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町は「とにかく暇、だめだね」、日立大赤字【asahi.com】
http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000000901310005
2009年01月31日
「創業99年」を2月に迎える日立製作所発祥の街に30日、激震が走った。
30日午前には市が雇用対策を打ち出し、東京ガスの備蓄基地建設が発表された直後だっただけに、「赤字7千億円、リストラ7千人」という凶報は、企業城下町を不安一色に染めた。
「ますます先が見通せなくなった」。
同社関連の仕事が売り上げの7割を占める市内の機械加工会社で、70代の社長はつぶやく。
社員20人の小さな会社だが、精度の高い少量多品種を武器に、生き抜いてきた。
昨年までは人手が足りず、発注を断るときもあった。
一転して今年は仕事が半減した。
価格競争も激しくなった。
「仕事があるときに次の仕事を探すべきだと言う人もいるが、この間まで忙しすぎてそんな余裕はなかった」とため息をついた。
日立社員のおかげで20年近く成り立っていたという日立市の居酒屋。
「とにかく暇だよ。全然だめだね」と店主は嘆く。
今年に入って客は大幅に減り、30日は午後7時を過ぎても客はいなかった。
対照的に、JR日立駅前の居酒屋には日立製作所の社員が集まっていた。
盛り上がってはいたが、話題は専ら大赤字や人減らしだったという。
市内の青果物卸店でも、日立製作所向けの取引はこの半年近くで2割近く減った。
店で働く80代の女性は「工場がどうかなると、この町はつぶれる」と危機感を募らせる。
茨城労働局によると、日立市の有効求人倍率は昨年4月の0・88倍から悪化の一途をたどり、12月で0・69倍。
ハローワーク水戸管内は0・86倍、土浦は1・06倍で、日立は大きく見劣っている。
求人数が少なかったことに加え、景気悪化で求職者が増加したのが原因だ。
今後のさらなる悪化は避けられそうになく、茨城労働局は「かなりの影響が出る。県南・県西に比べれば、少なめだった派遣労働者の雇い止めが今後さらに増えるだろう」と懸念する。
影響は日立市だけではない。
昨年暮れに派遣社員400人の契約打ち切りを決めた日立建機の土浦工場。
県内4カ所中の主力工場で、期間従業員500人の契約更新見送りや、一部正社員の一時帰休も検討している。
管理職の50代男性は赤字の発表を知らなかったらしく、「えっ、7千億ですか? そんな数字はこれまで聞いたことがない」と驚いた様子。
「うちの会社は内部留保は結構あるが、正社員のリストラを急にやるかなあ」と解せない様子だった。