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株式日記と経済展望
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu188.htm
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今後100年ぐらいはアメリカ様におかれては、他国の非関税障壁とか
不公正な貿易慣行とか補助金がどうのとか一切口にされることはない。
2009年3月22日 日曜日
◆AIG賞与 「税率90%」適用 米下院 支援受けた大手行も 3月21日 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090321-00000068-san-bus_all
【ワシントン=渡辺浩生】公的管理下で経営再建中の米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が社員に支給した高額賞与をめぐり、米下院は19日、90%という異例の高税率を適用する法案を可決した。強い批判を浴びている高額ボーナスの大半を国庫に取り戻すことを目指しており、公的支援を受けた他の大手金融機関も対象としている。上院も同様の法案を準備しており、上下両院は早期成立を図る構えだ。
法案は賛成328票(民主243、共和85)、反対は93票(民主6、共和87)で可決された。オバマ大統領が16日に「あらゆる法的手段を使って支給を阻止する」と強い姿勢を表明してからわずか3日後のスピード可決となった。
課税の対象となるのは50億ドル(約4900億円)以上の公的支援を受けた企業で、世帯年収が25万ドル(約2450万円)以上の従業員が1月以降に支給された賞与。適用されれば約1700億ドルの公的支援を受けたAIGだけでなく、シティグループやバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックスなど他の大手金融機関のほか、連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)など政府系住宅金融2社も対象となる。
オバマ大統領はこの日、声明で「今日の採決は、AIGが納税者のお金で支給したボーナスに対する大勢の怒りを反映している」と指摘し、最終法案がホワイトハウスに届くことに期待を示した。上院では、より幅広い企業を対象に70%の税率を賞与に課す案が検討されている。
ただ、財務省には金融機関が今後の公的資本注入をためらうなど、金融システムの安定化に与える悪影響を懸念する声もあがっている。財務省が検討中の官民合同の不良資産買い取りの枠組みには、ヘッジファンドなど民間投資家の参加が不可欠だが、高額ボーナスに対する厳しい世論を恐れて参加を見送る可能性も指摘されている。
また、パタキ元ニューヨーク州知事は、米紙ウォールストリート・ジャーナルに対し、「もし法案が成立すれば、ニューヨークが金融センターとしての地位を失う可能性すらある」と語っている。
◆AIG救済 3月5日 厭債害債
http://ensaigaisai.at.webry.info/200903/article_3.html
バーナンキFED議長ではないですが、確かにこの金融危機のエピソードの中でももっとも腹立たしい出来事の一つでしょう。ワタクシにとっては仕事上もさまざまな理由はあるのですが、それはおいておいても、きわめて中途半端な形で米国政府がお金を出し続けさせられ、あのかつて山の上にAAAの旗を立てるコマーシャルを日本のテレビで流し続けて同業他社を馬鹿にし続けたALICOがそれを撤回することも無いまま、のうのうと「国営」化してビジネスを継続するというのですから。まさに「ゾンビ」。
昨日ブルンバーグを見ていたら、さらに腹立たしい話が。それは30年以上もトップとして君臨して不正会計疑惑で辞めさせられたグリーンバーグ氏がAIGに対して訴訟を起こしているらしい。しかもその理由が振るっていて、自分が退職金としてもらった株の価値が大きく値下がりしたため損をしたのは、もともと退職金としてもらう株の評価を高くしすぎたからであり、そのために時価の下落部分を失った上、税金上も相当余計に払わされることになった。その損失部分を支払え、というものでした。
今日の日経新聞にも出ていましたが、AIGの計上した巨額損失は90年代からの利益の総額を軽く超えています。つまりグリーンバーグ氏の在職期間に稼いだものの多くが消えてしまったうえに、米国経済のみならず世界経済に大きな負担をかけている。しかし、過去30年以上君臨してきたのですから、AIG=グリーンバーグであり、この会社の行動様式は彼のビジネススタイルないし経営そのものといっても過言ではないし、昨年の損失も別に昨年突然違うことをやって大損したのではなく、少ない引き当てで過剰な利益を狙いにいくというスタイルの延長上にあっただけである。そしてそのスタイルはまさにグリーンバーグ氏が培ってきたものではなかったのか?という疑問があります。
その中で出た会計疑惑は、まさに彼の経営スタイルが限界に達していたことの一つの表れだったのでしょう。そしてその結果の辞任でもらった退職金。在職中の報酬の10年分以上返還してちょうどいいぐらいだと思うワタクシの考えとのギャップはこの段階でかなり大きいのですが(まあ制度上払わないというのは無理なんでしょうけれど)、その退職金にかかる税金やら価格下落やらまでけちをつけるとはいったいどういう根性の持ち主なのか?それも会社が政府から救済されているさなかにアメリカ国民だって神経を逆なでされるのではないでしょうか?
