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埋没した「交易条件の改善」のニュース(ロイター)
2009年02月18日 12:38 pm JST
注目される事象でも、それ以上に大きなニュースがあると、埋没した格好になるケースがある。16日に日銀が公表した製造業部門別投入・産出物価指数の1月速報値だ。これによると、1月の交易条件指数は前年同月比でプラス3.1ポイントの89.0で、比較可能な90年以降で過去最大の改善幅になった。
交易条件指数とは、製造業の投入物価(仕入れ価格)に対する産出物価(販売価格)の比率を示す。
販売価格を仕入れ価格で割って算出するため、これが上昇すれば収益環境が好転したことになる。大幅な改善は、原油価格下落や円高で仕入れ価格が下がったため。原材料の多くを輸入に頼っていることから、利益が出やすくなっている。
輸出依存度の高さがGDPを大きく引き下げた理由の1つとなったが、米中のPMIが反発した状況を踏まえると、ここで需要の減少が止まれば、交易条件の改善で利益を確保しやすくなる。そこを起点として、底打ちのシナリオを描けるとみる市場関係者もいる。
業種別でみると、前年同月比の改善幅は石油・石炭製品の27.6、非鉄金属の24.4、食料品と化学製品の6.0──。川上に属する業種や内需型産業に改善した業種が集中している。
他方、自動車など輸送機械はマイナス3.8と悪化しているほか、電気機械は1.0と改善幅が小さい。輸出型産業はまだまだ厳しいようで、ボトムアウトが読めるようになっても、業種別では行色が強くなるとみるべきか。
世間の風潮から「GDPの大幅悪化」や「中川財務相の会見問題」など悪い話ばかりが、どうしても大きな活字になってしまうものの、こと経済の先読みをする場合、埋没したニュースからもヒントを探してみたい。