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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu184.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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オバマ政権は機先を制して人民元切り上げ圧力をかけ、中国が
金融パワーをてこにした政治的影響力を行使しにくくする。田村秀男
2009年1月28日 水曜日
定額給付金を12000円から一人20万円に拡大せよ!
◆【通貨で読む世界】「強いドル」という欺瞞 1月25日 田村秀男
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090125-00000038-san-bus_all
米国の新財務長官に指名されているガイトナー・ニューヨーク連銀総裁の議会証言によると、オバマ政権経済チームは「強いドル」を推進し、通貨調整で「総合戦略」を検討中という。中国については人民元を不当に安く操作していると認定し、「オバマ大統領は中国の為替慣行を変えるためにあらゆる外交手段を動員する」とも強調した。オバマ政権が矛先を中国に向ける一方で、ドル安・円高を是正するなら日本にとって結構なことだが、「強いドル」というレトリックにだまされてはいけない。
変動相場制に移行した1970年代以降、米政権が「強いドル」戦略を実行したのは、80年代初めのレーガン政権1期目と、ニューヨーク・ウォール街の要請に応じて世界の余剰資金をひきつけようとしたクリントン政権の一時期に過ぎない。あとはおしなべて「ドル安」政策に傾斜した。
唯一の例外がブッシュ前政権の対円政策である。ブッシュ大統領は小泉純一郎首相(当時)の改革路線を後押し、2003年から翌年2月にかけての日本財務省による大規模な円売り・ドル買い介入を黙認した。円安傾向を受けて日本からは巨額の超低金利資金が米金融市場になだれ込み、住宅ローンなどの債務をまかなった。ドルはユーロや英ポンドなど欧州通貨に対しては下落したが、証券化商品の開発で欧州の余剰資金を引き寄せることに成功した。
ところが2008年9月の「リーマン・ショック」で米国発金融危機が世界に伝播した。バブルにまみれたドルの金融商品を800兆円以上も買い込んだ欧州の金融機関が直撃を受けたため、欧州通貨などに対してドル相場は反転した。
混とんとした国際通貨情勢の中でオバマ政権が今後、どんなドル戦略を発動するだろうか。
07年末での米国の対外債権総額は17兆6400億ドルに上る。単純に計算して、ドル相場平均で10%下落すると、米国は1兆7640億ドルの為替差益を得ることになる。これはオバマ政権による財政支出拡大に伴う財政赤字見込額を優に上回る。30%のドル安で5兆2920億ドルに上り、金融危機の元凶になった証券化商品10兆8400億ドルの価値が半分に減っても十分補填(ほてん)できる。
ユーロ安・ドル高で米国の欧州資産が目減りしても、基軸通貨ドルに挑戦してきたユーロは自滅同然だ。問題は米国債の最大の保有国、中国である。オバマ政権は機先を制して人民元切り上げ圧力をかけ、中国が金融パワーをてこにした政治的影響力を行使しにくくする。
円はどうか。米連邦準備制度理事会(FRB)のゼロ金利容認とは対照的に、日銀はゼロ金利を拒絶したため、金融資産をドルよりも円で運用するほうが有利になり、ドルが売られ、円が買われる。放置して日本が困れば、ドル買い介入して米国債を買い増すだろう。中国も米国債を買わないと人民元は高くなる。オバマ政権の通貨戦略とは、ドル安容認路線しかないようだ。(編集委員 田村秀男)
◆いまこそ「100年に1度の対策」を 1月12日 田村秀男
