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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu185.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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GMはサブプライムローンで自動車を売って、それを証券化して
ウォール街で転売していた。こんな会社を救う意味があるのだろうか?
2009年2月4日 水曜日
GMACは自動車版サブプライムローンを組んで証券化して売っていた。
GMACは客に車をリースして契約が終わると半額で客に売る
◆金融商品に頼ったGMの失敗 2月3日 大島信三
http://oshimas.iza.ne.jp/blog/entry/898851/
トヨタとGM(ジェネラル・モーターズ、General Motors)の危機は、まったく中身がちがう。比較すらできないといってよい。約1兆2000億円の政府融資をうけるGMのワゴナー会長兼CEOは、「3月末までの資金はなんとかなる」と語ったそうだ。意地悪くかんぐれば、これだけの公的資金の投入をうけても、4月以降の資金繰りのめどはたっていないということではないか。その深刻さは、はかりしれない。その点、巨額の赤字を計上しても、トヨタに倒産の危機はない。
トヨタとGMのちがいは、なんであろうか。ひとことでいえば、「企業の心構え」であろう。ユーザーを踏み台にして、金融工学などで生き延びようとしたGMと、顧客を最優先し、安全、かつリーズナブルなクルマを提供しようと努力してきたトヨタの差といってよい。
2月2日夜10時から放映されたNHKスペシャル「アメリカ発 世界自動車危機」は、見ごたえのある番組であった。身につまされる話も多かったが、なるほどと納得するところもあった。
教えられることの多かったのは、GMの大量販売のカラクリをとりあげた、<第二章 “架空消費” 巨大市場の崩壊>であった。この章を、見過ごした方々のためにも、つとめて忠実に活字で再録してみたい。サブプライムローン問題もふくめて、アメリカ経済の病弊を解き明かすうえで、大いに参考になるはずだ。
昨晩のNHKスペシャルによれば、いま、アメリカで引く手あまたの業者は、レポマンだという。レポマン? 耳慣れないことばだ。レポマン(英語でつづれば、repossessionで、回復とか、取り戻しという意味)とは、クルマの取り立て業のこと。自動車ローンが返せなくなった人たちのクルマを、金融機関に代わって強制的に没収するのが、かれらの仕事である。
真夜中、寝静まった住宅街で、レポマンたちは、活動する。特殊な器具を使って、駐車中のクルマの鍵をこじあけ、クルマを運んでいく。一見、自動車泥棒のようにもみえるが、レポマンのひとりがもらしたことばが、印象的だった。
「収入以上の生活をしてきた人を、本来、あるべき姿に戻しているのさ」
驚くべきことに、昨年、全米で差し押さえられたクルマは、およそ190万台だという。一年に販売されたクルマの、じつに7台のうち1台にあたるとか。もう異常な事態といってよい。
なぜ、ローンを支払う能力のない人たちが、身のほど知らずの高級車を買うことができたのか。たぶん、小学生でも、そう思うだろう。
デトロイトでGMのクルマをもっとも多く売ってきたポール・サダウスキーさん(GMディラー)のところでは、1台300万円から800万円のクルマが1日3台、年間700台も売れていたときがあったという。
そこには、GMがあみだした高価なクルマを大量に売りさばく、仕組みがあった(とても正常な方法とは、いえないものであったが)。
番組のなかで、GMディラーのサダウスキーさんが、反省をこめて、ぽつんといった。
「わたしたちディラーも、GMも、自分で自分をだましてきたんです。やっていたことといえば、カネのやりとりばかりでした」
いったい、どういう手をつかったのか。
GMの業績が急速に落ち込んだ1997年ごろ、各ディラーは、自動車ローンをつかった販売に拍車をかけた。この自動車ローンというのが、大量販売の仕掛けであった。当時、ローン会社がディラーに配っていた申請書をみながら、サダウスキーさんがいう。
「“5項目の申請書”と呼んでいた書類です。ローンがとてもかんたんに組めました」
書き入れる項目は、ローンを借りる人の名前、住所、生年月日、社会保障番号、職業の5つだけ。肝心の収入や支払能力にかんする情報を、客に一切求めなかった。
ディラーのサダウスキーさんがいう。
「ローン会社からは、くわしく聞かないでください、といわれていました。くわしく聞いて、お客さんがにげるとこまるからです。ローンを組んだ人のなかには、空きビンをあつめて生活しているような人もいたと思いますよ。でも、そんな人でも5つの項目をうめてくれさえすれば、ローンの契約を結んでいたのです」
