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米株式相場は先週、大手銀行に対するストレステストの結果と雇用統計をプラス材料と受け止めて反発した。だが本当に景気が下げ止まり、底打ち・回復していく材料と見なしていいのか、日本の市場参加者の間には慎重な見方も多いようだ。 11日の東京株式市場で、海外勢の買いに対して国内法人の売りという構図になっていたことがそうした姿勢の違いを物語っている。 国内の市場関係者が慎重な姿勢を維持している背景には、やはり日本経済が1990年代に経験したバブル崩壊後の長い低迷期の教訓がありそうだ。 当時、景気が一時的に回復したように見えた状況を、白川方明日銀総裁が4月のニューヨーク講演で「偽りの夜明け」と表現したが、最近の楽観相場について、この表現を引用して解説するエコノミストもいる。 総じて国内エコノミストの米国経済への見方はまだ厳しい。ストレステストの結果について、みずほ証券では「米大手銀行の損失算定根拠は甘い」と断じている。前提となる景気認識について、今後の動向を見なければ判断ができないというのは当然の指摘だろう。 雇用統計にしても減少ペースがやや緩和したと受け止められているものの、自動車産業でのリストラも控えており、第一生命経済研究所は「今景気後退局面では、700万人以上の雇用減少が予想され、現在の景気刺激策で想定される雇用創出・維持数で相殺することが不可能な状況」と指摘する。 確かに世界経済は、在庫調整の進展や各国の経済対策により企業の生産活動が底なしに落ち込む局面からは変化している。しかし、金融危機の前と後では、人々の行動、そしてそれに伴う需要の伸びや中身も変わっているとすれば、雇用や設備の調整は長引くとみるのが適当ではあるまいか。景気が底打ちから本格回復するまでには、それなりの時間がかかるとみておいた方がよさそうだ。 欧米の市場関係者が今回の金融危機にこれだけ大きなショックを受けながら、楽観相場に引きずられて再び以前と似たような投資行動をとるならば「偽りの夜明け」に、また足をすくわれることにならないだろうか。 |