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伊勢丹吉祥寺店の閉鎖から考える日本の個人消費の行方(KlugView)
2009/05/13 (水) 19:00
三越伊勢丹ホールディングスは、伊勢丹吉祥寺店を来年3月上旬に閉店すると発表しました。つい先日も、三越伊勢丹は、三越池袋店と三越鹿児島店を閉めたばかりですので、店舗を閉鎖するペースは早くなってきた気がします。
三越伊勢丹が店舗の閉鎖を続けるのは、業績不振によります。三越伊勢丹が発表した今期(10年3月期)の連結決算予想は、売上高が1兆2,800億円と、前期に比べ10%の減少で、営業利益は20億円と、前期に比べ90%の減少となっています。
閉鎖が決まった伊勢丹吉祥寺店は、所得層の高い地域住民に対して店舗ブランドをアピールできる利点などを考慮し、営業赤字でも存続されていました。しかし、営業利益が9割も減ってしまう状況では、たとえブランドをアピールできるとしても、赤字店を放置するわけにはいかなかったと思われます。
三越伊勢丹に限らず、他百貨店も苦戦しています。高島屋の今期(10年2月期)の連結売上高は、前期比8%の減少、営業利益は同40%の減少が予想されています。大丸、松坂屋を傘下にもつJ・フロントリテイリングも、売上高が同10%の減少、営業利益は同57%の減少を見込んでいます。
百貨店業界が苦戦している背景には、日本の個人消費の縮小があります。足元では、世界的な景気後退もあって、今年の日本の家計所得(可処分所得)は、10兆円から12兆円ほど減少すると見込まれています。
日本の家計は1400兆円を越える金融資産を有しているものの、今後の生活のことも考えれば、家計所得の減少を全て補うほど、資産を取り崩すとは思えません。家計所得が、ここまで大きく減少すると、個人消費が低迷するのは避けられないとみるべきでしょう。
足元だけに限らず、今後も日本の個人消費の拡大を期待するのは難しそうです。
大きな流れとして、少子高齢化が進み、働く人の数(労働力人口)が減少する以上、今後も家計所得が大きく増えるとは思われません。所得が増えない中、生活水準を維持するために、家計は貯蓄を取り崩す行為は続けられるかもしれません。しかし、家計が、貯蓄を取り崩してまで生活水準を向上させようとするとは考えにくく、結果として日本の個人消費が拡大することもは考えにくい気がします。
こうした点を考えると、三越伊勢丹が店舗閉鎖を続けるのは、生き残るために不可欠な判断だといえそうです。また、今後は、百貨店業界に限らず、スーパーやコンビニといった小売業界や、外食、レジャーといった家計向けサービスでも、百貨店業界と同じような動きが見られるように思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
高島屋は、10年2月期の連結売上高の伸びが
どれくらいになると見込んでいる?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
前期比8%の減少
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/05/13/005399.php