日本では、信じられない話が、アメリカでは、堂々とまかり通っていたのである。こんなゆるい自動車ローンがあれば、たいがいの人は、マイカー族になれる。
それにしても、ローン会社は、こういうでたらめな融資をして大丈夫なのか。
サダウスキーさんの販売リストをみると、ある会社がローンの契約をほぼ独占していた。その会社とは、GMAC(General Motors Acceptance Corporation)、GMの金融部門をうけもつ子会社である。
GMACは、なぜあまい審査でローンを貸すことができたのだろう。
元GMAC経営陣のナンバー2だったブルース・パラディス氏が、NHKの取材に応じ、たとえ自動車ローンが返済されなくとも損失を出さず、逆に大きな利益をあげる証券化というビジネスに当時は、湧きかえっていたとふりかえった(かれは、GMを追われた人物という)。
マジシャンのようなことが、どうして可能だったのだろう。
その仕組みとは、こうだ。GMは、ディラーを通じてクルマを売り、その代金を、GMACがさきに客にローンを組ませて提供する。
そこまではわかるが、こんな申請書では、GMACは、不良債権をかかえるばかりではないか。
ところが、GMACは、その債権をもとに投資家向けの金融商品をつくりだしたのだ。このときにもちいたのが、証券化という手法。
この金融商品をウォール街などを通じ、投資家に売る。すると、ローンの貸し出し分が、GMACに入る。そのうえ、手数料まで稼ぐことができる。一石二鳥よりすごい、ウルトラCの錬金術。
元GMAC経営幹部のパラディス氏がいう。
「わたしの率いていた部署が、手掛けていたのは、貸し出したローンの証券化です。GMACがつくりだした金融商品は、名だたる投資銀行によって、世界にばらまかれたのです」
なぜ焦げつきリスクの高い自動車ローンの債権から、飛ぶように売れる金融商品がつくれたのか。
このカラクリを支えたのが、この頃、ウォール街で発達した金融工学。さまざまな金融商品が、金融工学者によって考案された。自動車ローンにも、リスクの高いものもあるが、確実に返済されるローンもある。金融工学者は、それぞれのリスクを組み合わせ、金融商品をつくる。
GMACのローンからできあがった金融商品の格付けは、なんとAAA、トリプルA。格付け会社から、もっとも安全だという評価を獲得したのだ(これで金融危機における格付け会社の共犯性が、よくわかる)。
トリプルAの金融商品は、GMACから、バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ、シティグループという名だたる金融機関を通じて、世界の投資家に売られていた。
金融工学者のシルバン・レインズ博士がいう
「いわば、自動車のサブプライムローンですね、これは。ウォール街は、大歓迎しました。よい取引であろうと、わるい取引であろうと、要は、たくさん売れれば、いいんですからね。GMACは、ウォール街の孝行息子でした」
自動車ローンや、この金融商品のおかげで、GMは、いったんは、息を吹き返した。しかし、2001年の同時多発テロ、その後の原油高で、ふたたび売り上げは落ちていった。
そこで、GMが、頼ったのは、またしても金融の力であった。こんど、考えだしたのは、ローンではなく、リースという手法だ。
その手口は、GMからクルマを買うのは、客ではなく、GMACである。そしてGMACは、客にクルマを貸し出す(フリをする)。リース契約が終わったあと、GMACは、中古車として安い価格で、そのクルマを客に売る。したがって、客の支払いは、半額ていどに抑えられる。ディラーによっては、全体の80%が、この方法で売られていた。
あきれたことに、GMACは、このリースまで債権化して金融商品としたのである。
ふたたびGMディラーのポール・サダウスキーさんが登場し、こう語る。
「お客様は、大喜びです。人生最高の高級車を2年ごとに新車に乗り換えられるのですから。わたしたちディラーにとっても、いうことなしです。実際に買える2倍の買い物をしてもらって、一度契約をむすびさえすれば、2年ごとにつぎつぎSYBを買ってもらえるのですから」
そのうちにGMACは、自動車会社の金融子会社という性格をおおきく変えていく。8年前から住宅ローンにも乗り出していたのだ。とくに力を入れたのは、あのサブプライムローンだった。おかげで、全米5位の住宅ローン会社になったという。
GMを追われたパラディス氏がいう。
「金融で収益をあげるには、どうすればよいか。そう考えたとき、自動車ローン以外でいちばん魅力的だった住宅に注目し、力を入れることにしました。クルマと住宅。両方のローンをてがけることで、より多くの客を獲得する戦略をとったのです」
なんと、GMは、サブプライムローンの元凶のひとつであった!