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090112-00000574-san-bus_all
世界はいま、「100年に1度」の経済危機を迎えている。生産や雇用、所得や消費などすべてがら旋状に下降するデフレスパイラルの恐怖が日を追うごとに募る。定額給付金などちまちました景気対策では日本を覆う不安を解消できるはずがない。いまこそ発想と政策の大転換が求められている。そこで(1)政府紙幣の発行(2)相続税免除条件付き無利子国債の発行(3)オバマ次期米政権から円建て米国債の引き受け−という大胆な政策を提案したい。100年に1度の危機には100年に1度の対策を打ち出し、危機を好機に変える戦略が問われている。
(編集委員 田村秀男)
日銀券とは別に、政府がお札を刷る政府紙幣とは耳慣れないかもしれないが、政府(財務省)がよく発行する記念硬貨の代わりと思えばよい。記念金貨とは違い、発行費用は紙と印刷代で済むから、政府は財政赤字を増やさずに巨額の発行益を財源にすることができる。
まるで政府が「打ち出の小づち」を振るような話だが、きちんとした経済理論的な根拠もある。物価が下がり続けるデフレスパイラルとは、モノやヒトの労働の量がカネに比べて過剰なのだから、カネの供給量を増やせばよい。
米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は2002年のFRB理事時代に「デフレのときはお札を大量に刷ってヘリコプターからばらまけばよい」とぶったことがある。この「ヘリコプター・マネー」論は、1930年代の世界大恐慌の教訓を徹底的に研究したシカゴ大学の故フリードマン教授が提唱し、学派を超えて何人かの米ノーベル経済学賞受賞者が賛同している。FRBは今回の金融危機に際し、不良金融資産までも買い上げ、ドル資金を無制限に供給する異例の政策に踏み切った。
日本でも日銀が日銀券発行など市場に資金を潤沢に供給する「量的緩和」などで大々的な円資金供給に踏み切ればよいが、平時の感覚から抜け出られない日銀内部には「円の信任が損なわれる」との反対論も根強く、機動的な対応ができていない。
日銀券に比べ、政府紙幣には政治主導という利点がある。政策目的に応じて政府紙幣による財源を柔軟に充当できる。給付金としてばらまくことで個人消費を喚起するのも一案だが、失業者対策などの社会保障財源に回す、さらには民間の新たな地球環境プロジェクトを補助し、日本版「グリーン・ニューディール」を推進するのも手だろう。
もちろん、政府紙幣の発行額には限度もある。高橋洋一東洋大学教授は、その発行適正規模を「25兆円」とみている。
一方、需要を喚起するためには、なかなか消費に回らない民間の金融資産を動員することも必要だ。このために国債を発行するわけだが、国内総生産(GDP)の約1・5倍に及ぶ政府の累積赤字を増やすわけにはいかない。そこで有識者の間で浮上している案が、相続税免除条件付き無利子国債である。
日本の個人金融資産は2007年末で約1500兆円、このうち現預金は約半分、780兆円にも達している。個人は急落する株式を嫌って、金利がなくてもたんすに現金を留め置いたり、超低金利の預金で我慢したりしている。
これらの預金者のうち、相続税負担に悩んでいる高齢者らに無利子の国債を買ってもらい、その代わりに相続税を免除するのだ。この財源を政府紙幣発行財源と合わせると、政府は大規模な経済総合戦略を実行できるようになる。
政府の相続税収入は年間で1兆2000億円。景気が浮揚すれば法人税収などが伸びる。この相続税の減収を補って余りあるだけの税収増に結びつくような景気刺激策を考案する必要もあるだろう。
米国の金融バブル崩壊の結末は結局、グローバルなデフレ恐慌であり、2009年にはさらに進行する可能性が高い。米国で発行され、世界にばらまかれた巨額の金融商品は、借金しては消費する米消費者の財源になっていた。それが消滅したのだから、世界の実体経済に大津波となって襲いかかる。
