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資金繰りを心配しなくて良い恵まれた日本経済(KlugView)
2009/03/28 (土) 08:00
3月25日、英国政府が実施した40年もの国債入札で、17億5000ポンドを予定していたにもかかわらず、応札は16億3000ポンドと、予定額を下回る「札割れ」が起きました。英国で札割れが起きたのは、2002年以来、7年ぶりのことです。
英国で7年ぶりの札割れが発生した背景には、国債発行の拡大による英国政府の財政悪化懸念があります。英国のブラウン首相は、悪化する景気と金融機関の不良債権処理のために、景気対策を大型化する意向を示しています。英国では景気悪化で税収が落ち込んでいるため、景気対策の財源は、当然、国債の発行に頼ることになります。
英国は、米国と同じ経常赤字国です。
一般に経常赤字の国は、赤字の資金繰りをつける(ファイナンスをする)ために、海外から資金を調達する必要があります。米国の場合、世界最大の経済大国であるという点や、潜在成長率が先進国の中では比較的高いこともあり、今のところ海外からの資金繰りに大きく苦しむことはありません。一方、英国の場合、経済規模も小さく、高い成長率も期待できないことから、資金を呼び込むことも難しくなります。
ただ、いくら難しいとはいえ、海外から資金を調達できなければ、英国全体での資金繰りが行き詰まり、経済が大きく混乱することになります。
英国政府としては、景気対策が必要と分かりながらも、投資家の理解を得るべく、できるだけ国債発行額を小さくし、英国の資金繰りが楽になるようにする必要があります。ブラウン首相が景気対策の必要性を主張するにもかかわらず、英国のダーリング財務相や、英国の中央銀行であるイングランド銀行のキング総裁が、財政支出に対して否定的な発言をしているも、こうした事情があるためです。
日本では、本日(3月27日)、来年度予算と税制改正関連法などの関連4法が成立しました。いずれも参院本会議で野党の反対多数で否決されましたが、衆院本会議で、まず予算が憲法の衆院優越規定で成立し、関連4法も与党の3分の2以上の賛成による再可決で成立しました。今後、政府・与党は、来年度補正予算案の編成も含めた追加経済対策のとりまとめを進める見込みです。
来年度予算では、新規国債発行額が33兆2940億円と、当初予算としては4年ぶりに30兆円の大台を突破しています。来年度は補正予算で追加経済対策も実施される見通しですので、もしかしたら国債発行額は40兆円を目指す動きになるかもしれません。
日本の財政悪化については、長年、問題視されてきましたが、現政権は、まずは景気、ということで国債発行額の拡大に対して前向きです。
ただ日本は、英国と違い経常黒字国なので、海外から資金を調達しなくても(理論的には)財政赤字を全てファイナンスすることができます。景気が悪化している点では、英国も日本も同じですが、資金調達を心配しながら景気対策を考えなければいけない英国に比べ、日本は比較的恵まれていると考えてもよいのかもしれません。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
札割れとは何?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
国債などの入札において応札額が入札予定額を下回ること
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/03/28/004973.php