GMACの収益は、10年で3倍にも急増。2004年には、2724億円という最高益を記録した。親会社のGMは、このGMACという金融子会社に支えられながら、世界最大の自動車メーカーの地位を保っていたのである。
パラディス氏がいう。
「GMACがあげた収益は、親会社であるGMに入りました。わたしたちが、苦境におちいっていたGMを助けていたということです。そのおかげでGMの株価も維持されたし、企業の価値もたもつことができたのです」
昨年9月、リーマンショックをきっかけにバブルが崩壊し、証券化した金融商品が売れなくなり、GMACのローン事業は、行き詰った。積極的に貸し出していたサブプライムローンも、つぎつぎと焦げついた。
金融の力に頼りきっていたGMのシステムは、一気に崩れた。NPOが開設したローン破綻者のための相談室では、電話が一日中なり続けている。「毎月、900jも払えというんです」といった声が。
業績悪化の責任をとらされ、GMACを退社したパラディス氏は、いま、このNPOで働き、相談に乗っている。
パラディス氏がいう。
「わたくしたちは、やりすぎてしまいました。いまは、そのいきすぎの修正がおきているのだと思います。人生というのは、そういうものですね」
そして、示唆にとんだNHKスペシャル第二章は、つぎのようなナレーションで、おわりとなった。
<業績の悪化に苦しむGMを支えるため、金融の力でつくりだされた架空の商品。それはウォール街の崩壊とともに、破たんした。その破たんが、GMとGMがかかえる膨大なすそ野の部品会社を危機に陥れたのである>
このナレーションに、もうひとこと、つけくわえたい。サブプライムローンをともなう、その破たんは、GMと部品会社にとどまらず、世界中の、GMとまったくかかわりのない人々にも、大きな損失をあたえたのであった。
投資家は世界の自動車部品メーカーを買収して電気自動車に備える
中国製のハイブリットカー、中国市場はアメリカの代わりになるか?
(私のコメント)
2日にNHKの特番で「アメリカ発 世界自動車危機」を放送していましたが、なぜアメリカで自動車の売れ行きが極端に落ちたかが分かります。サブプライムローンは住宅ばかりでなく自動車の販売でもローンが組まれていた。GMの金融子会社のGMACはそのローン債権を証券化してウォール街を通じて世界に債券を売ってきた。
それがリーマンショックで多くが焦げ付いてしまったからGMは倒産の瀬戸際にある。なぜSUVという大型の多用途車が売れたかというとサブプライムローンで誰もが気軽にローンで買うことが出来たからだ。GMACは売っただけ債権が溜まるわけですが、それを証券化して売ってしまえばリスクを負わなくてすむ。
おそらく住宅や自動車ばかりでなく多くの高額な商品がこのような方法で売られてきたのだろう。ところがローン会社が機能を停止してしまったから住宅や自動車の売れ行きが急降下して、日本の輸出企業もその影響を受けるようになった。日本の自動車メーカーは国内よりもアメリカ向けの輸出の方が多くなっていたから、メーカーは派遣切りなどで生産調整に大わらわだ。
さらにGMはリース販売という手法で車を貸し出して、2年程度のリース契約が終わると中古車として半値程度で売ってきた。客は2年程度で次々と新車に乗り換えてきた。そのリース契約も証券化してウォール街で売ってきた。GMACはさらに住宅販売にも手を広げてサブプライムローンで住宅を販売してきた。これで金融収益を上げてきたのですがリーマンショックで一気に経営がピンチになり政府に救済を申し出るまでになった。
このようにGMは金融に頼った経営で利益を上げてきたのですが、自動車メーカーとしてよりも金融部門がやられたことで一気に経営危機が表面化したのだ。他のメーカーも同じような方法で利益を上げてきたのだろう。金融工学を駆使した経営手法は証券化というデリバティブを用いる事でモラルハザードが起きて、車や住宅が買えない所得層まで売りつけて、リスクは世界にばら撒いてしまった。
◆「アメリカ発 世界自動車危機」 2月4日 伊藤洋一
http://www.ycaster.com/diary/index.html
月曜日の夜に放送されたんですかね。NHKの世界の自動車危機に関するスペシャルを水曜日の朝に大阪で見ましたが、なかなか面白かった。自動車ローンもアメリカではサブプライム問題化していたというのは知っていたが、図式によってかなり分かりやすくなっていた。
