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小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記:米国 バッドバンク 市場急騰
金融市場にとっては、短期には、surprisingly good news. しかし、米国については、終わりの始まりだ。
バッドバンクとは、金融機関などから、不良資産を買い取って、きれいにしてあげるということだが、こでまでは実現まで、困難を極めそうだ、ということで悲観論が台頭していた。
これまで困難と思われたポイントの2つをクリアしたことで、マーケットは、狂喜乱舞。1つめは、買い取り価格が決まったこと。不良資産買取は、複数のファンドを作り、ここが競争入札。だから、価格は公正に決まる、ということ。2つめは、予算制約だが、議会の承認が必要なカネは、わずか14分の1、民間資金も14分の1、残り、7分の6、つまり、ほとんどは、FDICにカネを出させる。そして、今後、買い取った資産を売却して損失が出た場合は、同様に、ほとんど、中央銀行および政府がかぶる、ということだ。
そりゃ、民間金融機関は狂喜乱舞するわな。
官民合同のファンドということは、要は人員は、民間で、これまでバブル投資をしていた人々。その人たちの競争入札で価格が決まり、しかも、その負担はほとんどしなくて良いのだから、売り手の金融機関の意向どおりの値段で入札するに決まっている。だから、価格はつりあがり、金融機関は、大儲け。そして、付けは将来の税金負担、インフレへとなる。
したがって、長期には、インフレリスク、政府破綻リスクが高まった。さらに、悪いシナリオとしては、金融危機がここでとまらず、さらに深化し、これらの買い取った資産がほとんど含み損になったときに、さらに、市場へ政府が資金供給しなければならないシナリオとなったときには、米国中どこにも、打ち出の小槌はなくなっており、本当の破綻がやってくる。
ここで、危機を完全に止める、という気合の案だが、単なるギャンブルであり、そのギャンブルに負けると思う。
なぜなら、実体経済の危機の深化は、これではとまらず、実体の悪化が、今度は金融セクターに長期にわたってダメージを与え続けるからだ。金融危機を今止めても、必ず、もう一度やってくる。つまり、負けだ。
これは、実は日本のレッスンでもあり、不良資産が膨らんだのは、処理が遅れたからと思われているが、それは半分で、残り半分は、実体経済の悪化により、本当に健全と思われた資産が不良化していったことによるのだ。
ここで、金融機能を回復させれば、実体の悪化がとまると思っている人々が何とかしようとしているが、そうはいかない。実体が悪くなっている以上、金融が回復しても、悪化のスピードは弱まるが、回復するわけではなく、誰も投資、消費を増やさないから、実体の悪化はとまらない。
そこで、財政出動で回復させる、という考え方だが、民間の埋め合わせでは、永遠に政府が埋め合わせを続けなければならず、100兆円のデフレギャップが3年続けば、300兆円だ。今年で回復するとはまったく決まっていないからだ。
そこで、中国などに世界を牽引させて、それに便乗して浮上する、ということ、つまり、神風ならぬ中国風頼みだが、それで救うには、米国経済は大きすぎるし、中国の回復の恩恵を受けるのは、むしろ、新興国同士と思われる。米国はスキップされるだろう。
http://blog.livedoor.jp/sobata2005/archives/51224129.html