最近の海外ブログの論調をみても極めて厳しいものがあります。Naked Capitalismさんのところでは、これまで穏健な表現だったブログでも最近グリーンバーグ氏個人に対する過激な論調(「資産全部没収だぁ〜」とか)が目立つという話が出ています。(びっくりしたのですが、このブログは最近ブルンバーグにも配信しているようですね)。
すでにAIGへの支援額は1500億ドル規模となっており、アメリカの人口を3億人とすれば、赤ん坊から老人まで一人当たり500ドルすなわち約5万円がAIGに支払われることになります。今回さらに300億ドルの追加支援。ニュースからの引用ですが、独立系調査会社グラディエント・アナリティックスのアナリスト、ドン・ビックレー氏は、政府によるAIG救済の規模が最終的に2500億ドルに達し、そのほとんどが返済されない可能性があるとの見方を示しているとのこと(ロイター)。グリーンバーグ氏自身によれば、彼自身、今回の金融危機で20億ドル以上損失をこうむっているとのことですが、このさなかにこういう訴訟のニュースが表ざたになるということは、国上げて彼を血祭りに上げようという機運が高まってきているということでしょうね。一人の独裁者の末路としてはまあよくある話ではありますが。
ただ、問題はもっと大きなところにありそうです。それは、AIAとかALICOとか「主として海外で事業を展開している」保険会社を米国政府がコントロールしてしまったこと。せっかく簡保とか民営化しそうだと思ったら、今度はアメリカ国営保険ですか?という猛烈な脱力感にさいなまれそうですね。今回のスキームではALICOなどの株をFRBが作る別の特別目的会社に移しそのSPCにFEDが最大260億ドル程度を優先株で資本提供する。その代わりFRBが9月の段階で用意したリボルビング信用枠600億ドルを優先株に見合うだけ削減する。ですから、ALICOなどに事実上米国政府の資本が入るわけで、事実上の国有化というのは決して誇張ではないでしょう。しかも、ファイナンスコストは救済のたびに引き下げられ、当初の懲罰的コストはどこへやら、今度はLIBORフラットだというではありませんか?
日本では保険会社が破綻したら大和生命のような運命が待っているだけで、政府は救済してくれません。今回確かにALICOの問題ではないとはいえ、AIGの裏づけの無いALICOの信用力はどの程度のものでしょうか?このような個別保険会社に対しての政府支援が米国法域内でおこなわれるならそれは各国マターなんですが、日本で営業している会社に事実上の支援をつけて営業を継続させるというのはいかがなものなんでしょうかね?スジとしては、保険契約者の保護を各国の政府と協議した上で、各国のオペレーションを現地の企業に投売り譲渡するべきなんじゃないかと思いますけれど。(決してポジショントークではありません)。まあ今回の出来事の結果として、今後100年ぐらいはアメリカ様におかれては、他国の非関税障壁とか不公正な貿易慣行とか補助金がどうのとか一切口にされることはないと信じておりますが。
(私のコメント)
アメリカ人のダブルスタンダード振りにはいまさら驚く事もないのですが、アメリカには自己責任という原理原則は他人には押し付けるが自分には都合よく適用しない。会社が倒産しようとすれば国が助けてくれるのだから、まさに社会主義国家でありアメリカ社会主義人民共和国だ。91年にソ連の共産主義が破綻したようにアメリカの資本主義もすでに破綻している。
会社が誰のものかという問題がありましたが、株主のものと言う原理原則があるのならば、破綻したAIGやシティやその他の多くの金融機関は倒産させなければならない。しかし倒産させれば社会に大きな影響を及ぼすから公的資金を入れて救済しているのだ。つまり会社は株主だけが責任を負えば済むという時代ではないのですが、アメリカでは会社は株主のものと言う事がまかり通ってきた。
つまリアメリカの資本主義は前近代的なものであり、ベンチャー企業などには当て嵌まるが、巨大企業は社会インフラとなっており、経営破綻しても潰せない企業は公的資金で救済されなければならない。つまりAIGもシティも社会インフラの一部になっており、社会に対して責任を負っている。つまりすでに自己責任において利益が出ていれば利益を独占したり、経営破綻すれば潰れればいいといった資本主義は時代遅れなのだ。
