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下値切り下げる株価、口先介入/公的年金では支えきれず(ロイター)連日の政府介入も限界へ
http://www.asyura2.com/09/hasan61/msg/777.html
投稿者 近藤勇 日時 2009 年 3 月 10 日 17:52:28: 4YWyPg6pohsqI
 

下値切り下げる株価、口先介入/公的年金では支えきれず
2009年3月10日(火)14:27
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-368988.html

 [東京 10日 ロイター] 10日の東京市場では日経平均が7000円割れ寸前まで下げている。政府・与党の株価対策をにらんで短期筋が金融や不動産関連を買い戻しているものの、他のセクターへの波及は弱い。

 政治家からの発言に対しては、口先介入だけでは効果は限られる、との声が多い。為替市場でドル高地合いが続いていることが下支え要因だが、引き続き、海外勢からの換金売りは続いている。世界的に株式保有を減らす動きが鮮明になっており、公的年金だけでは支えきれない、という。

 <政治家発言に嫌気感>

 株式市場では日経平均が続落、昨年10月28日以来の7000円割れが接近している。前日の米国株安を受けて海外勢を中心に売りが先行した。三菱UFJ<8306.T>などの金融株中心に買い戻されて下げ渋ったものの、世界的な金融不安や景気悪化への懸念が根強く、積極的な買い手不在の中、上値をじわりと切り下げる展開になっている。

 与謝野馨財務・金融・経済財政担当相が閣議後会見で、政府・与党が検討している株価対策について、1)株価そのものを支える対策、2)株価下落による信用収縮など副次的な作用の対策――の2つがあると指摘した上で、「政府は株価下落による信用収縮効果に断固立ち向かう決意だ」などと述べたが、株式市場の反応は鈍い。

 市場には「海外投資家の日本株売りは換金売りのほかに、政局の不透明を嫌気した見切り売りもある。与謝野財務相による連日の口先だけの介入は、すでに市場で見透かされている。証券税制の税率軽減など具体策を速やかに出すべき」(いちよし証券ディーリング・エクイティ業務執行役の廣玉輝士氏)との声が出ている。

 世界的な規模の信用収縮が続き「海外勢は日本株に限らず株式のウエートを落としている。公的年金の買いだけでは支え切れない」(準大手証券ストラテジスト)との指摘もある。ある市場筋によると、公的年金の買いは前場段階で概算150億円、という。

 みずほインベスターズ証券エクイティ情報部長の稲泉雄朗氏は「日本株の下落は海外投資家の換金売りが続いていることが最大の要因だ。本国でのリスク許容度低下に伴い株式などリスク資産を現金化する動きが続いている。実体経済の悪化に伴い、少しでも手元に現金を置いておきたいという傾向はこれからさらに強まる可能性があり警戒が必要だ」という。

 稲泉氏は株価反転の条件について、「景気対策の早期の実行が求められる。中国株が堅調なのは伸び率が減速しているとはいえGDP(国内総生産)が拡大しているからだ。掛け声だけではなく実際に対策が実行され需要を作り出すことが待たれている」と話している。  

 <ドル買いニーズ続く>

 株安は為替市場ではドル買いにつながっている。ドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点とほぼ変わらずの98円後半を中心に底堅い。世界的な株安が進行する中、国内の景気後退懸念や政局不透明感で円買い材料が乏しい。相変わらず、決済目的のドルニーズは強い、という。

 「昨年から年初にかけては、株安がドル高、円高の要因として作用したが、2月に入ってから株価と円相場の相関が崩れ、株安でも円高にならない。きょうも株安でドルが買われるのであれば、円は主体性なく売られるだろう」とJPモルガン・チェース銀行のシニアFXストラテジスト棚瀬順哉氏は言う。

 また、中国のデフレ懸念がドル高要因、との声も聞かれた。この日発表された2月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年比マイナス1.6%、生産者物価指数(PPI)は前年比マイナス4.5%となった。CPIがマイナス圏に落ち込むのは、2002年12月以来初めてで、中国経済のデフレ圧力の強まりが背景とみられる。

 中国の国家統計局はCPIとPPIが前年比マイナスとなったが、デフレではないとし背景には国際資源価格の下落や季節的要因があるとの見方を明らかにした。

 ただ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッドオブFXストラテジー山本雅文氏は、「全人代ではインフレ率は高めに保つと言っていたが、需要の減退から経済の体温とも言われる物価指数が下がれば、人民元高を見込んでいた米国の投資家らが中国離れを起こし、中国から資金流出が起きるかもしれない」とし、この意味でも、中国のデフレがドル高を誘発するというシナリオが成立するという。

 一方、ドル高の持続性については疑問の声もある。JPモルガン銀の棚瀬氏は「IMMでのドルのロング・ポジションが積みあがっているので、ドルの下値リスクは着実に増幅している。もし近々100円をトライすることがあれば、それが最後のドル高になるだろう」と話している。

 円債市場はやや売りが優勢。株安で債券を買うセンチメントにはなく、逆に決算対策の売りを意識する展開という。ある外資系証券筋は「公的年金は内外株に資金を当てており円債には回ってこない。先行きの財政悪化による需給懸念も根強く、いまは株式先物売り/債券先物買いはワークしない」と述べている。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:宮崎 大)

 

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