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制度の趣旨をゆがめるだけのエコポイント対象商品の拡大案(KlugView)
2009/04/23 (木) 10:20
一部報道によると、政府は、省エネ家電の購入時にもらえるポイントを次の買い物代金に充てられる「エコポイント制度」で、ポイントを使える対象商品の拡大を検討しているようです。ポイント対象として拡大される商品の候補として、鉄道の乗車カードや電球型蛍光灯のほか、商品券に交換する案もあるそうです。
エコポイント制度とは、政府が検討している追加経済対策の一つです。制度案によると、家電の省エネ効果を「エコポイント」とし、国は、4つ星以上のエアコンと冷蔵庫に価格の5%程度、地上デジタル放送対応テレビには10%程度のポイントを購入者に付与します。購入者は、ポイント対象となる商品の購入代金の一部を付与されたポイントで支払うことができます。
政府が、エコポイントの対象となる商品の拡大を検討している理由として、消費喚起効果をあげているようです。エコポイントに使える商品の対象が限定されてしまうと、エコポイント目当ての購入活動が盛り上がらない可能性が考えられるからです。
ただ、そもそもエコポイントは、その名の通り、エコ(環境)に優しい行動を促すために考えられた制度で、消費という経済活動を促すために考えられたものではありません。
鉄道乗車券は、公共交通機関として自動車に比べ温暖化ガスの削減につながりますし、電球型蛍光灯は、旧式の白熱灯より消費電力が少なくて済みますので、まだ理解できますが、商品券の交換までポイントの対象にしようと検討することは、エコポイントの趣旨に反すると思われます。
こうした経緯を見ていると、エコポイントという政策の決定プロセスは、先日よりスタートした定額給付金と同じといえます。定額給付金は、定額減税の恩恵が及びにくい低所得者層への支援策として考えられました。しかし、議論をするうちに、消費拡大効果が薄くなるということで、対象者を日本に住むほとんどの方に広げた経緯があります。エコポイントも定額給付金も、そもそもの目的を逸脱し、景気刺激策の一つに摩り替えられているわけです
100年に1度の大不況、ということで、政府は、できる限り景気刺激策を増やそうと努力をしているようです。現政権は、景気重視のスタンスを明確にしているので、エコポイントや定額給付金といった一連の経緯は、ごく自然の行為といってもいいのでしょう。ただ、政策は景気だけでなく、環境、社会保障、防衛など多岐にわたるものです。景気重視を貫こうと、他分野のために設けられた制度まで歪めることは、国全体の運営を非効率にし、結果的に景気にも悪影響を及ぼすことを、我々は認識しなければいけないのでしょう。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
エコポイント制度って何?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
政府が検討している追加経済対策の一つ。
家電の省エネ効果を「エコポイント」とし、
4つ星以上のエアコンと冷蔵庫に価格の5%程度、
地上デジタル放送対応テレビには10%程度のポイントが購入者に付与される。
購入者は、ポイント対象となる商品の購入代金の一部を
付与されたポイントで支払うことができる。
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/04/23/005225.php