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IMF融資拡大に投資家は懸念も−条件緩和で新興国の改革遅れる恐れ 4月20日
(ブルームバーグ):
国際通貨基金(IMF)は過去に融資した国々への指導内容がまずかったと強く認識しているため、最近は被支援国に十分な指針を示していない可能性がある。
約64年前の創設以来最悪の金融危機に対応するため、IMFはパキスタンからセルビアに至るまで、各国に550億ドル強の融資を提供。一段の融資拡大に動こうとするなか、IMFはその見返りに経済改革を迫るという通常の手順を踏むことに消極的になっている。改革要請が10年前のアジア支援で逆効果だったためだ。
しかし厳しい融資条件がなければ、借り手が問題を抱えた経済を改革せず、投資家がその国の債券や通貨を敬遠して景気回復がますます遅れる結果につながるというリスクが生じる。ブラウン・ブラザーズ・ハリマンや英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)によれば、最も脆弱(ぜいじゃく)な市場を抱える国々としてラトビアやハンガリーなど東欧諸国が考えられる。
IMFの元西半球局長、クラウディオ・ルーザー氏は「振り子が振れすぎているかもしれない」と語る。「かつてIMFは被支援国に対し、過度の要求を行っているとの強い見方があったが、現在は十分な条件を付けないという逆の方向に行き過ぎてしまった危険性がある」と指摘した。
IMFは3月、被支援国に対して設定する目標を少なくし、銀行システムや税制の刷新といった構造改革を求める比重を減らす方針を発表した。また、昨年10月に導入した融資枠についても条件を緩やかにしたため、ポーランドなどが関心を示している。IMF支援は一部の新興市場に効果をもたらしている。
とはいえ、各国政府が財政政策を改善しなければ、投資家に敬遠され、債券や株式、通貨が売られることになると、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシニア通貨ストラテジスト、ウィン・シン氏(ニューヨーク在勤)は警告する。「世界的な危機が緩和し続けたとしても、経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が最悪の新興国に投資家が大挙して戻ってくることはあり得ない」という。
実際、外貨建てのハンガリー国債に対して投資家が求める利回りは1年前の3倍だ。格付け会社フィッチ・レーティングスは中東欧の半数の国々が格下げに直面する可能性を指摘し、IMFの条件を満たせるかどうかが今後の格付けを左右するとしている。これについて、シン氏はラトビアやハンガリー、ルーマニア国債に関して、格付け会社の見方が甘すぎる可能性を指摘した。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003001&sid=ay9MY091EJNc&refer=commentary