日本は世界で最も成功した社会主義国家とも言われるくらい、ほぼ全員が中産階級意識を持つまでになりました。しかし小泉構造改革でアメリカ的市場主義や新自由主義が取り入れられて、弱肉強食と自己責任で所得の格差が広がり貧困層と富裕層の格差が広がった。日本には「派遣」と言った住む家も無い若年労働者が出るようになり、社会問題になってしまった。
アメリカ人は91年のソ連崩壊で共産主義は敗北してアメリカの資本主義が勝利したと錯覚してしまって、次は日本的な社会主義を敵として捉えるようになり、日米構造協議においてアメリカンスタンダードをグローバルスタンダードと言い換えて押し付けてきた。しかしそのアメリカが金融崩壊の危機に瀕しているのだから、アメリカ的資本主義も崩壊してしまったのだ。
オバマ大統領はアメリカの破産管財人であり、初代のアメリカ社会主義人民共和国の大統領になるだろう。社会主義というのは資本主義が限界に達してしまった後に誕生するものであり、ソ連や中国の社会主義はニセモノであり、ヨーロッパや日本で行われている社会民主主義こそが一番進んだ国家体制である。
その点を日本の経済学者や政治家達は認識すべきだったのですが、発展途上国のアメリカが先進国の日本に対して日米構造協議を持ち出して押し付けるのは間違いである事が、今回のアメリカ発の金融恐慌で分かったことだろう。昨日も日下公人氏が「日本はきっぱりと意見を言えばいい」と書いていましたが、日本は社会主義国家としてアメリカよりも先進国なのであり、日本こそアメリカに対して先進国として忠告してあげるべきなのだ。
90年代から00年代は日本的な社会民主主義とアメリカ的な資本主義の理念闘争の時代であった。日本は90年からのバブル崩壊で停滞の時代を向かえ、アメリカはIT革命や金融革命をスローガンとして世界から投資資金を集めてアメリカ単独覇権の時代が来たとまで言われた。しかしアメリカの資本主義は暴走してあっけなく崩壊の危機を迎えている。はたして小泉竹中構造改革は正しかったのだろうか?
◆「構造改革」の意味変容 (2) − 日米構造協議から現在まで 2005年9月2日 世に倦む日々
http://critic.exblog.jp/3402597/
日本は特殊で歪曲しているという観念、日本を米国の標準に合わせて矯正し改造なければならないという思想を日本人に内面化することである。貿易赤字の削減については二十年間で目立った成果は上がらなかったが、日本人の内面の改造は完全に成功して、日本人は米国を唯一標準の絶対神と崇めるようになり、政治も軍事も金融も産業も全て米国に従属することとなった。牛肉・オレンジの自由化の頃はまだ可愛いものだったが、いつの間にか長銀を10億円でリップルウッドに叩き売って当然という異常な事態となり、遂には郵貯簡保の金融資産を売り渡すところまで発展した。米国による対日構造協議政策というのは、実質的には日本経済を米国の植民地に変える植民地化政策そのものだったと言ってよいだろうが、それを日本が受け入れたのは、単に貿易黒字が嵩んで米国との関係を悪化させたくないという動機が働いただけでなく、それ以外にも幾つかの社会心理的要素があった。新自由主義のイデオロギーと米国化の政策が日本人に受け入れられた思想的背景には二つの重大な歴史的事実がある。一つは日本のバブル崩壊であり、もう一つは冷戦の終結である。
その二つは日本人の中で重なった表象として反省的に観念されている。つまり、日本の経済が破綻したのは、その経済運営が社会主義的な原理に基づく官僚主導のものであったからであるという認識である。バブル崩壊とその後の経済不況をソ連社会主義の崩壊に投影して観念しているのである。社会主義でやってきたからソ連も日本も失敗した。官僚主導の平等志向経済だから失敗した。市場原理が弱かったから失敗した。そういう認識だ。そして新自由主義で経済を復活させ、超大国として世界を制圧支配している米国の現実がある。日本人が小泉首相の浅薄な改革パフォーマンスに喚声を上げる現象の土台には、こういう大きな現代史とその思想的背景がある。四十年前も構造改革はバラ色の未来を提示するプラスシンボルの言葉だった。プラスシンボルのまま、中身が変わっても言葉が流通され受容されているのである。現在の構造改革の政策推進の前衛に立っているのは竹中平蔵と慶応経済フリーメーソンだが、観念操作を巧妙にやっているのは実は東大出の官僚(アドミニ)たちである。学生の頃は構造改革論に傾倒し、役所に入ってからはケインズで仕事してきた連中だ。
