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オバマ大統領に最初の試練、景気対策法案が下院通過
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090129/amr0901292111027-n1.htm
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2009.1.29 21:00
【ワシントン=山本秀也】オバマ米大統領が経済活性化の「切り札」とする大型の景気対策法案は、28日の下院本会議を通過し、焦点は上院での審議に移った。大統領は「300万人以上の雇用確保」を最重点に、2月中旬の法案成立を目指す。だが、下院での採決結果は、財政赤字が過去最大の1兆ドル規模となる中、巨額の財政出動による景気浮揚を目指す政策に批判が根強いことを見せつけた。高い支持率を誇るオバマ政権は、最初の試練に直面した形だ。
公共投資を柱とした総額8190億ドル(約74兆円)の景気対策法案は、賛成244、反対188で下院を通過した。野党共和党は、賛成に回る議員が1人も出なかったのに対し、与党民主党では11人が反対する造反劇を演じた。
オバマ大統領は、法案の下院通過を受けた声明で、急激な雇用情勢の悪化を前に、この法案が向こう数年間にわたり300万人以上の雇用を確保すると説明し、速やかな審議を上院に呼びかけた。
これに対して、共和党は、(1)巨額の歳出は財政負担を膨張させる(2)減税に景気浮揚策の軸足を置くべきだ−と主張。同党は減税幅を広げた修正動議を提出したが、否決された。
下院で採択された法案は、審議段階で修正が加わり、当初規模から60億ドルの減額となった。中身をみると、個人・企業向けの減税が2750億ドル見込まれているものの、道路交通網の整備など土木工事を中心とした大型の公共事業発注が約5440億ドルとトップを占める。
法案の下敷きは、「世界恐慌」の打開策として、フランクリン・ルーズベルト大統領が打ち出した大型の公共事業を中心とするニューディール政策だ。今回の法案は、公共事業のほか、クリーン・エネルギー研究への開発投資や、失業者への医療保険補助などの福祉事業まで手厚く含まれる。
この法案以外にも、オバマ政権は銀行の不良資産を買い取る「新たな機構」の設立構想を来週発表すると伝えられるほか、金融機関に対する公的資金注入を政権発足後初めて実施するなど、経済再建に歳出拡大を辞さない構えが鮮明だ。
オバマ大統領は、27日に連邦議会に乗り込んで、「政争を棚上げして国民のために働こう」と訴えるなど、共和党議員に超党派での取り組みを促していた。
大統領自身によるひざ詰めでの説得を拒んだ共和党側には、巨額歳出の背後にある「大きな政府」への反発が絡む。「法案の描く戦略は、官僚主義の流れに数十億ドルずつを注ぎ込むに等しい」(共和党のカルバート下院議員)という政治哲学をめぐる食い違いは、上院審議でも繰り返し浮上することが避けられない。
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オバマ大統領が始動した、2月に成立を目指す景気対策法案は、下院を通過したのはよいが、共和党の全員が反対、民主党からも11人が反対投票を入れた事は、米国民の熱狂とは裏腹に、早くもオバマ政権が立たされた危険な状況を改めて認識されるものでありました。
大統領就任式についで慣例では1月最終火曜日に一般教書演説があるものだと思っておりましたが、今のところ日程は未定だと発表があり、少々肩透かしを喰らったような気がします。景気対策法案が可決した後に、一般教書演説を行う腹積もりなのだろう。
就任式で、経済危機の克服に「大胆で迅速な行動」を宣言し一般国民の熱狂した。国民の熱狂が唯一最大の武器である為、熱狂をなるべく持続する、パフォーマンスを計算しての強かさを感じざるを得ない。同じく就任当事国民の熱狂を背に受けた元日本の総理Kも、人気の持続を狙って様々なことを就任早々していた。オバマもKを彷彿とさせる点もあるが、元総理Kと違い、オバマは浮ついた言動はしていない。その点は頼もしい限りだ。「なんてったて小泉♪」「なんてったてオバマ♪」
