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http://www.business-i.jp/news/special-page/ronfu/200904140001o.nwc
■日本の空を世界に向かって開け
今、日本がなすべきことは世界に目を凝(こ)らし、金融危機克服後の新しい枠組みにキャッチアップできるよう手を打っておくことである。この瞬間も経済の国際化は進んでいる。しかし、日本にはいまだに多くの領域で「鎖国政策」が残っている。
◆ビジネスジェット専用空港を
たとえば、空。
「ビジット・ジャパン」を掲げながら、空の扉は十分に開かれていない。成田国際空港は都心から遠く、制約も多い。羽田空港の国際化はもとより、ビジネスジェットへの対応やヘリコプターの普及を進めるなど、世界との時間・距離を縮める法制度改革を求めたい。
世界の空には2万機のビジネスジェットが飛び交っている。しかし、成田国際空港や羽田空港の発着枠は欧米の主要空港と比べるとけた違いに少なく、香港やシンガポールの空港より下である。専用空港もない。ニューヨークにはジョン・F・ケネディ(JFK)空港のほか、ティータボロー、モーリスタウン、ウエストチェスターなど、ビジネスジェットが優先的に使用できる空港が複数ある。ロンドンやパリも同様だ。
また、ヘリなら成田と都心は20分程度だが、行政はヘリの運航に後ろ向きであり、なかなか普及しない。時間効率とセキュリティーを重視するビジネス客にとって、日本は巨大で魅力的な市場をもちながら世界で一番遠い国になっている。
「コストをかけても、必要なときに必要なところへ、速く安全に移動したい」というビジネス客のニーズを無視することは国益にも反する。彼らは日本に雇用と投資をもたらす人々だからだ。日本がニーズに応えなければ、快く迎え入れてくれるアジアのライバル都市に飛ぶだろう。
また、アジア諸国との連携や交流を深める上でも「アジア日帰り圏」を実現しなければ、アジアの新たな枠組みから外れてしまう。
◆少子高齢化の日本に活力
私は前回(1月26日付)、「垂直の庭園都市への再生による日本復権」を提言したが、空の規制は都市再生も縛っている。
よい舞台(都市)をつくり、新たなプレーヤーを世界から迎え入れることは、人口減少や少子高齢化が進む日本が活力を維持するために不可欠である。しかし、前述のように空の迎え入れ体制が遅れているばかりか、都心の建築物の高さも航空法で厳しく制限されている。
航空法の制限は多岐に及ぶが、なかでも「円錐(えんすい)表面」による高さ制限が都市に及ぼす影響は多大だ。羽田の円錐表面は、空港を中心に50分の1勾配(こうばい)の「すり鉢状」に広がっており、都心でもこれを超える高さの建物は原則として建てられない。東京がいまだに「平面過密・垂直過疎」から抜け出せない原因のひとつがここにある。ちなみに国際標準はテクノロジーの進歩にあわせて随時見直されており、現在は勾配20分の1に緩和されている。もし仮に20分の1であれば、東京都心部においても、上海のように500メートル級の建物を建てることも不可能ではない。
また、建物屋上のヘリポートも災害時の救助用で民間ヘリの離着陸は許可されず、欧米では認められているヘリの計器飛行も日本は認めていない。
◆大胆な「チェンジ」が必要
こうした時代遅れな空の制約と変革を嫌う縦割り行政が日本と世界の距離を遠ざけ、都市も縛っている。
いずれ、世界の人、モノ、金、知恵、情報はオープンマインドで魅力的な都市に再結集するだろう。そのとき「なぜ、日本を素通りするのか」と嘆いても遅い。
激動の時代は「変わるリスク」より「変わらないリスク」のほうがはるかに大きい。オバマ大統領ではないが、日本こそ大胆な「チェンジ」が必要ではないだろうか。
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【プロフィル】森稔
もり・みのる 東大教育学部卒。1959年森ビル創立と同時に取締役。93年社長に就任。首都大学東京客員教授。経済戦略会議、総合規制改革会議の政府系委員や日本経団連、不動産協会などの理事を歴任。74歳。京都府出身
