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世界の英知が向かわねばならない方向
残念ながらG20は予想どおりお粗末な結果となった。これは現在主流の経済学がこのような資産崩壊による市場の縮小に対してなんら考察していないことが大きな原因だ。
大規模な財政出動と、低金利政策は、生産者側を刺激し生産物をより多く作らせるものとなる。しかしこの政策により大量に作られた生産物はだれが買うのであろうか、そしてどこに売るのであろうか。
国内は資産の大暴落によりハートランドから大量に資金が流出し消費が大幅に減退している。また外国の多くの国が同じように資産デフレに見舞われており、旺盛な需要が見込まれる国は存在しない。
そのため大量の生産物が国内に閉じ込められ、激しい競争から低価格化、過剰サービスを余儀無くされ、結局経済が縮小することになる。
このような購入者のいない生産増は、所得を増やさず逆に消費をさらに減退させることになる。
デフレにおける生産増はよりデフレを進行させ、財政出動の資金が借金となり返すことができなくなる。
(http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/デフレと資金逓減の法則参照)
このことから明らかなように、財政出動と低金利政策は、消費が生産能力に比べ大幅に減少したデフレにおいて、政策的に破綻していることが分かろう。
取ってはいけない政策なのである。
G20は、早手回しに保護主義を取らないことを約束しているが、最初から政策的破綻を予想しているのである。
資産デフレ解消の基本的考え
現在進行中である世界の大規模な金融資産、土地資産の価格崩壊(資産デフレ)に対する基本的な対応の仕方は、国民所得を形成するハートランドから流出する資金をできるだけ少なくし、消費に回る資金をより多く確保することにある。それによりハートランドの縮小をできるだけ回避し、市場の循環的縮小を避けねばならない。その間に資産価格の反転を待つのである。
それ故財政出動は、消費増やす方面に投資をしなければならない。
ハートランド外で起こった資産崩壊は、ハートランドから大量の資金を持ち出して行く。
地価の崩壊や、株式債券市場の暴落は、大借金を形成する。その返済のためハートランドから資金が流出するのである。本来なら貯蓄に回るものがすべて資金として流出する。
それ故ハートランド内では、消費が極端に落ちることになる。それが生産量に対して大きく資金量が減少した市場を形成する。このような市場が支配する経済がデフレなのである。
これに対する政策は、ハートランド外の対応とハートランド内の対応に分けて行われなければならない。
これを一緒くたにすることにより混乱が生じ返ってデフレを促進する政策を取ってしまうのである。。
先ずケインズの経済原理は通用しないことを銘記しなければならない。ケインズは、正常な経済を分析しているのであり、デフレギャップやインフレギャップも物々交換になってしまっている。所得線が45度以下に下がった貨幣価値の変わった経済を分析していない。全体の借金が貯蓄を上回っている経済では乗数理論は適応できない。
(http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/ケインズの致命的欠陥参照)
さらに市場原理主義は正常な経済におけるハートランドのみに通用するものであり、デフレやバブルインフレには通用しない。自由放任主義はかえって経済を悪化させる。
(http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/アダムスミスの致命的欠陥参照)
またハートランド外の現象である金融資産、土地価格の崩壊には市場原理主義で対応することは愚かなことである。金融資産、土地資産はハートランド外にあるものである。
ハートランド外の対応は、公的資金の銀行へ導入、社債や株式で運用している保険会社などを先ず簡単に崩壊させないことが重要である。これは、銀行などの倒産により、取り付け騒ぎが起こると確実に一般会社の売上が3割5割と落ち込み、ハートランドの経済が大幅に悪化するからである。これを止めるために公的資金の投入は必要である。
同時にしなければならないことは、市場の規模が縮小しないように常に市場の維持回復を図ること。
資産や株式の大暴落により巨額の損失が発生するため、それの返済のためハートランドより資金が借金返しのため大量に流出する。
この流出分を、ハートランドから毎年あるいは毎日の活動から返していかなければならない。
ハートランドが縮小すると返すことが困難になっていくからである。
そのためにハートランド縮小させないような方策が必要である。
この時ハートランドを維持するためには、消費を常に確保してやることが大事な政策である。それが市場を縮小再生産をくい止るのである。それが功を奏すれば、資産の崩壊を一定のところで止めることができる。
資産デフレをできるだけ軽微に止めるために、ハートランドを活性化し維持する必要がある。そのために資金を消費者側に注入する必要がある。これが大事なことであり、デフレ脱出のカギである。
所得線が45度以下になっていることは、貯蓄がないことを意味し乗数理論が働かない経済である。それは生産量を増やしても、貯蓄から取り崩される資金がないため消費が増えず、生産量の増加の割に所得が増加しないことを意味している。