悲惨の一言に尽きる米国経済の状況は、米国経済は回復する可能性について言及することがはばかられるくらいに厳しい。特に、金融、自動車、景気の悪化スピードは恐ろしく速い。
ISM(製造業景況指数)、鉱工業生産、非農業雇用者、いずれを見ても2005 年辺りをピークとして緩やかに減速している。昨年は減税で押し上げたは良いものの、減税効果が剥落すると一気に急落信用収縮が加わり、急失速となってしまったのである。戻し減税は、即効性こそ高いが、持続性はない。ならば、日本の一時給付金など、公明党の「お経」に過ぎない。景気浮揚にはさほど効果は無く、へたをすると逆効果になるかもしれないのである。このご時勢に消費税を上げることを所信表明演説で言い放ってしまった麻生政権(与謝野が癌)は狂気なのか、たんなる「バカ」なのか区別がつかない。
麻生政権から比べればオバマ政権が不思議とまともに見えるのだが、残念なことにオバマ政権の景気対策も実はもう手遅れの可能性が高い。300万〜400万人の雇用創出を狙った景気対策を出す前に、米企業がすでに雇用に手を付け始めてしまった。
米国企業はIT バブル崩壊以降、ウォール街を除いては、在庫も雇用も設備も抑制気味にし、慎重な経営姿勢であったが、非農業雇用者が2 ヶ月連続で50 万人超の減少を記録するなど雇用環境が急速に悪化してしまったのである。しかも、消費と輸出の急激な冷え込みでさすがに在庫も積み上がり、在庫調整が本格化。設備投資の調整も本格化してしまっている。国民の熱狂は、簡単に失望へと転化しやすい。
オバマもそのことは十分承知しているはずなので、人気を持続する次の方策は、貧困対策重視、景気対策という中所得層への減税、低所得層への補助金、失業者への雇用対策をする一方で配当・キャピタルゲイン増税、贈与・相続税増税、個人所得税の累進課税の強化など富裕層への増税であろう。富裕層への増税が進んだ場合、富裕層のドル離れが待ち受けていることを忘れてはならない。
英国の元首相、マーガレット・サッチャー氏の言葉です。『格差社会への批判がお金持ちへの批判となったらそれは違う。お金持ちを貧乏にしても貧乏な人はお金持ちにならない。貧乏な人がお金持ちになるために必要なことは努力することだ。』昨今の新自由主義批判の嵐の中で、この例えを引っ張り出すと、ブログはともかく、阿修羅掲示板では、Ddog非難が貼り付けられる可能性が高いが、あえて、この言葉を引用する。
早くもオバマに醒めた視線を送る議会対策に、オバマ政権チームが国民の熱狂を利用するのなら、オバマの景気対策は単なるポピュリズム的貧困対策へ変質してしまう危険をはらんでいると私は思う。環境フロンティアを中心とした製造業の復活を目論むオバマ大統領の意図(初心)は無視され、民衆の熱狂は民主党の政策をリベラルという枠ではなく、社会主義的な所得の再分まで押し切ってしまうのではないだろうか?オバマが目論む米産業構造の変化(チェンジ)ではなく、行き過ぎた新自由主義的な風潮が、今度は逆に社会主義的逆不平等な社会を生み出す原動力となってしまうのではないだろうか?そうなった場合、アメリカ帝国は本当に没落してしまう可能性がでてしまう。
とはいえ、多くの経済評論家やエコノミストよりは、私は米国の覇権の復権の可能性があることを信じているつもりです。眼に見える数字は絶望的ではあるが、脳天気な米国民はオバマを選んだ我々は偉大なんだという、根拠の無い楽観を信じている。強い根拠は無いが経験則からすると、絶望が深いほど復活も劇的にやって来るものだ。
国民が、オバマに熱狂している間に最大の危機を乗り切るかもしれない。株式市場は、最悪を既に織り込み済みで、場合によっては米国のNY株式市場は1万ドル〜12000ドルまでの戻り相場もあるかもしれない。が、早めに熱狂が覚めれば、今度は深い失望が絶望へとつながる恐れもある。
オバマ政権の政策を迷わす最大のリスクは、米国民の熱狂かもしれません。
【Ddogのプログレッシブな日々】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/23088327.html