あと興味を引かれたのは、電気自動車になると今は3万点におよぶ自動車の部品が一万点は少なくなる、という点。内燃機関のある今の自動車は、エンジンが高温になる。高温でも動く装置が必要だし、それを冷やす装置も必要。エンジンは重い。
しかし電気自動車になると、バッテリーの重さ次第ですが、駆動機関全体を著しく簡素化、軽量化できる。ということは車の作りが変わってくると言うことです。その方向に動き出していることは確かでしょう。
しかしちょっと時間は掛かるような気がする。長持ちするバッテリーが出来なければならないし、今のガソリンスタンドに相当する社会インフラも必要です。自宅の電気コンセントが使えるプラグインはいいのですが、長距離の旅をするとなると、「ではどこで充電するのか」という問題が起きる。砂漠の真ん中はどうするのか、とか。
あとアメリカの71才の投資家が、「エンジンなど駆動機関が変わっても、車の内装部分は変わらない」として、その分野で世界的な部品メーカーチェーンを作って、完成車メーカーに支配されていた部品メーカーの復権、そこでの大儲けを狙っているというストーリーも面白かった。その中に日本の部品メーカーも入っていた。
実は時間がなくなって途中で切ってホテルを出て電車に乗ったので、最後まで見ていないのですが、続きは今日の夜に見ます。それにしても、昨夜発表された米1月の自動車販売台数は想像通り悪い。NスペではGMは比較的元気に描かれていたが、置かれている環境は厳しい。
それと同時の保護主義の動きはちょっと心配で、オバマは断固その動きに抵抗すべきでしょう。閣僚指名者が相次いで辞退するなど、オバマ政権はちょっとぐらつき始めているだけに、世界からの信頼を崩すようなことはすべきではないと考えるのですが。
それにしても、Nスペは時間をかける。NスペがGMを対象に番組を作っているというのは昨年私が10月にアメリカで取材を開始したときに聞いていましたから。時間をかけただけあって良い番組になっていたと思う。
(私のコメント)
番組の後半部分は、次世代自動車による自動車部品産業の事を放送していましたが、電気自動車が作られるようになると、ガソリンエンジンやラジエーターやギアアクセルなどが不要になる。その結果自動車の軽量化が求められるようになりプラスチックなどの部品が多用されるようになるだろう。その為に投資家は自動車部品メーカーを安く買収して世界のメーカーに販売する戦略を立てている。
しかし自動車の電気自動車化はそんなに早く進むわけが無い。石油の投機が終わってガソリン価格は暴落してガソリンスタンドの廃業が相次いでいる。ガソリンが安くなれば高い電気自動車に変える必要も無いのであり、電気自動車にはまだ量産化にはボトルネックが沢山ある。あと10年くらい経ってもガソリン自動車が主力であり、電気やハイブリット車は二割か三割程度だろう。
電気自動車は自動車業界の大きな話題になっていますが、電気自動車用バッテリーの開発はまだ始まったばかりであり、モーターショーなどでは展示されて話題になっていますが、量産車で成功しているのはトヨタとホンダのハイブリットカーだけだ。電気自動車も電池の開発もネックになると同時に軽量化で部品なども大きく変わる。
アメリカの自動車の売れ行きは37%も落ち込んでいますが、いつごろ回復するのだろうか? 今までのように2年で買い換えることは出来なくなり10年くらい乗り続けるかもしれない。ガソリンが高くなれば大型SUVから小型車に乗り換えるのでしょうが、ビックスリーには小型で省燃費の車は作れない。
番組では中国のモーターショーの様子を放送していましたが、車は安さで売れるのではなく性能で売れるのだ。いくら安くても故障ばかりで走らないのでは二度と買わないだろう。韓国製の自動車も日本ではほとんど見かけませんが、品質にうるさい日本の消費者は手を出さない。ロシアでも日本の中古車が人気ですが、中国や韓国やロシアの安い車はロシアでも人気が無いようだ。
アメリカの金融危機はアメリカ経済にも大きな影響が出てきており、個人のカード破産はこれからが問題になる。今は世界に投資されたドル資金が逆流してアメリカに集まってきてドルは強いですが、信用不安の問題は解決の目処すらついていない。アメリカの実体経済が悪化するのはこれからであり、まだバブルの余韻があるからドルは強いが、銀行や企業がバタバタ倒産するのはこれからだ。そうなると投機資金はアメリカから出て行くことになる。