★阿修羅♪ > 国家破産62 > 394.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
株価下落へ危険サイン 小型株36%上昇 高まる懸念
2009/4/15
ラッセル2000指数の1カ月間の上昇が過去最高を記録した。類似する米国株の上げ局面がどのように終わりを迎えたかを記憶する投資家にとって、これは危険を警告するシグナルを発するものだ。
構成企業の時価総額(中央値)が3億100万ドル(約300億円)のラッセル2000指数は、時価総額平均が65億ドルのS&P500種株価指数の上昇率を9.8ポイント上回っている。破産法の適用を申請した米半導体メモリーのスパンションの株価が11倍、2006年以降、黒字を計上していないタイヤメーカー、ヘイズ・レメルツ・インターナショナルが7倍にそれぞれ上昇し、指数の上げを牽引(けんいん)した。
≪失速パターン≫
米資産運用会社ビリニー・アソシエーツが過去の記録を調べたところでは、小型株の株価上昇ペースが大型株を大幅に上回り、弱気相場からの脱却を主導する傾向が見られても、結局は両指数ともに上昇分を消して下落している。また、取引増加や値下がり銘柄に対する値上がり銘柄の割合も、過去に相場下落の前兆となった水準に達しており、3月9日以降のS&P500種の27%上昇が、1月に失速した24%の上げと同じ道をたどるのではないかとの懸念が投資家の間で高まっている。
ハリス・プライベート・バンク(運用資産600億ドル)のジャック・エイブリンCIO(最高投資責任者)は「こうした動きは急激過ぎて長続きしない。市場の基本構造は実質的に何も変わっておらず、元に戻るには数年かかるだろう」と述べた。
ビリニーによると、一時的な上昇を持続的な強気相場と誤解するコストは高くつく可能性がある。1928年以降に41回あったいわゆるベアマーケット・ラリー(弱気相場のなかの上昇、10%余り上げた後に上昇分が消滅)では、株価はピークを付けた後、平均25%下落している。
≪ソロス氏も警戒≫
資産家のジョージ・ソロス氏や米資産運用会社ブラックロックのダン・チャンビー氏も、S&P500種の上昇を警戒すべきだと表明している。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のアナリスト、ハワード・シルバーブラット氏(ニューヨーク在勤)によれば、3月9日から4月9日までの上昇は23日間の上げとしては33年以後で最も急激だった。
ビリニーのアナリスト、クリーブ・ルカート氏は、小型株の1カ月の急上昇は無差別的な買いのサインであり、相場下落の前に起こることが多いと指摘した。ブルームバーグのデータによると、ラッセル2000の3月9日以降の36%上昇は、79年の集計開始以降で最大だった。
同氏は「こうした急激な上昇で新しい局面に入ることは例外的だ。ベアマーケット・ラリーは広い範囲に及ぶ。あらゆる銘柄が必ずしも特定の材料がないのに本当に急ピッチで上昇する」と説明。ビリニーによると、持続的な回復局面のこの段階では、平均的に見て小型株はS&P500種と連動している。
S&P500種は先週、1.7%上げ、3月9日以後の上昇率は27%に達した。
ビリニーのデータによると、値上がり銘柄のバランスも株価が下落する可能性を示唆している。いわゆる逆張りの投資家らによると、相場回復が広範囲過ぎることは、投資家が業績や経済成長といったファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に注意を払っていないことを示しているという。(Lynn Thomasson)
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200904150014a.nwc