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政府紙幣発行議論について考える。
気象庁は浅間山の噴火警戒レベルを2から3に引き上げました。世界規模の地殻変動が大地震や噴火、という形で現れ始めています。経済危機の昨今ですが、温暖化や気候変動などの被害が拡大することで、更に経済が悪化することなどを考え合わせると、暗くなる話題ばかりとなってしまいますね。
最近、メディアで話題なのが政府紙幣の発行についてです。一部経済評論家やコメンテータが唱える政策ですが、従来の日本銀行券ではなく、政府が紙幣を発行して強制的に市場の資金量を増やそうという、これは劇薬です。資源価格の下落、消費マインドの低下、そして派遣切りやワークシェアリングを初めとする賃金の低下傾向を受け、日本は一気にデフレ懸念が強まっています。
そこで、法的には問題のない政府紙幣を発行し、政府は手元資金を得て経済対策を打つ。また一気に市場に流通する資金が増え、インフレ傾向になる。一石二鳥の対策に見えますが、大きな落とし穴もあります。まず通貨の番人たる日銀との政策不一致、経済政策上の多面化が、諸外国からの日本に対する不信感を醸成します。格下げ懸念が広がれば、日本も通貨危機が起きる可能性があります。
第二に、通貨としては使い勝手が悪く一般には流通しません。紙幣か、硬貨であるかに関わりなく、かつての2千円札と同様、自動販売機が発達した日本では機械に対応しない通貨に価値はありません。第三に、日本は通貨量が足りなくてデフレ懸念が起きている訳ではありません。
日本は個人、企業に至るまで自己防衛本能が強く、流通させた資金はどこかで必ず滞留するためにデフレが起き易いのであり、見かけの流通量を増やすことは意味がありません。仮に、それを元手に政府が景気対策を打つとすれば、金融機関に滞留し続けるその政府紙幣を、いつ市場から償却するのかで今後は悩むことになります。
政府紙幣とは都合の良い名前ですが、結局これは国債発行制度に代わる仕組みを新たに構築することと、何ら変わりありません。制度が複雑化すれば、いずれ弊害が出ることは今回の一連の経済危機でも明らかなように、通貨制度の根幹を揺るがすような議論はすべきではありません。
それ以上に問題と考えるのが、麻生氏がダボス会議で表明した170億$規模の、アジア向けODAの表明です。自国の経済危機下で諸外国に支援する、この矛盾だけでなく、今後危機が長引けばアジアでも経済基盤の弱い国は、危機に晒されます。ODAは投資を回収することが前提ですが、それを償却せざるを得なくなる事態が、今後は想定されます。日本が世界に向けていい顔ばかりし続けられる状況ではない中での、今回の一連の動き。私はやや危機意識をもって、政府の動きを注視してしまいますね。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/