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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu190.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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米国FRBは国債購入を決定している。後、1兆ドルほど増額し、中国の
保有する米国債をそっくり買ってしまうことは簡単なことである。
2009年4月27日 月曜日
◆紙幣を大増刷すると紙くずになる? 「中央銀行の国債購入」の行方 4月18日 マネージン
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090418-00000000-sh_mon-bus_all
■国債を買い始めた中央銀行
先月、FRB(連邦準備制度理事会)とBOE(イングランド銀行)は正式に国債の購入を発表した。また、日本銀行は以前から、ECB(欧州中央銀行)も事実上ユーロ建ての国債を引き受けていることから、これで4大通貨の中央銀行すべてが自通貨建ての国債を購入していることになる。
紙幣発行権を持つ中央銀行の国債購入は、「国債という紙を受け取って紙幣を渡す」ことから、紙幣の印刷を意味する。実際にはさまざまな方法が取られており、即座に印刷というわけではないが、この方向に向かっていると理解できるだろう。
■各国とも財政が火の車
中央銀行国債買い入れの目的は、国債の安定消化だ。3月25日には、英国で満期40年国債の入札が札割れした。札割れは国債の売れ残りを意味し、価格は下落、金利は上昇して経済に悪影響を与える。
景気の厳しい落ち込みとともに、各国政府は財政出動による景気対策や金融機関への資本注入などで歳出を増加させている。米国は予算教書の中で、09年度の財政赤字が約1兆7500億ドルと、08年度の約3倍になると予想している。
日本では、先日発表された補正予算を加えると、09年度は歳出が100兆円を突破すると予想されている。景気の落ち込みで歳入も減少しているので、増加する歳出は新規の国債の発行でまかなわれることになる。日本では歳入の内訳で、税収を国債収入が上回ると報道された。国債の増発、そしてその国債の円滑な消化が緊急の課題となっている。
■通貨スワップも通貨の印刷
通貨の印刷は中央銀行の国債引き受けだけではない。FRBが各国中央銀行と結んだ通貨スワップ協定も通貨の印刷を意味する。
FRBは新興国のドル資金繰り不安解消のため、各国中銀と通貨のスワップ協定を結び、新興国の資金ショートリスクを押さえ込んだ。たとえば韓国中銀は、2008年10月29日300億ドルの通貨スワップ協定をFRBと結んだ。それ以降、韓国中銀は、数十億ドルずつFRBからドルを引き出して、韓国国内の銀行に供給している。
韓国中銀が20億ドル分のドルを受け取れば、FRBはそれと等価の韓国ウォンを受けとる。韓国中銀が受け取ったドルは市中に出回り使用される一方、FRBが受け取った韓国ウォンは何にも使われない。
韓国の国債でも購入できれば金利がつくが、通貨スワップの金額に対してウォン建ての投資可能な市場がないためどこにも投資できず、いわば「タンス預金」となっている。実際には使えないモノを受け取りドル紙幣を供給しているということで、これは実質的な紙幣の印刷だと考えることもできる。
■紙幣は紙くずになるか?
しかし紙幣を印刷したからといって、すぐに紙幣が紙くずになってしまうわけではない。「米ドルの崩壊」をさかんに強調する向きもあるが、通貨はあくまでも「相対的」なものである。
通貨が信頼を失い紙くずになるとき、必ず「何に対して信頼を失ったか? 」を考える必要がある。一番分かりやすい比較対象は、他の通貨だ。円の場合、例えば米ドルやユーロより信頼を失ったとき、為替レートは一気に円安になり、円は海外や貿易で使用できなくなり、紙くずとなる。
今の世界情勢の興味深いところは、世界中の国で同時に紙幣を印刷していることだ。これでは「相対的」な通貨間の信用に大きな差はつかない。また、対「新興国通貨」の場合も、新興国通貨はIMFの大きな傘の下に保護されていることから、1つの通貨だけが信用を失うという事例は今後起きにくい。
世界中が危機なので、1つの通貨だけが突然紙くずになることのないよう、すべての国で同じ行動をとり、1つの傘の下に入るという行動がとられている。今回の経済危機に対し、国家間でスクラムを組むことにより、国の破綻、保護主義の進展を押さえ込むことにある一定の成功が得られている。
経済危機は火事ではない。押さえ込んだら消えてなくなるというものではないため、押さえこんだ反動がどこにどのような形で出てくるか、今後注意してみていく必要がある。スクラムを組んで脱落者をなくしましたつもりだが、スクラム全体がインフレという波に押し流されるという可能性も残っている。
◆中央銀行の国債購入 4月27日 経済コラムマガジン
http://www.adpweb.com/eco/
