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貯蓄好きの日本において貯蓄率が低下している理由(KlugView)
2009/01/23 (金) 17:00
日本人は貯蓄好き、という言葉を耳にすることがあります。おそらく、これは、日本の金融資産に占める預金の割合が高いためと思われます。
日本銀行の資金循環によると、日本の家計が保有する金融資産は、総額1467兆円ありますが、そのうち約半分にあたる736兆円が預金となっています。米国では、預金の割合が15%に満たないことを考えると、日本人は貯蓄(預金)好き、という言葉は正しいように思えます。
しかし、日本人は貯蓄好き、といわれる一方で、日本の貯蓄率が低下傾向にあることは知られていません。内閣府の国民経済計算によると、日本の貯蓄率は、2000年に8.7%ありましたが、2007年には3.3%まで低下しています。これは、1955年以来、最低の水準です。
日本の貯蓄率が低下を続ける理由として、雇用者報酬(いわゆる給料)の伸び悩みが指摘されています。たしかに、給料が増えないのに、生活水準を上げてしまえば、手元に残るお金(貯蓄)も減り、貯蓄率も低下するのは自然のことです。
ただ、日本の貯蓄率が低下しているのは、雇用者報酬が伸び悩んでいるだけでなく、日本の金利が低いことも大きな理由の1つのように思えます。金利が低ければ、利息収入も少なくなりますので、貯蓄(預金)の人気も低くなるのは当然です。
日本の金利の代表例として、基準割引率(旧名:公定歩合)を取り上げ、日本の経済成長率(実質GDP成長率)と比べると、基準割引率が経済成長率を上回ると、日本の貯蓄率は高まり、逆に基準割引率が経済成長率を下回ると日本の貯蓄率が低下する傾向にあることが分かります。
日本銀行は1月22日、経済成長率(実質GDP成長率)の見通しを、今年度はマイナス1.8%、来年度はマイナス2.0%としました。昨年10月時点では、今年度がプラス0.1%、来年度がプラス0.6%としていましたから、日本銀行の見通しは大きく下方修正されたことになります。
幸か不幸か、金利はゼロ未満にすることができませんので、日本銀行の見通しが正しければ、日本の金利は経済成長率を上回ることになります。言い換えれば、低下を続ける貯蓄率も(わずかかもしれませんが)上昇する可能性があるといえます。最近になって、日本の定期預金の残高が増えていることは、こうした考え方の正しさを示しているのかもしれません。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
2007年の日本の貯蓄率はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
3.3%
(1955年以来、最低の水準)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/01/23/004412.php