彼らが今、ケインズ主義から新自由主義に転向しつつあり、その転向を「構造改革」の言葉で自己欺瞞して自己正当化しているのである。自分が若い頃から作ってきた福祉制度を今度は破壊し始めたのだが、「構造改革」の言葉はそれを許してくれるのだ。現在の「小泉改革」への国民の狂信的な支持の裏側には、国の予算を私物化して貪り食ってきた官僚に対する国民の憎悪の意識がある。官僚への敵意こそがこの選挙での小泉人気の実体だ。だからこそ小泉首相は、その国民の官僚への憎悪と敵意を煽るべく、わざと乱暴で強引な態度をテレビで示威し、支持を糾合しているのである。破壊者として革命者として自己を演出しているのだ。官僚機構を破壊するリーダー像を粗暴な素振りで示して演出しているのであり、これは電通が指導したものだろう。大衆が没落しかかってデスペレートになっている今は、むしろ狂暴なイメージの方が受けるという計算があるのだ。そしてそれは正解だ。日本の大衆のフラストレーションは破裂寸前のところにきている。その憎悪は国民の税金を私物化して遊び呆けてきた官僚貴族たちに向けられ、そして社会主義という悪魔の言葉に集約されている。
新自由主義の過激な暴力主義と破壊主義がウケているのである。それが荒んだ内面によく響くのだ。格差社会とは弱い者いじめをする社会である。日常的に国民の誰もが自分より弱い立場の人間を苛める社会だから、総理大臣も弱い者いじめを平然とするリーダーシップでなくてはいけない。実際には新自由主義と官僚とは癒着している。官僚機構には手を出さない。が、自分の保身しか見えなくなった官僚は、新自由主義の言うがままに米資に日本の資産を売り、防衛費で法外な値段の米国製武器を買う。権力を握った新自由主義は日本を米国に変え、日本を壮絶な格差社会大国に変えきって満足を見る。原理主義者のカタルシスを得る。国民の官僚への憎悪には理がある。日本の官僚の腐敗と堕落には本当に呆れる。中央官庁の役人だけではない。朝日新聞の記者もそうだし、国立大学の教官もそうである。仕事をまともにしていない。朝日新聞のコラムは半分が自分の趣味の自慢話になっている。地方や海外に出張して飲み食いした話を嬉しそうに開陳している。国立大学の教授が作っているHPもそうだ。特権者の極楽トンボの遊興話ばかりだ。そしてそのように庶民の前で気儘に(税金で)放蕩を続ける官僚の態度に、社会主義というレッテルがきれいに填まるのだ。
(私のコメント)
社会主義国家となるとどうしても官僚の主導権が強くなり、貿易も保護主義的になり規制強化になりやすい。アメリカから見れば日本も社会主義国でありソ連の次は日本だと襲い掛かってきた。アメリカの新自由主義と日本の社会主義とのイデオロギー闘争でもあったのですが、日本側は単なる経済と外交問題として捉えてきた。だから日本が譲歩してもアメリカは次々と要求を突きつけてきましたが、本当の狙いは日本の社会主義の崩壊だ。
しかしその決着は左翼活動家だったオバマ大統領の誕生で決着は付いたのだ。アメリカも官僚が強くなり規制が多くなる社会主義国になるのは時代の流れだ。本当の社会主義はソ連や中国のような暴力革命でなるのではなく民主的な選挙によって本当の社会主義国が誕生する。もちろん社会主義が行き過ぎれば官僚の力が強くなりすぎたり、規制が行き過ぎて経済の停滞を招くことになる。
竹中平蔵氏や高橋洋一氏などの新自由主義者は官僚批判を繰り返しますが、本当は社会主義を攻撃しているのだ。新自由主義と社会主義のイデオロギーの戦いはまだ決着は付いてはいませんが、アメリカ経済の崩壊は新自由主義の後退を意味する。しばらくはアメリカも社会主義的政策と規制の強化で行くだろう。