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国内最低の信託報酬で新しいETFを上場させる三菱UFJ投信の狙い(KlugView)
2009/04/17 (金) 15:49
4月17日付の日本経済新聞は、三菱UFJ投信が、5月中旬に上場する東証株価指数(TOPIX)連動型の上場投資信託(ETF)の信託報酬を0.08%とすることを報じています。これまで国内市場に上場されているETFで最も信託報酬が安かったのは、日興アセットマネジメントの「上場インデックスファンドTOPIX」の0.0924%でしたので、三菱UFJ投信のTOPIX連動型ETFは、信託報酬が国内最安のETFといえます。
信託報酬とは、ETFの時価に応じて投資家が運用会社に支払う手数料をさします。投資家とすれば、信託報酬が安ければ安いほど有利といえますので、仮に同じ内容のETFが複数存在するのであれば、信託報酬が最低のETFが、圧倒的な販売シェアを握る可能性が高まります。
日本経済新聞の報道によると、三菱UFJ投信が提供するTOPIX連動型ETFでは、売買単位が10口となるようです。これが事実であれば、三菱UFJ投信が提供するTOPIX連動型ETFの最低取引額は、8,500円程度となりますので、投資額が比較的小さい個人投資家であっても取引が可能になります。
こうした点を考えると、三菱UFJ投信は、TOPIX連動型ETFの分野においてトップシェアを獲得すべく、信託報酬を最低にし、個人投資家をターゲットとする戦略を採用した、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、TOPIX連動型ETFの分野においてトップシェアを狙おうとしているのは間違いないのでしょうが、三菱UFJ投信がターゲットとしている投資家層は、個人投資家ではない気がします。
TOPIX連動型ETFは、すでに三つの運用会社から提供されており、TOPIX連動型ETFに興味がある個人投資家は、すでにいずれかのTOPIX連動型ETFに投資をしている可能性があります。
投資家としては、たとえ信託報酬が低くても、すでに投資をしているETFを売却してまで新たに投資をするとは限りません。取引の手間が多くなるだけでなく、取引回数が増えることで、取引手数料をさらに支払う必要もあるからです。つまり、三菱UFJ投信のTOPIX連動型ETFを選ぶのは、すでにTOPIX連動型ETFを保有している個人投資家ではなく、これからTOPIX連動型ETFを保有しようとする個人投資家となる可能性が高いといえます。
しかし、これからTOPIX連動型ETFに(新たに)投資をしようとする個人投資家を対象にETFを販売することは、三菱UFJ投信にとって、それなりに大変な作業です。マーケティング費用をかけて、ETF未経験の個人投資家層を掘り起こすことも(理論的には)ありえますが、国内最低の信託報酬を持つETFの販売において、マーケティングに多額の費用をかけてしまっては、採算にあいません。
あくまでも推測でしかありませんが、三菱UFJ投信がTOPIX連動型ETFのターゲットとしているのは、個人投資家ではなく政府のように思われます。政府が決定した追加経済対策(経済危機対策)では、政府が全額出資する新たな機関(資本市場危機対応機構)を設置し、ETFを市場から最大50兆円買い取る制度が盛り込まれています。
TOPIXは、東京証券取引所第一部に上場している株式を対象とした株価指数ですので、資本市場危機対応機構がTOPIX連動ETFを買い取れば、(ある程度)公平性を確保しながら日本の株式市場に資金を投じることが可能といえます。
これも推測の域を出ませんが、資本市場危機対応機構がETFを選ぶ際には、信託報酬の低さが重要なポイントになると思われます。信託報酬が低ければ低いほど、より多くの資金を市場に投ずることができるからです。
最大50兆円もの資金を狙うことができるのであれば、三菱UFJ投信としては、信託報酬を若干下げても、十分採算が取れると思われます。少なくとも、ETF投資の経験がない個人投資家層を対象とするよりも、合理性は高いといえます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
ETFの信託報酬って何?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
ETFの時価に応じて投資家が運用会社に支払う手数料のこと
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/04/17/005171.php