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人口減少から考える日本経済の姿(KlugView)
2009/01/22 (木) 17:51
あまり大きく報じられませんでしたが、昨年(2008年)の日本の人口は、5万1千人の減少となり、1947年以降で最大の減少を記録しました。いわゆる少子高齢化によるものと思われます。
国立社会保障・人口問題研究所が推計した「日本の将来推計人口」によると、今後も日本の人口は減少を続け、5年後(2014年)の人口は、現時点(2009年)より、中位推計で150万人、低位推計で200万人減少すると推計されています。
人口の減少は、一人当たり消費額が人口の減少ペースを上回らない限り、日本の消費市場が縮小することを意味します。市場(需要)が小さくなると、供給側は、市場にあわせて規模を小さくするか、他市場にシフトして規模を維持・拡大するか、どちらかを選択する必要があります。百貨店業界で経営統合が相次いでいるのは、市場にあわせて規模を小さくする戦略といえますし、コンビニエンス業界が金融など他事業を手がけるのは、他市場へシフトして規模を維持・拡大させる戦略といえます。
需要も供給も小さくなると、結果として日本のGDPも小さくなります。
人口が減少しても、一人あたりGDPは変わらないから、経済的な豊かさも変わらない、と主張される方もいらっしゃるようです。しかし、人口が減少し、供給側も小さくなれば、規模拡大による効率化(スケールメリット)も発揮されにくくなるでしょうから、おそらく日本の一人あたりGDPも、今後は、良くて横ばい、悪ければ縮小すると思われます。
経済水準が低下すれば、これまで通用してきた生き方も通用しなくなり、日本に住む方は、過去と違った生き方を選ばざるを得ないでしょう。
たとえば、20年くらい前までは、「真面目に働いていれば報われる」といった考え方が根強くありました。しかし今後は、単に真面目に働いているだけでは、経済的に報われない可能性が高くなるでしょう。非正規労働者が、ある日突然、契約を打ち切られ、路頭に迷うケースが多発したことも、「真面目に働いていれば報われる」という考え方が通用しないことを、すでに示しているともいえます。
暗い話を無理に強要する意図はありませんが、経済指標の中でも予測精度が非常に高い「人口」が、今後、減少すると予想されている以上、人口減少を前提に先行きの社会の様子を想像した方が、今後を生きていくうえで有用と思われます。
もちろん経済水準だけで生き方を規定する必要はありませんが、日本では、経済水準が高くなることを前提に生きていた方も多いと思われるだけに、経済水準が低下することに目を向けないことは、多くの方にとって有害なことのようにも思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
2008年の日本の人口は前年(2007年)に比べ
どれくらい減少した?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
5万1千人
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/01/22/004400.php