この表を見て分ることは、国によって国債を主に保有している主体がみごとにバラバラということである。日本は「政府」の保有が大きいが、この政府とは財投、公的年金、郵貯などである。英国とフランスは金融機関の保有比率が突出して大きい。
どのような保有比率が理想的なのか一概には言えない。ただ米国やドイツのように海外居住者の割合が高いことは、後ほど触れるように色々な意味で問題が起こり得る。ところで日本は「海外」の比率が極めて低く、「政府」「中央銀行」「金融機関」でほとんどを保有している。
このような日本の国債をムーディーズやS&Pなどの格付機関が勝手に格付をしてきた。しかし日本の国債の保有形態を見れば分るように、格付すること自体意味がない。ところがばかげたことに日本ではこの格付が下がったと大騒ぎしてきたのである。まず格付機関の格付がいい加減なことは本誌でもずっと指摘してきた。今日、格付機関が問題になっているのは当然のことである。だいたい本当に適切な格付を行おうとしたなら格付機関は現在の100倍くらいの人員を抱える必要があろう。
また国債は個人消化が良いという話が根強くある。しかし先進各国の個人保有比率はいずれも低い。むしろ個人の金が金融機関に預金され、その金融機関が国債を保有するという形が一般的と言える。
中国の脅し
筆者が特に取上げたいのは二番目の「中央銀行」の保有比率である。日本は日銀による国債買い切りオペを増額してきており、これによって15%程度の保有比率になっている。米国の16.3%という比率は、何度も取上げているが、1951年のアコード締結までFRBが青空天井で国債を買っていたなごりと考えられる。これまでこれが氷付けされているのである。
さすがにインフレ警戒が強い欧州各国は、中央銀行の国債保有はほとんどない。もっともユーロを採用しているドイツやフランスは、事実上、中央銀行による国債購入は無理である。一方、英国国債は、今回中央銀行が購入に踏切るということで格下げ観測が話題になっている。
筆者は、株式指数のドイツのDAX指数と英国のFT100指数の動きにずっと注目している。以前は常にDAX指数がFT100指数より1,000ポイントほど大きかったが、最近ではその差が500ポイントほどに縮小している。株式の指数であるから色々な要素が絡んでくるが、これからは国債の中央銀行購入という政策も影響があると考える。もしこれを実施する英国が不況をうまく克服するようだと、ユーロの見直しあるいはユーロの崩壊に繋がる可能性があると筆者は思っている。
日銀の国債保有が比較的高い日本の物価が、先進国の中で一番上がっていない。筆者はこれは日銀の国債の購入額が不足していたからと見ている。関連して言えば政府はもっと大きな財政赤字が必要だった。日銀が国債を購入してもデフレ経済から脱却できていない。それほど本当の日本のデフレギャップは大きいのである。
ずっと本誌が指摘してきたように、内閣府や日銀が公表しているデフレギャップはインチキである。追加の財政支出を行えば、ハイパーインフレーションが起るという御用学者の話も嘘である。また金融の面でも、70年代の列島改造バブルと80年代後半の土地バブルの崩壊を経験した日本には、08/12/1(第550号)「デフレ発生のメカニズム」で説明した通り、凍り付いたマネーサプライ(金融資産)が巨額に積み上がっている。
この凍り付いた金融資産は贈与税軽減ぐらいで動き出すはずがない。政府がその規模に見合った財政支出を行い、それに伴う国債を日銀が買えば良いのである。このような施策を講じておれば、日本は輸出に頼らざるを得ないような経済構造にならなかったはずである。
ところが日銀は、内規で国債の購入の限度を日銀券の発行額としている(銀行券ルール)。しかしこの数字についての合理的な根拠を聞いたことがない。筆者は、発行されている日銀券のかなりの部分がタンスに眠っており、この発行額までは国債を買っても良いと日銀は判断していると推測している。
日本の国債の金利は1.4%台であり、筆者もただちに限度額を増やせとは言わない。まず相当の財政出動が行われ、長期金利が上昇してくるようなら限度額を上げれば良いと思っている。ただし限度額を設定するにしてももっと科学的な根拠が必要と考える。
最後は米国FRBが米国債購入を決定したことの各国に対するインパクトについてである(先ほどから説明しているように再開と言った方がが適切)。まず日銀の今回の国債購入の増額(買い切りオペの増額)の決定に少なからず影響を与えたと見ている。しかし筆者が一番注目しているのは中国の反応である。
中国は米国の今回の決定に予想以上の反発をしている。表向きの理由は、中国が大量に保有している米国債の価値が下がるからというものである。実際のところFRBが米国債を買えば、国債の利回りは下がり、国債の価格は上昇する。この点では中国の言い分は通らない。また中国は米ドルの価値がこれによって下がると主張している。しかしこれについては不明である。米国の景気が良くなると思われれば、米国に資金が流れ、米ドルは高くなる可能性がある。
