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米ゴールドマンの第1四半期決算は予想上回る
2009年 04月 14日 12:16 JST
[ニューヨーク 13日 ロイター] 米金融大手ゴールドマン・サックス・グループ(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)が13日発表した2009年第1・四半期(3月27日まで)決算は、市場予想を上回る純利益を計上した。
トレーディングで積極的にリスクをとったことが寄与した。
同社は、普通株の発行により50億ドルを調達し、不良資産救済プログラム(TARP)の下で注入された公的資金を返済する方針も示した。
ただ、08年度の決算と09年第1・四半期決算に含まれていない08年12月は10億3000万ドルの赤字だった。
12月はトレーディング・投資損失が響いたという。同社とモルガン・スタンレーは、今年から会計年度を暦年に変更した。
第1・四半期の従業員報酬として1人当たり平均16万8901万ドルを計上したことも明らかにした。これは昨年度第1・四半期を約35%上回る水準。
議会では金融機関の高額報酬に対する批判が強まっており、今後反発の声があがる可能性がある。
第1・四半期決算は予定を1日前倒しして発表した。アナリストの間では、ゴールドマンが金融危機で最悪の事態を回避できたとの見方が多い。
金融危機の発生した2007年半ば以降、同社の四半期決算が赤字に転落したのは1度だけだ。
09年第1・四半期の普通株主に対する純利益は16億6000万ドル(1株当たり3.39ドル)。08年第1・四半期(2月29日まで)は14億7000万ドル(同3.23ドル)だった。ゴールドマンの会計年度末は今年から、これまでの11月下旬から12月下旬に変更となる。
収入は13%増の94億3000万ドル。
ロイター・エスティメーツによる予想は、1株利益が1.49ドル、収入は70億2709万ドルだった。
米金融機関では、ウェルズ・ファーゴ(WFC.N: 株価, 企業情報, レポート)も第1・四半期の業績に明るい見方を示しており、銀行セクター全体に安定の兆しが出てきたとの見方も一部で出ている。
フィフス・サード・アセット・マネジメントのキース・ワーツ社長は「また1つ金融セクターが最悪期を脱した兆しが出てきた」と述べた。
ゴールドマンの第1・四半期決算は、トレーディング収益が好調だった。債券、通貨、商品のトレーディング収益は65億6000万ドル。
ゴールドマン株は、13日の通常取引終了後、時間外取引で1.8%下落。通常取引は4.7%高の130.15ドルで引けた。ゴールドマンは、株価が簿価を上回っている数少ない金融機関で、同社の簿価は98.82ドル。
同社の株価は、昨年11月の安値から2倍以上に上昇、今年に入って50%以上上昇している。
<08年12月は、損失計上の絶好の機会との見方も>
ただ、明るい面ばかりではない。
ゴールドマンは08年12月に10億3000万ドルの純損失を計上した。
一部のアナリストの間では、同社が損失の大半を12月に計上し、膿を出し切ったうえで1─3月期を迎えたのではないかとの見方が出ている。
サンフォード・バーンスタインのアナリスト、ブラッド・ヒンツ氏は「ゴールドマンとモルガン・スタンレーにとって12月は絶好の機会となった。前年同期との比較もされず、12月の決算に何が入っているのか外部からは全くわからない。CFO(最高財務責任者)が夢見るような絶好の機会だ」と述べた。
ゴールドマンは今年1月、化学大手ライオンデルバセルの子会社向けの融資に関連して、約8億5000万ドルの損失を12月に計上したことを明らかにした。ただ、ライオンデルバセルの子会社が破産法の適用を申請したのは今年1月だ。
ゴールドマンのトレーディングリスクを示す指標とされるバリュー・アット・リスク(VaR)は第1・四半期に1日平均2億4000万ドルとなり、08年2月28日までの3カ月間の1億5700万ドルから大幅上昇した。これはトレーディングを行った日の95%に損失を被る可能性のある最大額を意味する。
政府は金融機関のリスクを抑制しようとしており、VaRの上昇は今後、懸念要因となる可能性がある。金融機関が公的資金による救済を受けたのは、過剰なリスクをとったことが原因との見方が多い。
同社は、普通株の発行などを通じて、政府から受け入れている100億ドルの公的資金を返済する方針も示した。
規制当局が実施しているストレステスト(健全性審査)が終わり、当局の認可が得られれば、公的資金を返済するという。
同社は以前から、公的資金の早期返済を目指す方針を示していた。
米国では2月、公的資金の投入を受けた金融機関の幹部報酬を制限する法律が成立している。
アナリストの間では、すべての銀行が公的資金を返済できる状況になるまで、政府が返済を認めないのではないかとの見方も出ている。資金を返済できない銀行に経営不安のうわさが立つのを防ぐためという。
ゴールドマンは、ウォール街の金融機関のなかでも報酬が高いことで知られる。第1・四半期の報酬水準を維持すれば、従業員の今年の平均年収は67万5000ドルとなる。国勢調査局によると、米国人の平均年収は3万8611ドルだ。
ウォールストリート・ジャーナル紙が複数の関係筋の話として伝えたところによると、ゴールドマンでは、従業員の30人に1人に当たる953人が、昨年100万ドル以上の報酬を得た。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37475320090414