さらにこのことは、デフレでは、生産曲線は右下がりになることで表すことができる。
そして生産量の増大に伴い個人個人の所得が下がっていくため、個人にかかる負担が同じであれば、消費量が減じることになる。それが縮小再生産を繰り返す理由である。その結果市場から資金がどんどん流出することになる。デフレでは資金逓減の法則が成り立つ所以である。
このように放っておけばデフレは自然に経済を縮小させていく。所得線の角度が45度からどんどん下降していくのである。
日本は残念ながら、資産崩壊を政策で止められず、またそれが終わってから所得デフレを招いている。およそ30年ぐらい前の経済水準に戻ってしまっている。
世界はこの馬鹿げた日本の経済政策を反面教師とし正しい政策を取らなければならない。
世界の英知が向かうべき方向。
生産量の増大はデフレを促進させる。
ハートランド回復のため消費を維持する方法。
1、金利政策は、預金金利を高く維持し、消費をできるだけ維持し、貸し出し金利を低くする必要がある。財政出動はこの貸し出し金利を低くする部分に集中するべきである。
消費は広範囲に及ぶ。そのためこの部分を削ることはハートランドの縮小に大きな影響を及ぼす。生産者の資金に対して高金利分を割り引くような財政出動が良い。預金金利は比較的高く維持し、貸し出し金利は低利で優遇するべきである。
今の金利政策のような、低金利で過剰融資をする体制では、預金金利が損なわれ肝心の消費が増えない要因になるからである。日本はバブル崩壊後20年来低金利政策を取ってきたが、一向に景気が回復しないのは、低金利では、生産の刺激になっても、消費の刺激にならないからである。
デフレにおける低金利政策は、政策的破綻を内蔵するものである。
2、金利政策は一国で成されるものでなく連携して上げなければうまくいかないものだ。効果のないG20や金融会合を何度も開くより、高金利政策を各国が採用する方が賢明である。
3、財政出動は、雇用確保に絞るべきである。企業への補助金は名前は何であれするべきではない。なぜなら今の現状は消費が不足していてお金が無くて買えないのであり、需要がなくなった訳ではないからである。
それ故生産量を高める、刺激する政策をする必要がない。現在の景気の縮小は消費不足から来るもので、生産者に欠点があった分けではない。そのため生産者を優遇しても無駄である。
ニューディール政策、長期中期の景気対策など掛け声は良いがいずれも生産量を刺激するものであり、公共投資を促すものである。所得が増えるより生産物が市場にあふれ返ることになろう。世界全体の不景気にどこの国が買うのであろうか。
しかもバイアメリカン(BUY american)では、辻褄が合わない。
3、消費振興政策を集中的に取ること。
消費税の減税、所得税の減税、ガソリン税の減税。特に売上にかかる消費税のような税金は、デフレにおいて低減させることが特効薬になる。
また税金の物納を広範囲に認め、資金の流出を避ける。個人向けの国債の発行を無闇にしない。
このような個人にかかる負担を少なくするような政策が消費を拡大維持する秘訣である。
4、牽引車となる国を先ず作れ。
これから先、欧米は、上記のような政策を取り、うまくいったとしても、資産の崩壊が終わり底堅くなるまで早くても3、4年はかかるであろう。
しかし先進国唯一の資産デフレが既に終わっている国がある。そのためその国はハートランドの政策にのみ経済政策を集中させればよいだけだ。そうすれば最も早くデフレから脱出でき世界の牽引車になるであろう。
それは日本であり、日本に対して、消費税を下げさせたり、ガソリン税を下げさせ消費を上昇させる政策を取らせるべきである。彼らの旺盛な生産能力はすぐに経済を回復させ、世界の機関車役を果たすに十分な大きさを持っている。
そしてその株式市場は世界を支えることができる規模を持っているからである。
でなければ各国の債権株式市場は維持できないであろう。また余った生産物を消化することはできないであろう。
取ってはいけない政策。
1、生産量の増大、しかしてデフレでは生産量の増加は所得の増加に結び付かない。これは日本の惨状をよく分析すればごく普通に分かるだろう。特に2千2年2月から2千7年10月の5年にわたる実質GDPの増加は、個人所得を減少させたことから、明らかである。
2、市場原理主義は、デフレでは無意味であり返って経済を悪化させるものである。アダムスミスの見えざる手は、デフレ経済では悪魔の手に過ぎない。それ故市場の自由に任せてはならない。
3、ハートランド内の政策とハートランド外の政策を区別して行う必要がある。
今までの経済政策はこれをごちゃまぜにしているため、政策効果を上げていないのでである。
一言主http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
デフレ・インフレの一般理論参照
追記:よくも悪くも日本は先頭を走る走者である、そして麻生、与謝野線の先頭走者は、悪しき方向をためらう事なく走り始めた。世界を率先して崩壊に導いている。オバマ、ガイトナーラインは第2集団を形成し日本に肉迫しつつある。
先頭走者の方角を一刻も早く変えねばならない。sikasi,asounomukasinoyumeyomouitidoya,yosanonozaiseijyuusidehamurida.sugunisenntouwokaeruhituyougaaru.