筆者は、中国の本音は、米国の今回の決定で中国が米国を脅す武器の効果がなくなったことと考えている。以前から米国は、中国が人民元を安くなるよう不当に為替操作していると批難している。しかしこれに対して中国は、米国債を買って米国財政に協力していると反論している。
民主党政権に代わり為替政策に対して攻撃が強まると、中国はとうとう「米国債を売ってしまう」と反撃に出ていた。しかしこの武器が有効だったのは、米国FRBが国債購入に踏出すことに躊躇していた時代である。ところが一旦、国債購入を始めれば話は変わる。
現在、米国FRBは6,000億ドル(3,000億ドル+3,000億ドル)の国債購入を決定している。後、1兆ドルほど増額し、中国の保有する国債をそっくり買ってしまうことは簡単なことである。困るのは中国の方である。それにしても「米国債を売ってしまう」と中国に脅されるなんて、米国は情けない国になってしまったものである。
(私のコメント)
経済コラムマガジンに出ている各国の主体別国債保有比率を見てもらえば分かるように、日本は政府保有の国債割合が40%と異常に高いが郵貯や公的年金などの保有が多いからで、海外の割合が4%と異常に少ない。96%が国内で持たれているという事は国内の資金が国内で使われていることである。
フランスや英国は金融機関がもつ割合が大きく、アメリカやドイツは海外の所有割合が多い。特にアメリカは中国などの割合が多いからアメリカ政府は中国に気を使っているのでしょうが、FRBの国債購入枠の拡大で中国が所有する米国債を一気に手放しても大きな混乱は起きないだろう。つまり中国の脅しが効かなくなった。
現在ではG20で決定されたように世界各国が公共投資額を拡大している状況だから、世界各国が国債を発行して持ち合うような形になっている。つまり日本だけが国債を大量発行している状況ではなくなり、アメリカも英国も中央銀行が国債の購入に踏み切る。問題はユーロですが中央銀行による国債の購入は出来ない。
日本もアメリカもほぼゼロ金利であり、超低金利の国債を買うようなところは各国の中央銀行ぐらいしかなくなるのでしょうが、各国が同じ事をすれば相対的に強弱なはくなり中央銀行による国債購入も皆でやれば恐くないと言う事なのだろう。
韓国のような通貨の弱いところは通貨スワップでドルを調達して危機を切り抜けていますが、日本やアメリカが韓国のウォンを貰っても使い道がないわけで、韓国はウォンという紙切れを刷って渡してドルや円を使っている。ドルや円は強い通貨であり、だから金利もゼロ金利でも資金需要は強くて中央銀行が国債を買って紙幣を供給してもまだ足らない。
「株式日記」ではドルの崩壊を書いてきましたが、新興国の受けたダメージの方が大きくてFRBが各国の中央銀行と結んだ通貨スワップで生き延びている。国家破綻も一カ国なら影響も少ないが、新興国が軒並みデフォルトすると大混乱が起きるから日本やアメリカが通貨を供給して破綻を防いでいる。
1997年のアジア経済危機の時は日本が円を供給してアジア通貨基金を作ろうとしたが、アメリカが反対して潰された。だからタイもインドネシアも韓国もIMF入りして過酷なリストラを強いられましたが、今回の危機はアメリカの金融機関が大元なのだからアメリカはドルを供給する義務がある。
当面は中央銀行が国債を購入して通貨を供給して破綻を防がなければなりませんが、いつまでも続けられるものではない。借りた金は返さなければならないが返せるかどうかの不安が出てきた場合に弱いところから経済破綻が起きるのではないだろうか。日本とアメリカはゼロ金利で円キャリーやドルキャリーで貸しているが、日本やアメリカの金利が上がり始めたら新興国は金利の支払いにギブアップするだろう。
今は円キャリーやドルキャリーで資金が供給されて一息ついていますが、二年前に起きたような逆円キャリーや逆ドルキャリーが起きれば韓国をはじめ新興国は破綻する。つまりドル暴落よりも新興国の経済破綻を心配しなければならないのであり、中国にしてもアメリカやEUへの輸出で稼いできましたが、アメリカも中国の為替介入を放置は出来なくなり、元高になれば輸出産業は全滅して新興国の仲間入りだろう。
ロシアもドルを稼いで溜め込んできましたが外資が逃げてしまうと景気は一気に冷え込んでしまった。中国も54兆円の国内景気対策で持ち直すと宣伝していますが、もっぱらインフラ整備に使われて、消費需要に繋がるものではないようだ。車や家電を買うと補助金が付く政策も限られたもので、輸出産業が中心の経済が回復しないと高度成長も元には戻らない。
日本も輸出頼みの経済構造であり、車や家電に補助金をつけても効果は限定的だ。不思議なのはこれだけ国債を発行してもインフレにならないことですが、信用収縮が起きている時は、信用収縮した分を国が埋めなければならない。金融機関が作り出した信用は膨大だからいくら国債を発行してもその穴が埋まらない。日本は1000兆円の国公債を発行してもまだデフレ経済であり、学者の経済理論は外れてばかりいる。
アメリカのFRBが国債の購入に踏み切ったことは景気対策とインフラ整備と中国の牽制に対する一石三鳥の政策であり、日本も国債を日銀が買いとる政策を拡大して続ける必要がある。いつまで続けるかはデフレが収まるまで続ける必要があると思う。