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デフレよりもインフレが心配な米国経済(KlugView)
2009/02/21 (土) 14:30
20日に発表された米国の1月の消費者物価指数は、前年同月比ゼロ(横ばい)と、物価上昇(インフレ)が止まる結果となりました。インフレが止まったのは、1955年8月以来のことです。いくつかの日本の報道では、このことを指摘し、米国でもデフレのリスクが高まっている、と報じています。
ただ、同じ消費者物価指数でも前月比でみると、総合指数は前月比プラス0.3%と、2008年7月以来のプラスを回復しています。また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数でみても、前月比プラス0.2%と、2008年8月以来の伸びとなっています。機械的に考えれば、米国の物価下落に歯止めがかかりつつあるとも考えられます。
米国の物価については、先行きについて見方が分かれています。昨年10-12月期の経済成長率が年率3.8%のマイナスとなるなど、米国の需要の落ち込みは大きく、以前の日本のように物価が下落を続けるデフレリスクが高いという見方があります。
一方で、米国の物価は、多少時間はかかるものの、再び上昇基調となり、インフレに苦しむことになるとの見方もあります。米国の中央銀行であるFRBが、実質的なゼロ金利政策を採用しており、米国の貨幣であるドルが、大量に流通する可能性が高まっています。物価は製品やサービスを貨幣と交換する際の比率ですから、流通する貨幣の量が増えれば、それだけ製品やサービスと交換する際に多くの貨幣を必要とする、つまり物価が上昇する展開になると考えられるということです。
米国の景気が3年以上も低迷するのであれば、米国でもデフレを懸念すべきなのでしょうが、世界各国から移民が流入している点、米国政府が歴史的な景気対策を実施する点、を考えれば、米国の景気は、遅くとも再来年くらいには回復に向かうと考えた方が自然な気がします。
一方、貨幣量の拡大にブレーキをかけるのは、各国の歴史をみると、かなり難しいものに思えます。合理的なことではないとはいえ、多くの方は、多少インフレになっても景気回復が続いた方がよい、と考える傾向にあるからです。おそらく米国での貨幣(ドル)の拡大にブレーキがかかるのは、景気回復が(ある程度)明確になったころと思われ、結果的にブレーキがかかるのは遅れ気味になると思われます。
ロンドンの国際金融サービス協会の推計によると、昨年の全世界の金取引は、前年比58%増の20.2兆ドルと、過去最高を更新したそうです。また米国の消費者物価が発表されたのと同じ日(2月20日)、金先物価格(4月限)は、一時、1000ドル(1トロイオンスあたり)の大台を記録しました。金先物価格が1000ドルをつけたのは、2008年3月以来のことになります。
金は、各国の中央銀行が外貨準備の一部として保有するなど、貨幣の代替資産として評価されています。その金価格が上昇傾向にあることは、貨幣に対する不信感、言い換えればインフレ懸念の高まりを示している可能性があります。今は考えにくいことかもしれませんが、数年後には、再びインフレが、我々の話題の中心になるのかもしれません。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
金先物価格が1000ドルを突破
これっていつ以来のこと?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
2008年3月以来のこと
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/02/21/004642.php