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米4月雇用者数、前月比53万9000人減=予想大幅に下回る
http://www.gci-klug.jp/masutani/2009/05/10/005360.php
2009/05/10 (日) 09:15
−失業率、約26年ぶり高水準の8.9%=3月は8.5%−
【2009年5月9日(土)】 − 前日(8日)、米労働省が発表した4月の雇用統計は、新規雇用者数(非農業部門で軍人除く、季節調整済み、事業所調査ベース)が前月比53万9000人の減少となり、市場予想のコンセンサスである62万人減を大幅に下回った。
同統計直前の6日に発表されたADP雇用統計では、民間部門だけのデータとはいえ、新規雇用者数(非農業部門)は前月比49万1000人減と、半年ぶりの小幅な減少。市場予想の同64万3000人減を大幅に下回ったことから、雇用市場の改善の兆候と見られていた。
今回の政府統計も市場予想を大幅に下回ったことから、エコノミストの多くは、経済状況を反映する雇用市場の改善の見方を一段と強め、大恐慌以来の長期といわれるリセッション(景気失速)も夏ごろには最悪期を脱し、今後はゆっくりと改善に向かうと見ている。
実際、政府統計の発表後、ニューヨーク株式市場では、主要株価指標のダウ工業株30種平均が急伸。ダウ平均は、前日比164.80ドル(2%)高の8574.65ドルで引けている。ADP雇用統計が発表された6日もダウは同101.63ドル(1.19%)高で引けるなど、このところ、米経済のアク抜けを示す堅調な経済データが株式市場の相場を押し上げている。
■失業者数は1月に底を打った可能性
直近の新規雇用者数の推移を見ると、1月が1949年(83万4000人減)以来60年ぶりの大幅減となる74万1000人減の記録的な落ち込みを見せたが、2月は68万1000人減、3月も69万9000人減と減少幅が落ち着く傾向を見せている。そして、今回の4月は53万9000人減と、6カ月ぶりの低い小幅な減少となったことから、エコノミストは、失業者数は1月に底を打った可能性があると見ている。
先月29日に商務省が発表した2009年第1四半期(1-3月)実質GDP伸び率(季節調整済み、前期比年率換算)の速報値は−6.1%となり、1975年以来34年ぶりという3四半期連続(9カ月間)のマイナス成長となった。しかし、それにもかかわらず、エコノミストの多くは米経済のリセッションがこれ以上、長期化するとの見方には否定的で、最悪期の終わりが近いとの見方だ。
エコノミストは、第1四半期で大胆な過剰在庫の調整が行われ、生産と需要のバランスが整い、今後は緩やかなペースながらも景気回復に向かう景気循環パターンになったと見ている。政府の7870億ドル(約77兆5200億円)の景気刺激策の効果で、第2四半期(4-6月)GDPは−2%にまで低下幅が縮小し、第3四半期(7-9月)には+1%程度になると見ている。
■年内までは雇用減少は続く見通し=ただし減少幅は縮小傾向に
労働省によると、新規雇用者数の減少はこれで16カ月連続となった。2007年12月のリセッション以降、雇用者数はこれで計570万人も純減したことになる。
しかし、3月までは、昨年12月の68万1000人減以降4カ月連続で60万人を超え、1-3月期は月平均70万人の減少となったが、4月の統計では減少幅は50万人台前半にまでブレーキがかかっており、年内までは雇用の減少は続く見通しでも減少幅は縮小すると見られている。4-6月期は月平均で約50万人の減少、10-12月期は月平均25万人の減少になるとの予想もあるほどだ。
■政府部門の雇用者数、7万2000人増と増勢に転じる
前2カ月の数値改定については、3月の新規雇用者数は前回発表時より66万3000人減から3万6000人多い69万9000人減、2月の数値も65万1000人減から3万人多い68万1000人減と、両月で6万6000人も下方改定された。
また、雇用者数の増減を民間部門と政府部門に分けて見ると、これまで民間部門の膨大な失業者数を抑制する効果を示してきている政府部門が7万2000人増と、再び増加に転じたため、4月統計では民間部門の61万1000人減を大幅に緩和させている。政府部門の増加の大半は、2010年国勢調査の要員増による一時的な増加だ。
■失業率、約26年ぶり高水準の8.9%に急伸=年内に10.5%に
失業率は3月の8.5%から8.9%と、市場予想と一致したが、2月の8.1%と1月の7.6%を大幅に上回り、1983年9月以来25年8カ月ぶりの高水準となった。昨年4月時点では、まだ5%(2007年10月は4.8%)だったが、この短期間で急伸し、2001年のリセッション時に記録された6.3%も軽く突破したままだ。
エコノミストは、今後の米景気の減速が深刻化すると、企業の人員削減が増え続け、今年中に失業率は10.5%に達すると見ている。1930年代の大恐慌以来の最悪といわれた1980-1982年のリセッション当時、失業率は10.8%(1982後半)まで上昇しているからだ。また、2013年までは、通常レベルといわれる5%に戻る可能性は低いと見られている。
一方、ベン・バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長は5日の議会証言で、失業率は10%には達せず、9%台に収まるとの楽観的な見通しを明らかにしている。
しかし、この失業率も、パートタイム労働者と仕事を探すことをあきらめた労働者数を加えた広義の失業率では、実に15.8%に達し、2月の14.8%を大幅に上回り、1994年以来15年ぶりの高水準となっている。
■製造業と建設業、合計で前月比約26万人減
4月の新規雇用者数の大幅減少は、製造業と建設業が合計で前月比25万9000人減となったことが大きい。製造業は14万9000人減の大幅減少で、34カ月連続の減少。2007年12月のリセッション以来、計160万人の雇用減となった。特に、自動車・自動車部品製造は同2万9100人減となっている。他方、建設業も長引く住宅市場の調整で同11万人減と、22カ月連続の減少。
また、サービス産業は前月比26万9000人減と、11カ月連続で減少。このうち、小売業は、個人消費の悪化を反映して、同4万6700人減と、18カ月連続の減少だ。小売業のうち、自動車・自動車部品販売は同1万1600人減となった。ただ、サービス業の271業種中、新規雇用を実施したのは全体の28%となり、3月の20%から大幅に増加している。
さらに、専門・ビジネスサービス業も前月比12万2000人減と、12カ月連続の減少。このうち、6万2000人が将来の雇用の先行指標となる人材派遣業で職を失っており、常用雇用が依然、難しいことを示している。
金融サービス業(不動産販売も含む)も、前月比4万人減となった。このうち、クレジット仲介業は住宅不況も重なり、同1万4000人減と依然、減少が続いている。(了)