起には限界があるし、企業が設備投資を手控える傾向はしばらく続くだろう。仮に在庫調整が終了しても、中国や韓国のメーカーが輸出攻勢を強めれば価格底入れが遠のくリスクもある。
気になるのはメーカーと流通に目立った設備廃棄や再編の動きがみえない点だ。多くの企業は在庫調整に奔走し、長期の課題である構造改善を先送りしているようにみえる。政府が経営の厳しい企業を公的資金で救済する風潮が広がっていることも危機感を鈍らせているのかもしれない。
狭い道に多くの車が走る限り、渋滞がいったん緩和しても長くは続かない。資金繰りの悪化した流通業者や需要家が「ガス欠」で破綻するリスクもある。腹をくくって構造改善に取り組まない限り、メーカーと流通は当分「ノロノロ運転」を余儀なくされるだろう