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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-36653120090224
[東京 24日 ロイター] 24日の東京市場では海外勢の株売りが続き、TOPIXがバブル後の最安値を更新、日経平均も同安値が視野に入った。世界的にマネーは株式市場から流出しており、債券や金に流れやすくなっている。 為替市場では株安による円高シナリオが破たん、これまで円を買い込んできた短期筋がポジションを閉じており、ドル/円は3カ月ぶりに95円台に上昇した。 <株価対策発言に冷ややか> 株式市場では日経平均が続落し、下げ幅は一時200円を超えた。23日の米国株市場でダウとS&Pが1997年春以来12年ぶりの安値を記録した流れを受け寄り付きから主力株に売りが先行した。 金融システム不安や景気後退の長期化に対する懸念が根強く、海外投資家のポジション調整売りに加えて、3月期決算を控えた国内機関投資家による先物のヘッジ売りも出ているとみられている。 「新興市場で損失が膨らんでいる個人投資家も動けず、日経平均は昨年10月に付けた取引時間中の安値6994円90銭も意識せざるを得ない。下値模索の緊迫した状況が続いている」(国内証券)という。 与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は24日午前の閣議後会見で、「株価に対する一般的な対策をどうするか、やるべきだと事務方と話した」と述べ、株価対策に前向きの発言をしたが、「政治が空転している中で、どう実行するのか不透明感が強い」(東海東京証券エクイティ部部長・株式トレーディング業務統括の倉持宏朗氏)と市場の見方は冷ややかだ。 欧米と比べても景気悪化が著しい中で、「政治のリスクが高まっていることも海外勢のポジション調整売りに拍車をかけている」(同)という。 立花証券執行役員の平野憲一氏は「日経平均はじわじわ下がっており7000円割れとなった先の下値メドがつかない。08年10月の急落時には下値メドが5000円との声は現実味がなかったが、今はその水準まで下がってもおかしくない」と悲観的な見方を示している。 <ドルに替わる通貨見当たらず、金に資金殺到> 為替市場では、円買いポジションを閉じる動きが続いている。ドル/円は95.23円まで上昇。昨年12月1日以来、3カ月ぶりの高値をつけた。目先のメドとされた95円を抜けたことで、「海外ファンドなどの買いを誘発している」(外銀)という。対ドルで円売り圧力が強まったことで、ユーロ/円も121.12円まで上昇。きょう午前の安値から1円半を超える円安となった。 市場では、ドルが堅調に推移している背景に「ドルを売って保有すべき通貨が見当たらない」(ドイツ証券、シニア為替ストラテジストの深谷幸司氏)との声が出ている。深谷氏は「リスク回避イコール円高、というシナリオにかけた投機筋が撤退を余儀なくされている」とし、現在は行き過ぎた円高の修正局面とみている。 金価格が上昇地合いを維持しているのも、保有対象の通貨、資産が見当たらないからだ。金現物はここ1カ月で約130ドル上昇。20日には1オンス=1005.40ドルの11カ月ぶり高値を付けた。2008年3月に付けた過去最高値1030.80ドルをとらえている。 イートン・バンスのチーフエコノミスト、ロバート・マッキントッシュ氏は「米株価が安値を更新するなか、金に投資資金が殺到している」と話す。 UBSのストラテジスト、ジョン・リード氏は、投資需要が最近の金価格をけん引していると指摘。「09年前半の平均価格を1075ドルとみている。このレべルが平均価格になるということは、1200ドル、あるいはそれ以上の水準に上昇するケースも想定し得る」と語った。 <円債市場、益出しに関心> 円債市場は小じっかり。寄り付きは前日の米株安/債券高の流れを受け続伸、その後、日経平均が下げ渋ると、上値が重くなり、益出し売りに押される展開となった。 現物債市場では「国債先物への連動性が強く、一部銀行勢などからの益出し売りが出ていた」(外資系証券)との声が聞かれた。中短期ゾーンの金利が益出し売りで上昇していることについて、市場では「基本的に、株での損を債券で相殺する動き。ただ、ここまで株が下げると、債券での益出しだけでは対応し切れなくなっている」(外資系証券)との見方が出ていた。 与謝野氏の株価対策についての発言は「先々のテーマとして、株買い/債券売りが意識された可能性がある」(外資系金融機関)という。公的年金の動きについては、年金積立金管理運用独立行政法人をめぐり、「3月償還の国債や保有するTB、FBの再投資資金がある。債券を売って株式を買えば、アセットアロケーションを動かさなくても手元の流動性と償還分で株式市場に数兆円ぐらいは放出できるのでは」(邦銀の運用担当者)との見方もあった。 ただ、みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は、「グローバルな株価下落のため、日本でできることには限りがある」といい、円債へのインパクトについて「短期的に利益確定売りを促す程度」とみている。 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:宮崎 大) |