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長期金利の上昇は目先の懸念材料か?(KlugView)
2009/04/10 (金) 16:17
4月10日の債券市場では、 長期金利の指標となる新発10年債の利回りが、一時、1.490%と取引時間中では約5カ月ぶりの高水準になりました。米国でも、前日(4月9日)の10年債利回りは、2.919%と、米連邦準備理事会(FRB)が30兆円規模の国債買い取りを決める直前の水準(約3%)に近づいています。
長期金利が上昇しているのは、日本、米国だけでなく、英国、ドイツといった欧州でも同様で、世界的に長期金利は上昇傾向にあります。これは、世界各国の政府が、経済対策を実施するために、大量の国債を発行することが確実視されているためです。
長期金利の上昇に対し、警戒感を強める声も出始めているようです。長期金利が上昇すれば、企業の借り入れコストや住宅ローン金利が上昇し、企業の設備投資や個人消費が停滞する可能性が高まると考えられるからです。
日本では、政府が、追加経済対策の具体化を急いでおり、追加経済対策のために追加で発行される国債の総額は16兆円程度となるようです。すでに今年度予算(一般会計)で、新規国債を33.3兆円を発行することが決まっていますので、追加経済対策の分も含めれば、今年度は約50兆円もの国債が新たに発行されることになります。
今年度予算では、法人税や消費税の総額である税収が46.1兆円と見通されています。法人税収は、景気低迷によって見通しを下回る可能性もありますので、おそらく今年度の一般会計予算では、国債発行額が、税収を上回ることになるのでしょう。
税収を上回るほど国債が発行されてしまうと、長期金利が大きく上昇すると考える方もいらっしゃるかと思います。ただ、日本の場合、個人投資家の金利選好度が高いこともあり、50兆円ほどであれば、長期金利が大きく上昇する前に消化されるように思われます。
幸いなことに、今のところ、長期金利の水準は、上昇傾向にあるものの、その水準はさほど高くありません。日本の場合、10年債利回りが2%を超える水準まで上昇しないのであれば、長期金利の上昇が景気にとって致命傷になることはないと思われます。
もちろん、国債発行が、来年度以降も巨額になれば、いずれ消化が難しくなり、長期金利が景気を下押しする水準まで上昇してしまう可能性はあります。
目先について国債の大量発行を、過度に悲観視する必要は当面ないと思えますが、将来のインフレ、財政不安を高める要因になることになるでしょう。国債発行や長期金利上昇の影響を考える際には、短期と長期の違いも念頭に入れておいたほうがいいように思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
日本の一般会計予算で決まっている
新規国債発行額はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
33.3兆円
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/04/10/005104.php