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コメント
日本では、今だに銀行の貸し渋りがおきているようです。お隣の中国はどうでしょうか。
中国の外貨準備高は、過去最高の196兆円となり、輸出減で頭打ちの景況でも政府主導の景気対策により、三月の銀行融資は、前年同月の7倍以上とすばらしいほどの行動力を見せています。
中国は、基本的には共産圏ですので政府が最後は責任を持つという暗黙の了解があるからかもしれませんが、この行動力には舌を巻きます。
一方日本の金融機関は、中国と同様に最後は政府が面倒をみることがわかりきっているにもかかわらず、中国とは全く正反対という状況です。日本の銀行は、自分の身分のことしか考えていないということでしょう。
日本の国政を担っている官僚は、財務、経済産業省の役人が、今回の経済、金融危機を不退転の覚悟で取り組んでいるようです。
しかし、今回の危機を克服するには、果してエリートともいえる役人の政策で大丈夫なのでしょうか。今回の危機は、ちょっと特殊です。
相場の損は相場で取り戻せとよく聞いたことがあります。今回の危機は、そのような考えで日本経済の回復をしていかないのではないかと思います。
今回の危機で、失った金融資産の棄損は、莫大です。100−200兆円程度のレベルではありません。
よっていかに損額よりも小さい資金でレバレッジをかけられる景気対策をしなければならないのではないでしょうか。つまり、山師のような人材こそ政策を引っ張らなければならない時代ということです。
その点、オバマ大統領というのは、見かけとは違い山師です。オバマ大統領は、まだスタッフがしっかりと形成されていなくても、行動力で前進しています。日本では報道されていませんが、オバマ大統領の外国訪問をみているとあらゆる手段を使えるように動いています。
一方、株価の上昇とともに支持率がアップしている麻生政権ですが、先週の木曜日に景気対策が発表されましたが、日経平均上昇も二日ほどで約370円程度の上昇、しかし、その後120円程の下落となり、信用売りが多い市場にしては、今一迫力がありません。
確かにここ1か月の上昇は、見張るものがありますが、売りをしかけている投資家を震え上がらせるようなインパクトがありません。
株価対策としてもしもの下落の場合に資金を用意していると麻生政権は説明しており、底値7000円を切ることはあまりないかもしれませんが、正直8000円を切ったとしても怒りをしらない国民も一部は暴動をおこすような状況になるかもしれません。
つまりはそのぐらい景況が悪化しているということです。下落が続くと与党自民党政権は退いてくれと多くの国民が与党拒否となる可能性があるのが今後の状況です。
山師のような存在が、民主党小沢党首ともいえます。政策をするにしても度胸がある政策ができるかどうかです。民主党は、政権与党になりたくない議員が、しきりに小沢退陣論を言い始めていますが、小沢党首が退陣したならば、多くの有権者が民主党を見放すでしょう。
不景気の株高ではありますが、マイナス材料の中での少ない好材料による株高でもあり、プラス景況での株高ならばいいのですが、そうではないのですから信用売り投資家を震え脅えさせるような対策が必要ではないでしょうか。
また、日本は技術立国を目指しつつ、このような時期こそ金融立国にならなければならないのではないかと思います。世界の富が日本に集まるようにする政策も必要です。
今日の東京市場は、外国人投資家の大きな売り圧力から始まりましたが、景気対策発表の次の週から二日続けて下落となり、支持率アップで喜んでいる与党政権が、喜んでいられない状況となるかもしれません。
連休前までにいかに信用売りしている投資家を震えさせるような株価の動きをさせないと景気回復はおぼつかないという状況に追い込まれる可能性すらあります。
景気回復をさせたいならば、官僚、経営者の意見を聞くのではなく投資家、投機家の意見を聞き政策を行う方が、今回の危機に一番対応しているのかもしれません。