★阿修羅♪ > 国家破産62 > 368.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
ケインズ学説に賭けるFRB議長−70年型高インフレ再来の恐れも
4月13日(ブルームバーグ):
バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、英経済学者ジョン・ケインズ氏を支持する反面、米ノーベル賞受賞者ミルトン・フリードマン氏に背を向け、金融システムに資金を大量に供給している。
FRB史の著作があるカーネギー・メロン大学の政治経済学教授アラン・メルツァー氏は、過去の例からみて、バーナンキ議長の取り組みは涙の結末を迎えると指摘。インフレ率は「1970年代を上回る水準に上昇するだろう」との見通しを示した。70年代末の消費者物価指数(CPI)伸び率は前年比ベースで13.3%に達していた。
25年ぶりの高水準にある失業率と過去最低水準にある設備稼働率がインフレを抑制する、というバーナンキ議長の賭けは、ケインズ氏の学説をそのまま反映したものだ。
これに反して、インフレは常にどの国でもマネー拡大がもたらす金融の現象、というフリードマン氏の学説の正当性が証明されれば、バランスシートを膨らませて金融システムに1兆ドル超の資金を供給したバーナンキ議長の取り組みは、消費者物価の大幅な上昇を招く恐れがある。
一方、これまでのところ投資家と経済指標は、バーナンキ・ケインズ組を支持しているようだ。
4月6日現在、インフレ連動国債(TIPS)を基にした長期インフレ率見通しは2.5%と、過去10年間の平均(2.8%)を下回った。また、4月15日に発表される3月の消費者物価指数(CPI)は、エネルギー価格の大幅な低下により、前年同月比横ばいが見込まれている(ブルームバーグ・ニュース集計のエコノミスト予想による)。2月も同0.2%上昇にとどまった。
強まるインフレ見通し
それでも長期インフレ率見通し(2.5%)は、昨年末時点の2.1%を上回っている。バーナンキ議長の取り組みが高インフレの再来につながるとみているのは、メルツァー氏だけではない。
ヘッジファンド、アーマード・ウルフの最高投資責任者(CIO)ジョン・ブリンジョルフソン氏は6日、FRBの資金供給の取り組みはまだ始まったばかりだと指摘。野球をたとえ話に「少なくとも今後9回はリフレーション(通貨膨張)が続く。最終的には恐らく2けたのインフレが待っているだろう」との見通しを示した。ブルームバーグテレビジョンのインタビューに答えた。
投資家もTIPSを買って物価上昇リスクに備え始めている。メリルリンチの指数データによると、TIPSは3月の投資リターンが 6.1%と、1997年の導入以降の最高を記録した。
原題:Bernanke Bet on Keynes Has Meltzer Seeing 1970s-Style Inflation
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003001&sid=a9LNnTcvBTM4&refer=commentary