中国ではすでに出稼ぎの農民など2000万人以上の労働者が輸出産業での職を失いつつあるし、日本でも最優良企業のトヨタ自動車までも営業赤字に転落、自動車産業を中心に3月までに8万5000人の非正規雇用者が失職する見通しだ。昨年1年間では米国では258万人、欧州でも110万人が失業した。
地球上のカネの流れが凍りつき、企業はカネを使えない、消費者はカネを手放さない。物価は下がって生産も消費も縮小し、所得も雇用も消え去る。
今回のデフレはこのように金融現象に始まり、金融の世界が病状をさらに悪化させるのだから、財政と金融の両面でかつてない次元の政策に切り替えるのは当然だ。
米国はバーナンキFRB議長、さらにオバマ次期政権でも大統領経済諮問委員会(CEA)委員長になるローマー・カリフォルニア大学教授がいずれも大恐慌の権威であり、デフレ対策を意識した政策を金融と財政の両面で打ち出してくる。日本もこれに呼応して、従来の発想を大転換し、米国と足並みをそろえるべきだろう。
オバマ氏は最近のインタビューで、財政赤字にこだわらず財政支出を増やすと言明している。その場合、米国の赤字国債を含む国債発行額は例年の4倍の2兆ドルに達する見通しで、市場ではドルや米国債の先行き不安が日々高まっている。ドルが暴落したり、米国債相場が急落したりするようになると、米国の金利は急騰し、世界経済はデフレ不況下での高金利という最悪の事態にまでこじれにこじれる。
専門家の中には「日本は保有する米国債を放棄すべきだ」(三國事務所の三國陽夫代表取締役)との意見もある。貯蓄大国・日本は内向きにばかりならず、米国の経済再生も考慮に入れる必要があるからだ。三國氏は、日本の米国債放棄を「日本版マーシャル・プラン」になぞらえる。約1兆ドルもの債権放棄は国内世論からして受け入れがたいが、米経済の回復がなければ、日本や世界経済の復活は遠い。
そこで政府紙幣発行と相続税免除条件付き無利子国債の大量発行と並んで、円建て米国債の引き受けも視野に入ってくる。
日本が米国債を引き受けようにも、ドルが急落不安を抱えている限り、日本の金融機関や機関投資家、それに個人も米国債の購入をためらう。為替リスク不安が強いためだ。その点、円建て米国債なら為替リスクを米国側が負う。
米国債の利回りは、円建てでも、日本国債よりも高く設定される可能性があり、日本の投資家は米国債を選ぶ可能性がある。その場合、日本国債の売れ行きに響くという恐れを財務官僚は抱くが、だからこそ相続税対策など、新たな魅力を日本国債に付与する必要があるのだ。
円建て米国債は世界の投資家にも買われる。日本企業と取引する世界の企業は決済通貨として円資産を増やせる。その結果、円の国際化が促進される効果もあるだろう。
こうした一連の財政金融面での思い切った政策転換は、厳しい時代だからこそ可能で、早急に議論に入るべきだ。米国や欧州、それに中国とも政策調整しながら世界的なデフレ脱却に向け、今こそ日本が主導性を発揮すべきだ。
日銀は2007年から金融を引き締めて株も景気も悪化させた。
(私のコメント)
政府の施政方針演説をテレビで見ていたのですが、どれも官僚が書いた作文を読み上げているだけで施政方針演説ではなくて施政方針朗読と言うべきだ。聞いている議員たちも半数近くが寝ており、国政には全く緊張感が無い。朗読の内容があれもやりますこれもやりますと言った総花的なものになるのは、各省庁の言い分を盛り込むからであり、朗読している本人は読み間違えないように朗読するのに精一杯だ。
せっかくテレビ中継されるのだから、オバマ大統領の演説のようにプロンプターを用いてもいいから国民に訴えるような演説を行なうべきなのだ。これでは内閣支持率も上がるわけはないのであり、せっかく全国にテレビ中継されるのだから支持率の上がるような演説は出来ないものっだろうか?
