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焦点:デフレとインフレの不安が共存、FRB内部でも対立(世界日報)
【ニューヨーク 23日 ロイター】
米国でデフレリスクとインフレリスクの双方が議論されている。世界的な金融危機で、デフレリスクが意識される一方、連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の解除が遅れれば、将来的にインフレのリスクが強まるとの指摘が出ている。
ロード・アベットのチーフエコノミスト、ミルトン・エズラッチ氏は「デフレとインフレのどちらを懸念するかは、投資家が想定する時間軸による」と指摘。
「FRBが金融危機の終息後、直ちに過剰流動性を吸収しなければ、将来的にはインフレのリスクが高まる可能性がある」と述べた。
<FRBの亀裂>
FRB内部でも、見方は分かれている。
バーナンキ議長を中心とするFRB主流派は、資産価格の下落、失業増大、景気悪化のリスクが高いと認識。対応が遅れれば、問題が悪化するとの立場をとっている。
メリルリンチの北米担当チーフエコノミスト、 デービッド・ローゼンバーグ氏も「デフレ圧力は高まっており、拡大している」と指摘。「財政・金融政策を動員して、経済の緩みを解消しても、インフレリスクが浮上するまで何年もかかるだろう」との見方を示した。
一方で、一部の地区連銀総裁などFRB内のタカ派はインフレを警戒し、金融緩和の出口戦略を明確にする必要があると主張している。
フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁は先週の講演で「積極的な連銀貸し出しは経済・金融の回復を意図したものだが、そうした政策特有の課題ももたらす」と指摘。
リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は、FRBの政策が適正範囲を超えていると批判。「金融政策と財政政策を組み合わせる政策は、リスクを伴う」と述べた。
<デフレとインフレの距離>
インフレ懸念もデフレ懸念も、ともに正しい可能性がある。
デフレとインフレは、両極端の現象というイメージがあるが、経済の機能不全という意味では同根の現象であり、ともに「悪い物価調整」といえる。
金融危機の局面では、通貨に対する信用が極めて重要になり、通貨の信用が失墜すれば、人々が実物資産に殺到する可能性もある。
極端な例は、1919年に発足したワイマール共和政下のドイツで起きたハイパーインフレだ。当初は19世紀末に起きた世界的なデフレに苦しんでいたが、その後、人々の退蔵していたドイツマルクが一気に金融システムに還流し、労働者が紙幣を手押し車に入れ運ぶというハイパーインフレを招いた。
ワイマール共和政に関する著書があるベルント・ウィディグ氏は、今の米国で同じようなことが起きる可能性は極めて低いと強調しているが、金融システムに対する不安は日増しに強まっており、経済環境の急激な変化には警戒が必要だとみられる。
(Pedro Nicolaci da Costa記者;翻訳 深滝壱哉;編集 山川薫)
2009/01/26 16:28
http://www.worldtimes.co.jp/news/bus/kiji/2009-01-26T162849Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-360819-1.html