しかし施政方針演説の原稿を総理自分で書こうとしても官僚たちは許してはくれないだろう。国会答弁なども官僚たちが夜遅くまでかけてすり合わせを行ないながら書いているのであり、大臣が勝手な答弁をしては野党が騒ぐから官僚たちが一字一句まで尻尾を捕まれないようなそつの無い文章にして大臣に答弁させる。
このような体制ならば誰がなっても大臣は務まるのであり、平時ならこれでも上手く行くだろう。しかし今日は100年に一度の金融危機のときであり、大胆な経済対策が必要なのですが、自画自賛的な施政方針朗読であり、官僚たちにとっては思い切った政策を打ち出したつもりなのでしょうが、財政健全化が官僚たちにとっての施政方針なのだろう。
アメリカなどでは政権政党が代わることで思い切った政策の転換が出来ますが、日本のように自民党政権が続いていたのでは小泉改革が間違っていても自民党としては政策の転換はできないだろう。しかし野党も野党ズレがしてしまって何でも反対政党になってしまって政権担当能力が無い。
二大政党制ならば、与野党の政策は大して違わなくてもいいのであり、政党が交代する事で政策の転換をスムーズに出来るような政治になるべきなのだ。今の民主党は社会党などの左翼の残党がもぐりこんでおり、とんでもない法律が次々可決されて日本がおかしくなってしまうだろう。
自民党政治が長く続いたのは派閥政治が政権交代の役割をはたしていたのであり、小選挙区制になって派閥は弱まり党の執行部が強くなって党内野党がなくなってしまった。だから小泉、安倍、福田、麻生と総理は代わっても政策は大して変わらず、小泉政治の歪みが正されないまま来てしまった。
今の民主党にはとても政権は任せられないが、今の自民党も公明党の毒が回ってしまって死に体になっている。定額給付金も公明党のゴリ押しによるものですが、麻生総理も景気の落ち込みが激しい時にどうして消費税に拘るのだろうか? 景気が回復したら消費税というのでは、「景気を回復させませんよ」と言っているようなものだ。これでは今までとなんら変わりがない。
「株式日記」では大胆な政策提言を次々提案しているのですが、財政再建路線を堅持する官僚内閣ではどうにもならない。日銀の白川総裁も100年に一度という金融危機にあってもゼロ金利には抵抗して国内の景気を冷やしてしまった。三度日銀がゼロ金利にすれば三度ゼロ金利解除が間違っていたという事になるからゼロ金利には抵抗している。
ゼロ金利になると金融政策は効かなくなり量的緩和に踏み切らなければならない。しかし日銀は2007年から金融を引き締めて株も景気も下落させてしまった。日銀が政府の言う事を聞かなければ政府が紙幣を発行してデフレ経済を脱却させるべきなのだ。日銀はインフレを恐れるあまりにデフレにしてしまった。しかし日銀は誰も責任を取らない。
確かに2007年頃は都心の地価の高騰などミニバブルの状態になりましたが、日銀が0,5%まで金利を上げると世界同時株安になり、アメリカでは住宅バブルがはじけ始めた。それほど現在の日銀は世界経済に大きな影響を与える存在ですが、日銀はそれを自覚していない。リーマンショックで株や景気が大暴落しているのに日銀はゼロ金利に戻さなかった。
アメリカは実質ゼロ金利にしてヘリコプターから金をばら撒いているのに、日本は赤字国公債の発行は804兆円まで増えてしまって国債発行に及び腰になっている。ならば政府が紙幣を発行してヘリコプターから金をばら撒いてインフレと円安にして世界同時デフレを解消すべきなのだ。それくらい思い切った内需拡大策を打つべき時であるのですが、官僚たちはビビッてしまって財政再建を堅持している。
アメリカは近いうちに1971年のニクソンショックや1985年のプラザ合意の時のような借金踏み倒しに来るだろう。360円の1ドルが今では80円台になってしまってドル資産は四分の一になってしまった。それだけ踏み倒されたのだ。アメリカはドルをジャンジャンばら撒いてドルを安くしているのに、日本は日銀が円の価値を引き上げて円高にしてしまった。
アメリカは基軸通貨の座を狙っていたユーロがこけたので三度ドル安政策で借金踏み倒しに来るだろう。中国に対しては元の切り上げを迫り、ドルや米国債の買い入れを要求してくるだろう。しかし中国は日本ほど素直ではないので米中間がもめるかもしれない。ならば日中が共同戦線を組んで元建て米国債や円建て米国債を要求して為替リスクを回避すべきだ。